| 第10回 「お買い得感のあるプレイヤー」 成功を収めたプレイヤーだけが入ることの許されるＮＢＡで、もらい過ぎているプレイヤーはいくらでもいる。しかし、サラリーが低く、かつ期待できるプレイヤーとなるとなかなか選別が難しい。 それができているかというと、我ながら大変疑問だが、そこは独断でお勧めするプレイヤーをご紹介しようと思う。 ちなみに、既に超がつくほど有名で、実力と認知されている能力とに大きな開きがないプレイヤーは省きました。そういうのは雑誌がいくらでも特集してくれると思うので、そちらで。（同じ題材でよりよいものが書けるようになったらそういうことにもふれてみたいと思います） ａｓｕａ |
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PG アンソニー・カーター 31歳 188㎝ FA 「アウトサイドのないデレク・フィッシャー」そんな感じのプレイヤー。多くは期待できないが、水準以上のディフェンス力と、手堅いプレーメイクを限られたプレータイムでもチームにもたらしてくれるはず。
PG セバスチャン・テルフェア 21歳 180㎝ ボストン・セルティックス 今シーズン179万ドル契約残3年 カットインの速さは尋常なものではない。今シーズンもここまで10.2得点＆4.3アシストを記録している。だが、そのスピードとは裏腹にスティールは0.6止まりで、体重も76㎏とあまりに軽く、ディフェンス面では不安が残る。それでもオフェンスの能力を買って獲得する価値は十分ある。
PG デイモン・ジョーンズ 30歳 191㎝ クリーブランド・キャバリアーズ 378万ドル、契約残3年 カットインができるわけでも、ディフェンスで優れたところがあるわけでもないが、しっかりボールは運べるし、アウトサイドからのショットを沈めることができる。PGとしてはサイズもある。プレータイムとシュートチャンスを作ってやれば、サラリーと契約残の分はしっかり働いてくれるはず。
PG カルロス・アローヨ 27歳 188㎝ オーランド・マジック 400万ドル 契約残2年 10.5得点＆3.0アシスト＆3P38.5％＆FG44.8％を記録するスタンダードタイプのPG。ディフェンスでは不安を感じるが、オフェンスではしっかりと「PG」としての役割を果たしてくれる。ゲームを支配することは望めないが、任せて安心できるプレイヤー。
ダン・ディカウ 28歳 181㎝ ポートランド・トレイルブレイザーズ 250万ドル 契約残2年 上記のアローヨ同様に、多くは期待できないが一定の役割をこなしてくれるだろうというタイプで、実績が最近ないプレイヤー。 2004-2005シーズンにはニューオリンズ・ホーネッツで13.2得点＆5.2アシストを記録したが、その後はプレータイムが得られず、今シーズンも2.2得点＆0.7アシスト。確かにコートでインパクトを与えられる存在ではないが、コート上の役割としてPGに無理して欲しくない時間帯などは任せてもいいプレイヤー。
PG サルナス・ヤシケヴィシャウス 193㎝ インディアナ・ペイサーズ 400万ドル 契約残2年 サイズがあり、パスもさばけ、得点も出来るという素晴らしいPG。だが、問題は無理をしてでも得点をあげにいこうとするシーンが毎ゲームみられるところだろうか。これはＮＢＡ入りまでチームのトッププレイヤーとしてプレーしてきた頃の名残なのかもしれないが、その無理がたたってか今シーズンもＦＧは38.7％となっている。ＦＴは89.8％と絶対の自信を持っていることから、ヨーロッパよりもファールコールがディフェンス側に甘いという状況になれていないのかもしれない。
PG デロン・ウィリアムス 191㎝ 22歳 374万ドル 契約残3年 前回の「Find Player」でも紹介させていただいたデロン・ウィリアムス。 今シーズンは期待通りの成長を見せ、ここまで16.7得点＆9.1アシスト＆3.4リバウンド＆FG47.0％を記録。 以前の時は「得点よりもパスに意識が傾きすぎているのでは」と書かせてもらったが、それが今シーズンは改善された感がある。前はパス60が得点40のバランスだったのが、55-45ぐらいに改善されている。FG％の向上は3P％が昨シーズンの41.6から28.6に落ちていることを考えると、決定力が向上したというよりもシュートセレクションが改善されたとみるべきだろう。 チームの勝利、というPGとしてなによりの結果もここまで出している。まだ、ウィリアムスの将来に完全なる信頼を置くわけにはいかないが、リーグ屈指のPGとなることを期待することはできる。
ＰＦ ユドニス・ハスレム 26歳 203㎝ マイアミ・ヒート 552万ドル契約残4年 二桁得点に二桁近いリバウンドを常に期待できるＰＦ。年々、ミドルからのショットに安定感が増しており、ＰＦのスターターを安心して任せることができることを考えれば552万ドルは決して高くはない。ディフェンスもしぶとく、昨シーズンのファイナルでダーク・ノビツキーに見せたディフェンスはいまだに記憶に新しい。
ＳＦ ジェイソン・カポーノ 25歳 203㎝ マイアミ・ヒート 118万ドル契約残1年 しっかりとしたサイズと、アウトサイドからのシュート力があるため、使い勝手のいいプレイヤー。 一方でシュートセレクションにいまだ難があり、無理やり3Ｐを打ったり、打って欲しい場面でパスをさばいたりとまだ修行中の身。ポイント起用に応えられる器用さをもっており、ＳＧ、ＳＦでのアウトサイド要員としてはベストかもしれない。
ＰＦ ブライアン・スキナー 30歳 206㎝ ミルウォーキー・バックス 540万ドル契約残2年（来シーズンはチームオプションであることをふまえて「価値ｱﾘ」と判断） ディフェンスは上手いほうでは決してないが、オフェンスでは任せれば一定以上の答えは出してくれるプレイヤー。ただ、問題は得意とするオフェンススキルが1on1からのものだということ。現在、バックスでベンチスタート。それでもいいのだが、ポイント起用に答えるにはミドルからのジャンプショットなどの器用さがない。6、7番目のプレイヤーとしてゲーム毎5,6本ほどのFG試投数をスペースをとって任せてやりたいところ。サラリーは高いが来シーズンがチームオプションであることから、奮起すれば儲けもの、しなくてもサラリーカットに貢献してくれることから選ばせてもらった。
PF アンダーソン・ヴァレジャオ 24歳 208ｃｍ クリーブランド・キャバリアーズ 94万ドル契約残1年 ガッツ溢れるプレーに当たり負けしない身体。ディフェンスはいまいちだが、チームに勢いをもたらしてくれるいいバックアッププレイヤー。 キャブスでは最近、評価が高まっており、一時ドリュー・グッデンのトレードが噂されたのもチーム首脳のヴァレジャオに対する期待があったからとか。しかし、こういうタイプはスターターを任せると、空回りするパターンをよく見る。ヴァレジャオが「そうではない」と言い切るにはまずディフェンス力が足りない。今でも出場時間23分で3.3ファールはあまりにも多い。間違いなくいいプレイヤーだ。しかし、スターターを任され、トッププレイヤーの仲間入りを果たそうと思えば、今の「勢いが売り」というだけでは安心してポジションを任せることは難しい。 ゆえに管理人はバックアッププレイヤーとしてヴァレジャオを一押ししたい。
C ジューク・サカリディス 27歳 218㎝ メンフィス・グリズリーズ 290万ドル契約残1年 2000年にフェニックス・サンズに入って時点で、恵まれた身長と出来上がった身体で期待を寄せられるも、いまだに「期待される」位置に止まっているサカリディス。彼については長年、応援している身としてはスターターをやらせてみたいが、本音を言うと無理だというのもわかっている。 というのも、Cとして望まれるインサイドの得点、リバウンドにディフェンス。いずれもそれなりにこなせはするのだが、チームとしてのバスケットができない。ゲーム理解度が低い、とでもいうのだろうか。1on1においてでは、相手がシャックだろうか、ヤオ・ミンだろうが、まずまず合格点をあげられるプレーを見せるが、「チーム」として動けているのを見たことはない。そのため、役割を限定しての起用となるため、長時間プレーさせることは難しい。だが、言い換えれば役割を限定すれば「期待」にもそれなりに応えてくれる。昨シーズン、平均14分のプレーでFG60.6％で5.0得点に4.2リバウンドを記録。・・・これぐらいが彼にとってもベストの起用法だと思う。バックアップCとしては、いいCだといえるため、ヴァレジャオに続いて、サカリディスもバックアップとして推薦。
C アロンゾ・モーニング 36歳 208ｃｍ マイアミ・ヒート 250万ドル契約残2年 現在、リーグで最も優れたバックアップC。平均23分のプレーで2.6ブロックを記録し、これは36分換算で4.0ブロックとなる数字。リバウンドでもオフェンスリバウンド2.0を含む5.6リバウンドを記録。得点ではFG57.4％で9.4得点。 かつてほどのステップはさすがにみられなくなったが、それでもカットインなどに対して、いつの間にか間合いをつめ、ブロックを決める様は圧巻。虚しい過程だが、もし、もし健康な身体で継続的に30分以上プレーしても支障がないというのであれば、私はヒートがシャックとモーニングをゲームによってスターターとベンチを入れ替える、なんてことをしても全く驚きはしない。 そんなモーニングのサラリー250万ドルは全然安い。今、リーグで全チームに250万ドルでモーニングを獲得できるとすれば、獲得するかと問えば、ルール上獲得できるチームは全て獲得するだろう。 ただ、問題は引退が間近である。昨シーズン終了後にも引退が囁かれたモーニング。気持ちでプレーする彼にとってモチベーションの維持こそが健康の維持と並んでの最重要課題。移籍となれば、場合によっては本人も移籍よりも引退を選ぶ可能性もある。そういう意味で、扱いが難しいとも言える。
逆に低サラリーでいいプレイヤーながら、あえてあげなかったプレイヤー チャウンシー・ビラップス 30歳 191㎝ デトロイト・ピストンズ 今シーズン636万ドル契約残1年（来シーズンはプレイヤーオプション） 言わずと知れたリーグ屈指のPG。サイズ、スピード、シュート力、判断力に健康とおよそPGに希望する全てのものを高い水準で保持するビラップス。今シーズンの636万ドルをみるとリーグ1お買い得なプレイヤーだといえる。だが、問題はオフにFAとなることが予想されるが、その際に現在の所属チームであるデトロイト・ピストンズがルール上許されるマックスでの契約を示唆しており、獲得できたとしても年1200万ドル以上の契約が5年もしくは6年となる。そう考えると、「今」がピークであることを考えると、リスクが大きすぎると判断。
また、ニューオリンズ／オクラホマシティ・ホーネッツのクリス・ポールについては、前回で書いた以上のことを書けそうにないので、お勧めですが「前回同様にお勧め」というだけに止めておきます。
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