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第98回

2006NBAファイナル、ゲーム3」


 2006ファイナル、マイアミ・ヒートvsダラス・マーベリックス、ゲーム3。

 舞台を移し、ヒートの反攻が始まる。
 序盤から適度にシャキール・オニールを使い、ミスを犯しながらもペースをつかむヒート。だが、完全にペースを掴まんとするたびに出てくるJ・ウィリアムスのTOや、不必要なプレーにはちょっと…。
 前半を9得点差をつけて終えたヒート。だが、マブスのディフェンスがここで初めてこれまでのゲーム1、2を思われる「対シャックシフト」へと変わる。すると途端にヒートオフェンスは停滞。そこからディフェンスも機能を徐々に落とし、3Qは34-16で完全にマブス。
 4Qもマブスペース。Qも半分が終わった時点でリードはマブスで差は二ケタさ。
 だが、ここで動いたのはヒートオフェンス。
 それまではシャックの1on1、ウェイドの1on1、それらがだめなら他のプレイヤーの1on1がほとんどだったが、ここからウェイドから始めるパッシングゲームを展開。
 ここでシャックをただの1インサイドプレイヤーとして使い、徹底的にウェイドを軸に攻め、ウェイドもそれに応えた。
 そして、終盤。ゲームを決めたのはヒートが苦手とするFTだった。
 1:48を残して、差は5点。
 J・ウィリアムスの3Pが外れ、そのオフェンスリバウンドを拾い、ダンクを試みたところをE・ダンピアーにファールされ、FTラインに立つのはシャック。
 もちろん(?)、今日もFTは2/4と決まっていない。
 が、ここでなんと2投とも決めて見せたシャック。これには客席もスタンディングオベーション。
 続くマブスのオフェンスをショットクロックいっぱいまで守ってみせ、ウェイドが左コーナーからのミドルを沈め、差は遂に1点差。
 ここでマブスが選ぶのはやはり、ノビツキー。だがここで、ハスレムがノビツキーへのパスを値千金のスティール!&ワンマン速攻!と思われたが、ここはファールされ、FTラインへ。
 ハスレムは今日ここまで0/4とFTは全く決まっていない。が、ここでも2投決めてみせ、遂にヒートが94-93でリード。ここからポージーのFTが1投だけ決まり、マブスもD・ハリスのカットインが決まり、95-95でタイ。
 ヒートはもちろん、好調ウェイドで攻めるが攻めきれない。ショットクロックいっぱいで逆サイドのG・ペイトンに。ショット、と思われたがフェイク。ディフェンダーをかわし、放ったミドルは今日始めてのFG。これが決まり、97-95でヒートが再びリード。
 タイムアウトがあけ、勝負するのはやはり、ノビツキー。ディフェンダーをかわしてゴール下!とここでヒートのファール。
 FTはプレイオフで90%の確率で決め、今日も9/10のノビツキー。1投目が決まり、2投目。
 ここでなんと、ノビツキーがFTを外し、リバウンドはウェイド。ウェイドはファールされ、FTを1投沈め、最後の20秒タイムアウトを取ったマブスだが、最後のショットは決められず、ゲーム終了。ヒートが98-96で勝利。ファイナルはヒートの1-2となった。
 ノビツキーはこの日、2本目のFTミスが、大きなものとなった。だが、実はラインヴァイオレーションでなしとなっているが、この日、ノビツキーはもう1度FTをミスしている。ここでは2投とも外し、ラインヴァイオレーションでのやり直しでは決めてみせていたが。
 シャックのFT2/2、ハスレムのFT2/2に、最後の何プレーかはいずれも得点につながり、なんとか勝利をものにしたヒート。
 だが、TOで20-15、ハスレムがゲーム途中にアイシングしていた左肩、シャックに対するマブスのディフェンス、マブスのG陣に対するディフェンス(今日もテリー、ハワード、ハリスでFG19/34で46得点)、ポイントで凡ミスを繰り返すJ・ウィリアムスなど、問題は相変わらず山積されている。
 ホームコートアドバンテージをマブスに握られている以上、続くゲーム4での勝利がシリーズで勝負できるかどうかが決まる。
 続くゲーム4さえ、取れればゲーム5に敗れても、あるいはそこから逆転できるかもしれない。
 だが、ゲーム4を取られ、そこからの3連勝…。それを期待できると楽観できるほどヒートのファンもお気楽ではないだろう。


6月13日(火)の試合
ヒート 98 - 96
1-2
マーベリックス




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