第33回、改造計画
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サンアントニオ・スパーズ 現在のロスター
サンアントニオ・スパーズがオフにまずすべきは、意識を外へ向けさせずプレーに集中させる為に、1年契約を残しているイミ・ウドカとの契約延長ではないかと考えている。 チームを支えたブルース・ボーウェンも今年で37歳。ボーウェンは2年契約を残しているが、そろそろ新しい血を入れることを考えるべき時にきている。 現在の主力で4度の優勝を果たしたスパーズだけに、難しい判断になるとは思うが、4度連覇を絶たれ、ここの決断が下せないと次へはいけない。 今年で31歳のウドカとの契約延長(2年で500〜600万ドル希望)を済ませれば、次はボーウェンと、ファブリシオ・オバート+マット・ボナーに将来の1巡目指名権をつけてを放出し、ロサンゼルス・クリッパーズからクリス・ケイマンを獲得した。 ケイマンは昨シーズン、56ゲームの出場にとどまっているが、15.7得点・12.7リバウンド・2.8ブロックを記録。クリッパーズは再建に入る可能性があり、Fのエルトン・ブランドの去就も未定。 更にケイマンは契約残が4年4350万ドルある。スパーズが代わりに出した選手3名はいずれも契約が2009-10シーズンいっぱいで、契約残も2000万ドルほど減る計算となる。 クリッパーズが2010年オフに出てくるスーパースタークラスのFA獲得を狙おうと思えば、サラリーキャップはいくらあいていてもいい。かつて、オーランド・マジックがしたように、スタープレイヤーを2人獲得する手もある。 スパーズとしては、ティム・ダンカンがPFとしてのプレーを望んでおり、CらしいCの獲得は大きい。また、ケイマンは今年で26歳とまだまだこれからの選手で、32歳を迎えるダンカンの次のインサイドの柱をそろそろ考えてもいいころだ。タイプの違ういいインサイドコンビを形成してくれるのではないだろうかと考えている。逆にそれだけの選手だからこそ、1巡目指名権を付ける必要があるのだが。 これでスパーズのロスターはダンカン、トニー・パーカー、エマニュエル・ジノビリ、ケイマン、ジャック・ヴォーン、ブレント・バリー、イミ・ウドカ、イアン・マヒンミ。 あと1巡目26位指名したジョージ・ヒルとなる。ヒルは昨シーズン、21.5得点・6.8リバウンド・4.3アシスト・FG54.5%・3P45.0%を記録しており、期待は持てるが、未知数であるルーキーであることには違いない。 それを考えると、バリー、ヴォーンの存在は欠かせない。2人ともプレイヤーオプションの為、FAとなる可能性もあるが、残ってもらいたいし、FAとなったら特にバリーは間違いなく抑えておくべき選手だと考えている。バリーだけでもBI-ANNUAL EXCEPTIONでの最長である2年契約で再契約か。 更にチームからのFAでは、カート・トーマス(今年36歳)とも再契約を結びたい。昨シーズンも70ゲームに出場し、6.3得点・7.2リバウンドと仕事をしっかりこなせるベテランは、まだ来年も活躍してくれるはずだ。 難しいのは、現役続行を宣言したロバート・オーリー。昨シーズンの2.5得点はキャリア最低の数字を記録。しかし、現役続行宣言の時には、「汗をいっぱいかいて引退したい」とプレータイムを求めるようなコメントもしている。昨シーズンはゲーム中も集中できていない、というか、これまでのように絶対的な自信を持ってプレーしているようには見受けられなかった。しかし、数々のビッグショットを沈めてきただけに、ベンチにいてくれると安心できる。 ベテランが残ってくれたとして、ダンカン、トニー・パーカー、エマニュエル・ジノビリ、ケイマン、ジャック・ヴォーン、ブレント・バリー、イミ・ウドカ、イアン・マヒンミ、ジョージ・ヒル、カート・トーマス、ロバート・オーリーとなる。 ポジションで見ると、PGにパーカー、ヴォーン、ヒルと3人。SGのジノビリ、バリー。SFにウドカ、PFにダンカン、マヒンミ、オーリー、Cにケイマン、K・トーマス。 ジノビリがSFでプレーできるとはいえ、SG-SFのポジションに一人、インサイドに一人、加えたいところ。 そこで考えられるのは、無難にいくとチームからのFAであるマイケル・フィンリーとの再契約。だが、FAのボンジ・ウェルスを推したい。 昨シーズンのプレイオフ、ジノビリが怪我もあり調子に乗り切れず、ロサンゼルス・レイカーズの前に敗れたスパーズ。スターターはよかったが、ベンチメンバーで一人で得点を生み出せるプレイヤーがおらず、レイカーズのディフェンスに捕まったのが大きな要因だと考えている。 フィンリーは素晴らしいスコアラーだったが、ここ最近は完全にシューターになっており、ひとりで局面を打開する、ということはなくなった。あくまでも個人的な意見だが、かつてほどの安定感も見られなくなってきていると考えている。ウェルスは、大量得点は期待しにくくなっているが、カットインからの当たり負けしないプレースタイルは変わっておらず、困った時にはチームの大きな助けとなってくれるはずだ。昨シーズンも73ゲームに出場し、9.1得点をあげており、ラストの22ゲームを過ごしたホーネッツではFG49.0%と高い数字を記録している。契約は昨シーズンのサラリー228万ドルを考慮し、2年400万ドル前後を希望。ミドル例外条項の一部を使う。 しかし、そうなると心配になるのがアウトサイドからの得点力だが、その分はバリーと、ルーキーのヒルに期待したい。 あと一枚、補強したいインサイドについては、自分で前言を翻すようで申し訳ないが、ベテランのセオ・ラトリフ、マイケル・ドレアックの2人を獲得したい。 300万ドル以上残るミドル例外条項をこれにあてる。 実を言うと、この300万ドルを使って、成長が期待できる若手インサイドのプレイヤーを獲得したかったのだが、見つからなかった。 クワミ・ブラウン? パトリック・オブライアント? マリーク・アレン? ストロマイル・スウィフトがプレイヤー・オプションを行使せず(既に残留としているサイトもあるので、自信はないが)、FAとなったら獲得するのも面白いかもしれない。しかし、それでも守れるCがバックアップにいなくなるので、ラトリフは押さえたいところ。 オブライアントがスパーズフロントに「あり」と評価されれば、それでいきたいところだが、300万ドルで自信を持って獲得したい!と言えるほどの自信はない。 金額が金額なため、制限付きFAを獲得できるとも思えないし。 サガナ・ジョブかとも思ったが、ダラス・マーベリックスがミドル例外条項全額をオファーする、とも報じられていたので、パス。 もしくは、デンバー・ナゲッツ編でも推したアロンゾ・モーニングを獲得できれば文句なし。 最終ロスター T・パーカー(控え、J・ヴォーン、G・ヒル) E・ジノビリ(B・バリー) I・ウドカ(B・ウェルス) T・ダンカン(R・オーリー、I・マヒンミ) C・ケイマン(K・トーマス、T・ラトリフ、M・ドレアック) 不安としては、ジノビリが怪我明けでオリンピックにアルゼンチン代表として出場していることによる、疲労と怪我の心配。ケイマンが昨シーズン終盤に相次いだ怪我からの復帰具合。PGに総合力のあるベテランPGがいないこと(ここはバリーに期待したい、という意味もあるのだが)。チーム構成がベテランばかりの為、長いシーズンを戦い抜けるのかという不安など。 これでロスター枠は14。枠はあと一つ、もしくはCとしてミドルが打てるドレアック獲得をパスし、2つ空けることもできるわけで、そこをどう上手く使えるかが長いシーズンを戦い抜く鍵となるかも知れない。 同じカンファレンスのレイカーズを倒すには、ポウ・ガソル、アンドリュー・バイナムのツインタワーを攻略する必要があり、ケイマン獲得は大きな助けとなるはず。ポイントはウドカがスターターに座ることで、どれだけ安定したプレーを長時間、維持できるかと言うところだが、これまでの経験とサポートできるバックアップ体制、グレッグ・ポポヴィッチHCの手腕を信用したい。 asua 文中の情報がFA解禁以前となっていることは作成した時期の関係なので、ご理解頂けると幸いです。 |