Rebuild             


第21回、「Rebuild−チーム改造計画」
ここ数日で実現に一歩進んで二歩下がった案
オーランド・マジック!

この前のニュースの前に、ホークスの前にアップすべきだったかなぁ・・・。

 オーランド・マジック

 アイザイア・トーマスGM(ニューヨーク・ニックス)の手腕のおかげもあり、再建へのメドがたってきたオーランド・マジック。

 来シーズン後には、グラント・ヒルとの契約が終わり、サラリーキャップの空きもいくらか確保できる。ドワイト・ハワード、ダルコ・ミリチッチ、J.J.レディック、ジャミアー・ネルソンと期待を若手が揃っている。あとは彼らの成長を待つばかり、というマジックの現状。
 しかし、目標が優勝となると先が見えてこない。

 ミリチッチは来シーズン後に制限付きFAとなるし、チームノリーディングスコアラーが15.8得点のハワードという状況。
 もちろん、ハワードには来シーズンも成長が期待されるが、それでも優勝するには経験豊富なエースが欲しいところ。

 そこで私はリーグ屈指のスコアラー、アレン・アイバーソン獲得を提案したい。(7/28に76ers残留が濃厚となったが)
 放出するプレイヤーは来シーズンいっぱいで契約が切れるG・ヒルに加え、ジャミアー・ネルソン。アイバーソンが来シーズン1828万ドルのサラリーに対し、ヒルとネルソンで1817万ドルと十分にトレード可能だ。
 アイバーソンはトレードの噂が絶えず、アイバーソン自身も「チームが必要としなければ」とトレードを受け入れる姿勢を見せている。見返りのネルソンはアイバーソンのポジションを埋め、チームの目指す魅せるバスケットを引っ張ってくれるだろう。ヒルとの契約が来シーズンいっぱいで切れ、2007-08シーズンのラグジュアリータックス支払いを大きく軽減できるだけではなく、2008-09シーズンにはサラリーキャップを大きく空けることができ、アンドレ・イグダラへの契約にも備えることが出来る。プラス将来の1巡目指名権、といったところか。

 続いて、SGにはアイバーソンも、そのバックアップをするカルロス・アローヨもアウトサイドからのショットを得意とするわけではないので、そこに長けたプレイヤーを確保したい。今いるキース・ボーガンスでは優勝を目指すとなるとつらい。そこで、このボーガンスを早速トレードしたい(本来は契約以降90日は一部の例外を除きトレードできないため、10月13日まではトレードできないが、これには目をつむっていただければ嬉しいです)。

 トレード相手はデトロイト・ピストンズ。見返りはリチャード・ハミルトン。これは自分で提案しておいてなんですが、現状を考えればかなり苦しいと言わざるを得ない。だが、今のマジックが優勝を目指そうと思えば、これぐらいの交渉をまとめてもらわないとしんどい、というのも本音です。ピストンズへはボーガンスに加えてキーヨン・ドゥリングに、本当はおいておきたいパット・ギャリティを放出。
 ギャリティは来シーズンいっぱいで契約が切れ(352万ドル)、ドゥリングは2007-08シーズンはプレイヤーオプション。26歳のドゥリングが権利を行使しなければキャップにゆとりが生まれ、行使すれば来シーズン後に契約が切れるためトレードが可能だ。
 ピストンズはこのトレードでドゥリングが行使しなかった場合、2007-08シーズンのサラリーキャップから、本来はハミルトンのサラリー(975万ドル)からボーガンスのサラリーだけに抑えられる(来シーズンで200〜300万ドル?)。
 テション・プリンスの新たな契約(5年4700万ドル)が始まり、2007-08シーズンにはビラップスがプレイヤーオプション(681万ドル)を行使するとは考えにくいため、その再契約にむけてもサラリーキャップ整理は急務。ビラップスが1500万ドルも要求すればピストンズはこの時点で07-08シーズンのサラリー総額が契約プレイヤーが11名なのに6000万ドル(6200万ドル以上?)を優に超え、ラグジュアリータックスの支払いもありえる。だが、このトレードが成立すれば、ビラップスと再契約で初年度が1500万ドルでも6000万ドルを大きく下回り(5600万ドル前後?)、ラグジュアリータックスのラインを気にしつつ、ミドル例外条項での補強も可能だ。問題はピストンズがベン・ウォレス離脱を期に「次」へ行くのか、優勝した時の形へと執着を見せるのか。
 ジョー・デュマスGMはベン・ウォレスがそうだったように、既に長期契約済みで、お眼鏡にかなったプレイヤーを連れてきて優勝を成し遂げた。それを考えると、ボーガンスがお眼鏡にかなえば・・・。
 この話をまとめるとSGにハミルトンを配置でき、バックアップには経験を積ませたいJ.J.レディック。
 SFはヒディヤット・ターコルーと、再契約を交わしたトリヴァー・アリーザ。
 PFにはドワイト・ハワード。
 Cにはダルコ・ミリチッチ。両フロントコートのポジションのバックアップにはトニー・バティにあたってもらう。

 「Cはミリチッチでいいのか?」
 「フロントコートのバックアップが手薄」
 などのご意見もあると思います。
 ミリチッチについてはマジックにトレードで移ってからの30ゲームで20.9分のプレーで、7.6得点&4.1リバウンドを記録し、才能の片鱗を見せている。それにアイバーソン、ハミルトン獲得のために、トレード可能なプレイヤーはそちらに回さざるを得ず、彼には頑張ってもらうしかない。ハワードとのコンビはお互いにないところを補ういいコンビになれるだろう。
 フロントコートのバックアップは確かに必要。ミリチッチにはディフェンス面での不安が残り、ファールトラブルも考えられる。ここにはピストンズのディル・ディビスのようなプレイヤーがほしいところ。トレードも噂されるディビスがピストンズから解雇されるようなことがあれば、ミリチッチのバックアップ兼教育係としてぜひとも手に入れたいところ。もしくはミルウォーキー・バックスからFAとなっている地味な仕事人、アーヴィン・ジョンソンを獲得するのも手かもしれない。

 PG アイバーソン (控えC・アローヨ)
 SG R・ハミルトン (J.J.レディック)
 SF H・ターコルー (T・アリーザ)
 PF D・ハワード (T・バティ)
 C  D・ミリチッチ (E・ジョンソン)


 実現したとなると、ブライアン・ヒルHCには大変大きな仕事を任せることになる。
 ・アイバーソンから信頼され、アイバーソンを制御すること。
 ・アイバーソンにハワードを認めさせ、二人が相乗効果をもたらすよう采配を振るうこと。
 ・チームのディフェンス力を飛躍的に向上させること。
 ・カレッジのスーパースター、レディックをベンチスタートに適用させ、サイズ(193cm)での不安を補う。
 はっきり言って無理難題である。
 しかし、ここまで出来ていたとすれば、フロントはこれと同等以上の無理難題を片付けてきたことになる。HCにも頑張ったもらわなければならないだろう。

 そして、アイバーソン。
 個人としては3シーズン連続で飛躍的にFG%を上昇させるなど(38.7→42.4→44.7)、素晴らしいシーズンを送っているが、2000-01シーズンにファイナル進出を果たして以来、チームとしては芳しい成績を残せていない。
 この点に関し、周りの意見に耳を傾け、チームを引っ張るリーダーとしてどう生まれ変わるのか。それによっては空中分解もあれば、カンファレンス首位を争う存在になれる、かもしれない。

 現状でも明るい未来が待っているように見えるマジック。
 しかし、目標を優勝とするならば多くの歯車がかみ合う必要がある。
 トレード、プレイヤーの成長、HCの手腕、各プレイヤーの意識、そして相性。
 「それだけできれば、補強しなくても強豪になれる」
 そう言われそうだが、補強でまずは「強豪」の位置へ、そしてそこからの人間的な手腕で「優勝候補」へ。
 これができても「優勝候補」から「優勝」へ。82ゲーム+16勝への道は始まってもいない。

 マジックが今のこれからが期待できる、というチームに満足するのか。それともなんらかの動きを見せるのか。
 私はマジックのチーム作りっぷりの見事さには感動さえさせてもらっています。それだけに、前者なのか、後者なのか。その判断さえも注目して見守りたいと思います。

 asua



2006オフの改造計画履歴

ニューヨーク・ニックス

ロサンゼルス・レイカーズ

アトランタ・ホークス

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