第42回、改造計画 2009年オフ編

今オフ第三弾はロサンゼルス・レイカーズ!


 「来シーズンの優勝を狙えるチームにする」
 この目標に向けて、無理やりチームロスターの改造を行うこの企画

 いつもながら、管理人の独断と偏見により、凝り固まった案となっていますので、どうか笑ってやってください。

 管理人 asua




No Player Pos Ht Wt Age Exp College
37 Artest, Ron GF/SF 6-7 246 29 10 St. John's
12 Brown, Shannon GF 6-4 211 23 3 Michigan State
24 Bryant, Kobe SG 6-6 220 31 13 None
17 Bynum, Andrew C 7-0 275 21 4 None
Elonu, Chinemelu F 6-10 235 22 R Texas A&M
5 Farmar, Jordan G/PG 6-2 180 22 3 UCLA
2 Fisher, Derek PG 6-1 205 35 13 Arkansas-Little Rock
16 Gasol, Pau FC/PF 7-0 260 29 8 None
28 Mbenga, DJ C 7-0 255 28 5 None
6 Morrison, Adam F 6-8 205 25 3 Gonzaga
7 Odom, Lamar F 6-10 230 29 10 Rhode Island
21 Powell, Josh FC/PF 6-9 225 26 4 North Carolina State
18 Vujacic, Sasha G/SG 6-7 195 25 5 None
4 Walton, Luke SF 6-8 232 29 6 Arizona



 ウェスタン・カンファレンスでロサンゼルス・レイカーズが改造計画の希望アンケートで1位だ。

 ん?ここはやんなくてよくね?

 「なんとか、管理人の独断と偏見でチームロスターをいじり倒し、将来性も投げ打って、来シーズンの優勝を狙えるチームにする」
 というのがこのコラムの目的。
 …昨シーズン優勝し、そのメンバーはトリヴァー・アリーザを除き残留。アリーザに代わって、ロン・アーティストを獲得しているし、シーズン後半に頑張ってくれたシャンノン・ブラウンとの再契約も果たしている。
 最大の懸案だったラマー・オドムとの再契約もかなりチームの希望に近い形で成功しており、このことからもコービー・ブライアントとの契約延長も近いものと思われる。

 ポジション別で見てみる。

 PG デレク・フィッシャー ジョーダン・ファーマー シャンノン・ブラウン

 昨シーズン、プレイオフにおいてショットの不調と、早いPGへの対応とで苦戦したフィッシャー。
 しかし、フィッシャーが出場停止処分となったヒューストン・ロケッツとのゲーム3では、ファーマーが無事にその大役をやってのけた(32分プレーで、12得点・7アシスト・1ターンオーバー・2スティール)。まだ、フィッシャーに「引退しても大丈夫」とまでは言えないが、ファーマーにスターターを任せても、フィッシャーが控えている状態であれば大きく崩れることはないだろう。
 ファーマーの成長を受け、レイカーズはこれまでフィッシャーがいたポジションにファーマーが、これまでファーマーがいたポジションにS・ブラウンが、そして二人を支える形でフィッシャーがいるとなれば、ファーマーの活躍しだいでは、PGの層は昨シーズンより厚くなるとも考えられる。


 SG コービー・ブライアント サーシャ・ヴヤチッチ

 オフ、コービーが契約延長の条件として、このオフにFAとなった選手たちとの再契約をチームに挙げた。
 アリーザについては再契約できなかったが、代わりにアーティストを獲得したことでコービーは満足しているとされている。
 このことからも、コービーはまだ優勝に飢えている。優勝して必ず言われるのが、「たまたま」だったのではないかということ。昨シーズンのプレイオフでは、ライバルのボストン・セルティックスではケヴィン・ガーネットが怪我で欠場し敗退、サンアントニオ・スパーズがレギュラーシーズンからのマニュ・ジノビリの怪我が結局プレイオフまで長引いて、あっさりダラス・マーベリックスに敗退した。
 常に何らかの怪我を抱えているコービーだが、このオフは代表としてのプレーもなく、しっかり治療できていると期待も持てる。
 モチベーションと、健康。
 この2つがある以上、レイカーズのSGはまだ2、3年はリーグトップレベルのはずだ。


 SF ロン・アーティスト ルーク・ウォルトン アダム・モリソン

 能力的にはリーグ屈指のSFであるアーティストをなんとミドル例外条項で獲得できるとは誰が想像しただろうか。
 これから伸び盛りで、チームにもフィットしていたアリーザを失ったのは痛い。だが、アーティスト獲得はアリーザにはないものをチームにもたらし、2,3年後ならまだしも、現時点においては補って余りあるといえる。
 問題となるのは、やはりトライアングルオフェンスへの適応だ。しかし、これも最近のレイカーズはジョーダン・ブルズの時のように頻繁にややこしいオフェンスは行っていないし、ディフェンスの上手い選手は総じてスペースの使い方が上手であることからも大丈夫だろうと踏んでいる。オフの早い段階での獲得という、開幕までに時間的な猶予が得られたのも大きい。
 バックアップにはたくみに得点を挙げたり、立ったままのディフェンスにブロックされたりもするウォルトン。放出の噂も何度かあがっている。確かにサラリーは高い(来シーズン484万ドル、契約残4年約2200万ドル)が、彼の放出はスタッツ(5.0得点・2.8リバウンド・2.7アシスト)以上の痛手になると予想しており、慎重に対処してほしいと望む。
 モリソンについては、ここでなんとか居場所を確保すべく、やって欲しいと希望する。


 PF ポウ・ガソル ラマー・オドム ジョシュ・ポウウェル

 インサイドにバイナム、コービーの相棒にオドムといるレイカーズに来て、その両方の地位を獲得して見せたガソル。
 彼がいる限り、間違いなく安泰だろう。チームへの適応も文句なし。最近はもし、フィル・ジャクソンHCがコービーとガソル、どちらかを放出しなくてはならない状況になったとしたら、どちらか悩むんじゃないかと思うほど、それほど彼の存在はレイカーズ内で大きいと思っている。
 パッシングゲームに無類の強さを見せるオドムとの再契約も大きい。今年でフィッシャーが35、コービーが31、アーティストが30、と体力的には休める時には休めたい年齢になってくる。そこへベンチから体力の温存されたオドムが出てくるのはとてつもなく大きい。昨シーズンで平均29分の出場だったオドムが、体力と集中力を保ったまま勝負どころで多く起用されたのもうなづける。


 C  アンドリュー・バイナム DJ・エムベンガ

 バイナムは2年連続怪我に悩まされ、プレイオフでの活躍は期待はずれといっていい。
 だが、NBAはレギュラーシーズン50ゲーム(バイナムの昨シーズンの出場ゲーム数)において、14.3得点・8.0リバウンド・1.8ブロックを実力なく記録できるほど甘い世界ではない。
 先のプレイオフでの不調が、本人の言う通り体調の不完全さから来るのか、初のプレイオフで適応できなかった為から来るのかはわからない。どちらの理由にせよ、来シーズンは今シーズン以上を期待できるのは間違いないはずだ。
 ただ、やや層が薄い気はする。ここについてはレイカーズがバックアップを探しているともされており、最終的には補強がなされるはずで、心配はしていない。



 文句なし!改造計画の必要なし!

 …と言ってしまうと、「じゃ、なんでこれを書いた?」と怒られそうなので、無理にでも考えてみる。



 コービー・ブライアントの放出

 これは主に来シーズンのサラリー総額が9000万ドルを超えるレイカーズの財政事情が厳しくなったとしたら、との前提によるところが大きい。可能性としては、管理人が来シーズン中にヤオ・ミンを見下ろすまで身長が伸びる、その可能性に非常に近いものだとは先にお伝えしておく。

 トレード先としては、昨シーズン優勝にぐっと近づいたデンバー・ナゲッツをあげたい。
 近づいたが、それでも距離を感じたはずのナゲッツ。
 しかし、大きな補強はサラリー上もできず、ここまでトレードも行っていない。
 そこで、「コービー・ブライアント ⇔ カーメロ・アンソニー+J.R.スミス」というトレードをオファーする。
 コービーが来シーズン約2400万ドルのサラリーなのに対し、二人で計2100万ドル。トレードの条件となる放出選手のサラリー125%+10万ドルのうちにも収まっている。
 レイカーズは減らしたサラリー+ラグジュアリータックスの分で計600万ドルの支出減となる一方、31歳のコービーから25歳のカーメロにチームのスタープレイヤーを入れ替えることができる。更にスミスという素晴らしいバックアップも獲得でき、S・ヴヤチッチが期待外れである現状にも対処できる。
 ナゲッツは間違いなく優勝に大きく前進する。ラグジュアリータックスも含め600万ドルの支出増は決して高い買い物ではない。ただ、クレイザに続き、スミスの放出はベンチに不安を抱えることとなり、その点が心配されるが。
 実際、トレードとなると、交渉次第でどちらかに1巡目指名券の譲渡などがなされるかもしれない。

 レイカーズ視点での問題は、アーティストとカーメロという実にもめそうな同じポジションの二人が同じチームとなることだろう。
 アーティストはSGでもディフェンスできる為、実際にはそれほど問題にはならないのかもしれないが、コービーならまだしも若手の為にその苦労をアーティストが買って出るかはわからない。コーチ陣の手腕が問われるところか。


 コービーのトレードを前提とすると、候補としてオーランド・マジックもあげたい。

 即優勝を狙いたいマジックは、このオフ大きな補強に動いており、コービーにトレードの可能性が生じれば、獲得に動いてもなんら不思議はない。
 ヴィンス・カーター+ジャミーア・ネルソンで来シーズンのサラリーは2240万ドルとコービーの2304万ドルとつりあう。
 レイカーズはフィッシャーが契約が来シーズンいっぱい、ジョーダン・ファーマーが来オフに制限付きFA、シャンノン・ブラウンが2010-11シーズンのプレイヤーオプションとなっており、ネルソンを獲得することで、来オフ以降のPGを確保することにもなる。
 コービーもかつてインサイドのシャキール・オニールと組んで3連覇を飾った経験があり、周囲を固める選手も充実しているマジックであれば、移籍を前提とした場合、不満も出にくいかと。



 どうしても、レイカーズだと、必要性がないので補強と言うより無理やりな感じが多分に出てしまいますが、これはもうなんつっても昨シーズンの優勝チームですから、やむをえないところ。ご理解ください。

 パソコンの故障と停止、スペース借りてるところのサービスの停止など、ばたばたしたせいで大分と久しぶりの更新となり申し訳ありません。
 オフシーズンも後半の突入しました。もういくつかは仕上げるつもりです。ですので、もうしばらくお待ちください。

 asua



Ver1.01(要するに9/11追加分)

 しつこいようだが、現状で改造の必要性がレイカーズにはないが、レイカーズが改造を行う可能性があるとすれば、
  ・優勝を逃し平均年齢が高めになりつつある今の主力の入れ替えと再建に突入した場合
  ・経済不況からサラリー総額が高い為、支出削減の為に動き始めた場合
  ・よほどいいトレードオファーが舞い込んだ場合
  ・アンドリュー・バイナムについてレイカーズが諦めた場合
 といったところだろうか。

 上からの3つについては、不確定要素が多いので、最後のケースで考えてみる。

 バイナムはここ2年、シーズン後半に怪我で悩まされている。将来性と契約残が大きすぎるということはないので放出するなら、来シーズンが期待外れだった場合よりも今のほうが好条件でトレードが可能なはず。


 それでバイナムのトレードを、今のチームの補強の為に行うとするといくつか案が考えられる。


 1、マイアミ・ヒートとのトレード

 レイカーズ放出
  アンドリュー・バイナム 契約残 来シーズン1252万ドル 4年約5800万ドル

 ヒート放出
  ユドニス・ハスレム 契約残 来シーズン710万ドル 1年710万ドル
  マイケル・ビーズリー 契約残 来シーズン463万ドル 4年2400万ドル
 計 来シーズン1173万ドル 契約残3110万ドル

 レイカーズとしては、ディフェンスが今ひとつ大きな武器になりえていない(リーグ14位、平均99.3失点)のは、本来Cのガソルが、近年オーランド・マジックを始め、機動力と広いシュートレンジを持つ選手の増えているPFのプレイヤーとのマッチアップを余儀なくされているところが大きいと考えている。
 そこで、ヒートからファイナルではあのダーク・ノヴィツキー(ダラス・マーベリックス)に対して素晴らしいディフェンスを見せた正真正銘のPFハスレムを獲得し、バイナム放出で失う将来性をビーズリー獲得で補う。
 ヒートはPGのトレードによる補強を検討しているらしいが、ファーマー、ブラウン、フィッシャーの3人は出せない。
 ヴヤチッチとジェイムス・ジョーンズとをトレードに加えるという話ならありだが、上記3人のいずれかを放出することは、レイカーズとしてデメリットのほうが大きい。
 「この条件ではヒートが納得しない」
 との考えもあるかもしれないが、現在ヒートはすんなり契約できると思われていたウェイドとの契約延長交渉がこじれている。と言うのも、ウェイドが大幅な戦力補強を希望しており、ヒートがそれを実行できていないからだと思われる。また、ダラス・マーベリックスのように、ヒートと同じくFA獲得での戦力補強ができないチームが大幅な戦力補強に成功していれば、ウェイドも「この状況では仕方がない」と納得できないはず。
 そこで、ビッグマンのシャキール・オニールと組んで優勝した経験を活かし、その再来を狙う意味でもバイナムを獲得し、「補強の意思あり」とウェイドに示すことで、ウェイドとの契約延長へと挑む。
 しかも、ビーズリーはこれまで数々の問題を起こしており、このオフにはリハビリ施設にも通っており、将来性に疑問を感じ始め、トレードを考慮していても不思議ではない。プレジデントのパット・ライリー氏はその性格から、ドラフト指名を避けたがっていた、ともされており、指名後もトレードの噂は絶えなかった。
 ちなみに、チームプレジデントのライリー氏は、ニューヨーク・ニックス時代にはパトリック・ユーイング、ヒートに移ってからはアロンゾ・モーニング、シャキール・オニールとビッグマンを軸としたチームで実績を残している。ビッグマン獲得を熱望していても不思議はない。
 レイカーズでは、当時リーグトップのリバウンダーでリーグトップの問題児だったデニス・ロドマンをも手懐けたフィル・ジャクソンHCがおり、ビーズリーのコントロールについては期待できると考えている。



 2、ユタ・ジャズとトレード

 レイカーズ放出は1と同じバイナム

 ジャズ放出
  カルロス・ブーザー 契約残来シーズン1265万ドル 1年1265万ドル
  ブーザーとの契約延長後のトレードでない場合は、将来の1巡目指名権2つ

 このトレードには2つ問題がある。
 1つはブーザーの契約が来シーズンいっぱいで、契約延長後のトレードでなければ、2010-11以降の戦力減となり、コービー・ブライアントとの契約延長を考えればマイナス面が大きい。
 2つめはジャズ側が、バイナムとオクァを同時にコートに送り出した場合、オフェンスはシュートレンジの広いオクァがいるのでいいとして、ディフェンスではどちらも機動力としてはPFのマッチアップが厳しいという点。

 1巡目指名権2つの獲得だが、これはジャズが強豪であることを考えると、高い順位での指名権は望めないことと、このコラムが目指しているのが来シーズンの優勝であることを考えると、メリットとしては大きくない。



 今回、初めて追加で書き込んでみました。
 他にも、アマレや、オルドリッジとのトレードなども検討しましたが、怪我や不確定要素が大きかったのでやめておきました。

 正直、自分でもVer1.00は納得できるものではなかったもので、「なら、アップするな」とお叱りを受けそうですが、このバイナムのケースにしても、「改造」と言うよりは、単発の「トレード案」と言ったものでしかないので、ご満足いただけるものではないと思いますが、いつもどおり、笑っていただければ幸いです。

 管理人 asua


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