第29回、改造計画
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マイアミ・ヒート
2005-2006シーズンの覇者は昨シーズン、44勝38敗とプレイオフ1stラウンドのホームコートアドバンテージさえとることができず、その1stラウンドでスウィープという屈辱とともに姿を消した。 シャキール・オニールが42ゲーム、ドウェイン・ウェイドが31ゲームを欠場と怪我に泣かされたヒート。チームの得点上位4名(ウェイド、シャック、J・ウィリアムス、J・カポーノ)のうち、最多出場が67ゲームのカポーノという惨状だ。 オフにはカポーノにJ・ポージー、E・ジョーンズがチームを去り、G・ペイトンとも再契約しないことを明らかにしている。 ヒートが来シーズン、優勝しようと思えばどうすればいいのか。 シャックとウェイドという核がしっかりとある以上、目標は「地味だがしっかりとした補強」ということになる。 そのために、なんとしてもまとめないといけないトレードがある。 ゴールデンスティト・ウォーリアーズからミカエル・ピートラスを獲得することだ。 「SF不在」 そういわれるヒート。事実、そのポジションの補強に躍起になっている今だが「D・ライトがいるではないか」そう仰る方もいるだろう。 しかし、シャックとウェイドという、インサイドのスペースを使う二人のエースがいることを考えれば、ライトがキャリア3年での出場89ゲームで打ったおよそ40本(キャリア18.2%)の3Pでは、そのスペースを作る手助けができることを証明できたとはいえない。 そこで昨シーズン、240本の3Pを放ち、38.8%の成功率を誇るピートラスを獲得する必要が出てくる。 ヒートはJ・ウィリアムス(来シーズンのサラリー、約893万ドル)、M・ドレアック(同312万ドル)、D・ライト(170万ドル)を放出。計1375万ドル。ウォーリアーズからはS・ヤシケヴィシャウス(400万ドル)、M・ピートラス(サイン&トレード、ミドル例外条項全額で535万ドルとなるか)、P・オブライアント(221万ドル)を獲得する。計1156万ドル。
ピートラスはヒートでのプレーを希望しており、ヤシケヴィシャウスもウォーリアーズからのトレードを希望している。 ウォーリアーズはこのトレードでピートラスの代わりとなるライトを獲得し、ヤシケヴィシャウスよりネルソンHCの戦術にフィットしそうなウィリアムスを獲得。ドレアックはミドルの打てるCで、CらしいCを必要としていないウォーリアーズだが、守りたい時にサイズのあるプレイヤーは魅力的だ。ドレアックがそこで大きな戦力となるとは考えにくいが、「ミドル」と「サイズ」というウォーリアーズが必要としているC像に近いことは(スケールの違いはあるが)間違いない。 スタッツ上はヒートが「得点-3.3、リバウンド-3.6、アシスト-3.5」となっている。 スタッツ上は有利なウォーリアーズだが、これまでの流れで言うとピートラスをこのままクオリファイイングオファーでもう一年プレーさせることも可能かもしれない。しかし、ピートラスの気持ちが変わらなければ来シーズン後にウォーリアーズは見返りナシでピートラスを失いことになりかねない。前者だけで考えると1巡目といいたいところだが、後者の条件もあることから、ウォーリアーズにはプラス2巡目指名権ぐらいで納得していただきたいところ。 PG S・パーカー、S・ヤシケヴィシャウス SG D・ウェイド、D・クック(ルーキー、1巡目21位指名) SF M・ピートラス、A・ハーダウェイ、 PF U・ハスレム、A・ウォーカー、A・ジョンソン、 C S・オニール、A・モーニング P・オブライアント このトレードでヒートは約220万ドルのサラリーカットに成功する。ウォーリアーズはトレード前にサラリー総額がおよそ5600万ドルでサラリーキャップを越えて入るもののラグジュアリータックス課税ラインまではまだ遠く220万ドルのサラリーの増加も許容できるものと考えられる。 続いてはヒートの不可解分子であるA・ウォーカーを放出したい。 ウォーカーは誰しもが驚くタイミングで飛び込む危なげなカットインに、3Pでヒートの初優勝に大きく貢献した。 しかし、昨シーズンは不振に悩まされた。 そのウォーカーを「ビックネーム」「得点力に実績がある」「サラリーが高く契約残が長い(?)」プレイヤーを好むニューヨーク・ニックスのアイザイア・トーマス氏にトレードを打診。 事実、今ニックスはロスターが上限の15を超えており、その削減を希望している。 そこで、ウォーカー(854万ドル)を放出し、代わりにD・ディカウ(280万ドル)、F・ジョーンズ(330万ドル)にR・バークマン(123万ドル)を獲得する。 ヒートは来シーズン(-約120万ドル)とそれ以降のサラリーカットに成功し、ニックスはロスター枠を2つ削減することに成功する。 アイザイアがファンを納得させるための材料として(そのつもりがあれば、だが。なければこのままで?)、プラス1巡目指名権をつける。 ウォーカーの契約残がチームオプションを行使したとすれば4年約3880万ドル。これを来シーズンとバークマンの契約だけで消化できるのであれば1巡目指名権の放出もやむを得ない。
PG S・パーカー、S・ヤシケヴィシャウス、D・ディカウ SG D・ウェイド、D・クック(ルーキー、1巡目21位指名)、F・ジョーンズ SF M・ピートラス、R・バークマン、A・ハーダウェイ PF U・ハスレム、A・ジョンソン C S・オニール、A・モーニング、P・オブライアント ヒートは現在、他にC・クイン、D・グリーン、J・リチャードソン、M・スローター、J・アンソニーを抱えているが、どの選手も50万ドル前後の契約で保証もない可能性も充分考えられる。(スローターはhoopshypeでは2年契約となっており、ある可能性も) ここでは保証がないと仮定して話を進めると、ヒートのサラリー総額は約6700万ドルまで抑えることができる。更にサラリーキャップを下回っているチームに対してF・ジョーンズを2巡目指名権との交換トレードをオファー。成立すれば更にサラリーをカットすることができる。 その上で、噂のあるFAのP.J.ブラウンとベテラン最低保証で契約。無理ならばC・ウェバー、それも断られたらB・スキナーと契約する。 あと一人、バックコートに厚みが欲しいところだが、話のあるA・ヒューストンは難しいところ。一定以上の役割を求めていることから、ポイント起用では納得しないだろう。ウェイドという絶対的なエースがSGにいることもあり、下手をするとクックのプレータイムが確保できない事態にさえありうる。更に言えばこのチームは「経験」の宝庫であり、ヒューストンの一番の売りである「経験」を必要としていない。ここはD・クリスティが無難なところだろう。 PG S・パーカー、S・ヤシケヴィシャウス、D・ディカウ SG D・ウェイド、D・クック(ルーキー、1巡目21位指名)、D・クリスティ SF M・ピートラス、R・バークマン、A・ハーダウェイ PF U・ハスレム、P.J.ブラウン、A・ジョンソン C S・オニール、A・モーニング、P・オブライアント
F・ジョーンズ放出が難しいことは承知しているが現金をいくらか条件としてつけることで実行したい。それが叶えばこのロスターで総額約6720万ドル。ラグジュアリータックス課税ラインである6786万ドルを下回ることに成功する。ロスターもきちんと15名と枠内に収まっている。 パーカーとヤシケヴィシャウスにはPGのスターターを競ってもらう。ヤシケヴィシャウスはウォーリアーズ時代よりもかなり多くの責任を任されることで能力とやる気を発揮してくれるはず。パーカーもヤシケヴィシャウスもオフェンスにその才能が偏っており、そういう意味でディカウはバランスが取れており、ひょっとしたらスターターというのもない話ではない。 ウェイドが11月に戻ってくるとされているが、それまではD・クックがスターターを勤め、クリスティ、ハーダウェイがバックアップする。クックにとって貴重で重要な体験となるはずだ。 ウェイドは出遅れることもあり、無理できないということもあり、オフェンスの役割がこれまでよりやや減らさざるを得ないだろう。少なくとも復帰しばらくは。しかし、そこは新加入のピートラス、クックでフォローは充分できるはずだ。むしろ、それでこそいいバランスがとれるかもしれない。 クリスティにはバックコート陣のディフェンス指導にあたってもらう。特にバークマンはディフェンスの才能に対して評価が高い。彼は健康だったころのクリスティにどれだけ近づくことができるかでプレータイムが変わってくるだろう。 ハスレム、ブラウン、オニール、モーニングはこれまでどおりのヒートのインサイドを形成する。 11月1日に開幕を迎える来シーズンのマイアミ・ヒート。 ウェイドが2週間で帰ってくると仮定するとそれまでのスケジュールは以下の通り。 11/1 ホーム デトロイト・ピストンズ 11/2 アウェイ インディアナ・ペイサーズ 11/4 ホーム シャーロット・ボブキャッツ 11/7 アウェイ サンアントニオ・スパーズ 11/9 ホーム フェニックス・サンズ 11/11 アウェイ ニューヨーク・ニックス 11/13 アウェイ シャーロット・ボブキャッツ 11/14 ホーム シアトル・スーパーソニックス 多くの場合、ホームコートで復帰を果たすケースが多いため、14日のシアトル・スーパーソニックス戦か、16日(ボストン・セルティックス)と17日(ニュージャージー・ネッツ)とのアウェイのゲームをパスし、あきがあることもあり21日のアトランタ・ホークスとのホームゲームを選ぶかもしれない。 ここまでの10ゲームを乗り越えられれば、11月21日からの月末まではホーム4、アウェイが1と比較的な楽な日程であることもあり、ウェイドの復帰と重なれば波に乗れるかもしれない。 レギュラーシーズン50勝はマークしたい。 デトロイト・ピストンズ、ボストン・セルティックス、クリーブランド・キャバリアーズとイースタン・カンファレンスの首位を争うことになるだろう。カンファレンスファイナルを制するうえでその結果は大きなポイントになるが、イースタン首位を希望するにはあまりにも主力がベテラン過ぎるのと、怪我が多いので無理があるかもしれない。キャブス、ピストンズに次いでイースタン3位でプレイオフ進出あたりを希望したい。 ウェスタンからは恐らくあのサンアントニオ・スパーズがあがってくるだろう。 オフェンスでは問題はない。ウェイドだけなら止めることはできても、ウェイドとシャックとハスレムを同時に封じることは不可能だ。加えてアウトサイドにはピートラスが控えている。 ディフェンスでは、ダンカンに対してはダラス・マーベリックスのダーク・ノビツキーに対して好ディフェンスをしてみせたハスレムがおり、J・ポージーより動けるバークマンがおり、Wチームでの対応も可能だ。 ジノビリにもバークマンがあたる。(←↑ここに厳しさが存在しているのは確か) より問題なのはT・パーカーとR・オーリーだ。 T・パーカーをとめることはウェイド同様、個人では不可能だ。ウェイドに対してスパーズはダンカンという動けるブロッカーがいる。T・パーカーに対してはモーニングがいるが出場時間は限られる。ここでもバークマンに頼りたいところだが、パーカーのカバーにバックコートのプレイヤーが動けばスパーズの思う壺。難しいところである。 オーリーについてはフロントコートをダンカンとオーリーで組まれると厄介。オーリーをフリーにするわけにはいかないので、ハスレムをつけるとして、シャックがダンカンとマッチアップすることになる。ダンカンのミドルショットが外れるのを願うほかない。 だが、ヒートにはもう一つ大きな武器がある。最近、忘れられがちだが。 シャックだ。 ウェイドのそれとは違い、シャックはボールを持った瞬間からのWチームが必要で、1on1であれば時間の許す限り得点を高いFG%で量産する。スピードが衰えたとはいえ、そのパワーというか重さは顕在だ。 シャックとボーウェン。いずれの衰えがより目立ち、どちらのチームがフォローできるか。意外とここがポイントになる気がする。 一部でご依頼、というか「やったら面白いかも知れない」といってもらったのがシャキール・オニールのトレード。 優勝に貢献した大ベテランを最後のシーズンにかけるモーニングを擁しながら放出する、というのはあまりにも人情に欠ける気がしますが、ご提案もあくまで「考えてみたらおもしろい」という観点からのものでしたので、考えてみました。 ダラス・マーベリックスとのトレード 放出、シャック+ハスレム 獲得、E・ダンピアー+J・ハワード+J・テリー 過去にもシャック獲得に名前のあがったこともあるマブスとのトレードで、ここまですればシャック放出も仕方なく思えてきますが、マブスとしては容認できないでしょうし、実際トレードが行われればハワードとウェイドを共存させることの難しさなどが問題になるでしょう。むしろ、シャックとダンピアー+テリーでトレードを行えば、ヒートは一気に300万ドル以上の来シーズンのサラリーカットに成功する。タックス支払いを避けたがっているヒートとしてはこちらのほうが可能性がある? デンバー・ナゲッツとのトレード アレン・アイヴァーソンとの1対1のトレード これは両チームが行き詰まりを感じていれば、お互いの最終手段としてありえなくはないトレードですが、まだヒートもナゲッツも行き詰るまでいっていないのでなし。 サクラメント・キングスとのトレード R・アーティストとB・ミラーを獲得し、シャックを放出。 ヒートはSFを補強し、Cも確保したままでいられる。という案。 キングスがもし即の目標を優勝とするのであれば、アーティストを放出したいと考えていることもあり、可能性が0ではないかも。再契約を結んだK・マーティンが契約前にチームの大型補強とアーティストの放出を望んでたりしたら、ヒート側にシャック放出の意思があればわからなかったかも。 しかし、私は結論でいいますと、ヒートにシャック放出の意思はないと思いますので、まぁネタ程度に見ていただければ幸いです。まぁ、どこもネタですけど、と自嘲気味にいってみたり(笑)。 今回はいかがだったでしょうか。 優勝経験があるチームなだけにさほど大きな動きはこの企画としてはなかったほうだと思いますが。 また、採点につきましてはこちらで受け付けておりますので、お手数ですがよろしければお願いします。 asua 夏休みの宿題はとりあえず、あと二つ…。 |