独断と偏見による、注目の選手のご紹介!


第11回

「ケイシー・ジェイコブセン」


 現在、FAで引退を考えそうにないプレイヤーをお勧めしようと思ってFAリストをみてみると、意外なほどにプレーできそうなのに引退していそうなプレイヤーが多いことに気付く。キース・ヴァン・ホーン、トニー・クーコッチ(彼はミルウォーキー・バックスかシカゴ・ブルズでなら現役続行を希望していたが)、アントニオ・デイヴィス、ラトレル・スプリューエルなど。
 そんな中、若手で期待していいプレイヤーとして今回はケイシー・ジェイコブセンをお薦めします。
 あとは彼の行き先希望も掲載してみました。

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ケイシー・ジェイコブセン 現在FA 198p


 Career FG 3PT FT Rebounds Misc
 Year Team G Min  M A Pct M A Pct M A Pct Off Def Tot Ast TO Stl Blk PF PPG
 2002-03 PHO 72 15:54  1.7 4.5 37.3 0.7 2.3 31.5 1.0 1.5 68.6 0.4 0.8 1.2 1.0 0.8 0.5 0.1 1.3 5.1
 2003-04 PHO 78 23:23  1.9 4.6 41.7 1.0 2.3 41.7 1.2 1.4 82.0 0.5 2.0 2.6 1.3 0.9 0.6 0.1 1.9 6.0
 2004-05 PHO 40 19:11  1.6 3.9 41.4 0.9 2.2 38.2 1.2 1.6 77.4 0.4 1.3 1.7 0.9 0.7 0.3 0.0 1.4 5.3
 2004-05 NO 44 23:23  2.3 5.7 39.8 0.7 2.0 36.4 2.3 3.0 79.2 0.4 1.9 2.3 1.7 1.0 0.5 0.2 1.1 7.6
 Career 234 20:23  1.9 4.7 39.9 0.8 2.2 37.0 1.3 1.7 77.0 0.5 1.5 1.9 1.2 0.8 0.5 0.1 1.4 5.9


 2004-2005シーズンには7.6得点・2.3リバウンド・1.7アシストを記録。2003-2004シーズンには3P%41.7をマークしたピュアシューター。サイズもSGの基準値である198pと申し分ない。
 ディフェンスでは存在感を示せたことはなく、ファールもキャリア平均20分の出場で1.4と少ないとはいえない。だが、そのファール数もシーズンを重ねるごとに1.9→1.4→1.1(出場時間は23→19→23)と改善が見られる。
 スターターを務めるにはもうシュート力だけでは苦しいが、ベンチスタートから実績を残しており、アウトサイドからのシュート力が欲しいチームは獲得して損はないはず。

 獲得希望チーム
 希望としてはやはり、チームで3P%が低いところとなる。3P%のリーグワースト5について、ジェイコブセン獲得について考えてみたい。


 サクラメント・キングス
 3P%でリーグ最下位の31.4%だが、キングスには必要ないと考える。
 理由としては、現在のキングスは強豪から一歩下がり、ロン・アーティストのトレード先を探している状態だ。そんな中で期待はケヴィン・マーティンで彼は3P試投数4で39.5%で、ジョン・サルモンズ(試投数1.5で37.0%)もいる。まずはアーティストのトレードをまとめるのが先決で、補うのはその大きな動きが終わってからだろう。


 ロサンゼルス・クリッパーズ
 FG%では8位の46.4を誇るクリッパーズだが、3Pは下から2番目の31.8%。
 サム・キャセール、カティーノ・モブリー、ティム・トーマスと外から打てるプレイヤーが揃っているようだが、モブリーは試投数2.2で40.7%、トーマスは同4.1で35.5%だが、キャセールは今シーズン試投数1.9で26.8%どまり。キャセールのこの数字はキャリア平均(33.3%)を大きく下回るもので、怪我を押してプレーしていたことと無関係とはいえない。キャセールは左足の筋膜炎から1/8に復帰しており、復帰からの6ゲームでは3P・11/28で39.2%を記録している。
 成績もその間アウェイ3、ホーム3の中で4勝2敗を記録している。
 このことをふまえれば、ジェイコブセンを獲得することについてはマイナスの影響はないだろうが、大きくプラスに作用するとも考えにくい。最近にアルヴィン・ウィリアムスを獲得したことからもGを更に補強するとも思えないというのが実情か。


 ミルウォーキー・バックス
 リーグ屈指のシューター、マイケル・レッドを擁しながらチーム3P%はリーグで下から3番目で32.1%と悪い。レッドの怪我もあり、代役とまではいかないが、10日間契約ででも試してみる価値は十分あるのではないだろうか。
 モー・ウィリアムスも怪我で欠場中で、Gの補強は急務だ。アール・ボイキンスを獲得したし、期待以上といえる活躍を見せてくれているが、チームは上向いていない。
 チャーリー・ベルもいるが、今シーズンは32.2%と3Pは決まっていない。
 ジェイコブセンを獲得してレッド、モーが復帰したとしても層が厚くなることになり、悪い結果にはならないと思われる。


 デンバー・ナゲッツ
 リーグ27位の3P%、32.5%はナゲッツ。だが、ナゲッツは試投数はリーグ8位の18.6と多い部類に入る。
 チーム1の試投数を誇るのはJ.R.スミスで7.3。これはリーグ3位の数字で、成功率も38.4%を誇る。
 ナゲッツ入りし、化けた感のあるスティーヴ・ブレイクもここまで5ゲームで53.9%を記録しており、あまり得意ではなかったアレン・アイヴァーソンも今シーズンは38.5%決めている。
 これらを考えると、ナゲッツはこれまでは確かに数字どおりアウトサイドをスミスに頼りきっていたが、現在はブレイクにアイヴァーソンがおり、補強よりも現有戦力をどう使いこなすかが鍵。シュートチャンスをどう振り分けるかが重要なのであり、シュートチャンスを必要とするジェイコブセン獲得は必要ないものと思われる。


 ユタ・ジャズ
 ジャズは開幕から好調で、シーズン前予想を上回る成績をここまで残している。だが今月に4連敗を喫し、リーグの首位争いからは一歩退いている。
 ジャズの3P%はリーグ26位で32.5%。試投数もリーグ26位で12.9と少ない。
 今シーズンも成長を続けるデロン・ウィリアムスだが、3Pは昨シーズンの41.6%から今シーズンは31.7%と大きく数字を落としている。だが、試投数は2.7から3.4と増えており、これはアウトサイドのショットに対するウィリアムスへの依存度が高まっていることを示している。これをサポートするシューターとしてチーム内ではデレク・フィッシャーにマット・ハープリングがあげられる。しかし、フィッシャーとウィリアムスがコートに立てば、どうしてもSGをどちらかがディフェンスすることになり、ミスマッチが生じる。ハープリングは3P試投数が0.5とあまりにも少ない。最近ではミドルからのショットに特化している感じがあるし、ハープリングはSGをディフェンスできない。
 そこでSGにジェイコブセンを獲得すれば、シュート力とSGを守れるプレイヤーを獲得できる。
 ロスター枠も現在13と空きがある。


 今年で26歳と若いジェイコブセン。
 成長を求めるのであれば、チャンスの多いバックスを。優勝を目指すのであればそのチャンスのあるジャズと契約するのがお薦め。
 他のチームでもシューターとしての実績があり、サイズもしっかりあるジェイコブセンは使い勝手がいいはず。
 1ゲーム平均10〜15分で3P試投数2前後と、本人も実績があるラインで試してみる価値は十分にあると思う。

 asua








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