第88回

「ウルブズとセルティックスのトレード!」

 ミネソタ・ティンバーウルブズとボストン・セルティックスとの間で7名のプレイヤーが関わるトレードが成立した。
 ウルブズからセルティックスには、ウォーリー・ザービアックとマイケル・オロワキャンディにドウェイン・ジョーンズが放出され、セルティックスからウルブズへはリッキー・ディビスとマーク・ブラントとマーカス・バンクスにジャスティン・リードが放出される。

ウルブズ→セルティックス
ウォーリー・ザービアック 20.1得点, 4.8リバウンド, 2.8アシスト 39.0分 キャリア6年 契約残4シーズン4600万ドル
マイケル・オロワキャンディ 6.0得点, 5.6リバウンド, 0.5アシスト 23.5分 キャリア7年 契約残1シーズン595万ドル
ドウェイン・ジョーンズ(今シーズンここまでプレーせず) キャリア ルーキー 契約残2シーズン106万ドル
条件付ドラフト1巡目指名権
スタッツでの比較 セルティックスは -13.8得点 -0.3リバウンド -5.7アシスト キャリア平均4.3 契約残5301万ドル

セルティックス→ウルブズ
リッキー・ディビス 19.7得点, 4.5リバウンド, 5.3アシスト 41.7分 キャリア7年 契約残3シーズン1907万ドル
マーク・ブラント 12.4得点, 4.2リバウンド, 1.7アシスト 27.8分 キャリア5年 契約残5シーズン3367万ドル
マーカス・バンクス 5.5得点, 1.1リバウンド, 1.8アシスト 14.9分 キャリア2年 契約残1シーズン172万ドル
ジャスティン・リード
 2.3得点, 0.9リバウンド, 0.2アシスト 9.2分 キャリア1年 契約残1シーズン64万ドル
将来のドラフト2巡目指名権2つ
同じく ウルブズにとっては +13.8得点 +0.3リバウンド +5.7アシスト キャリア平均3.75 契約残5510万ドル


 セルティックスはRディビス、マーク・ブラント、マーカス・バンクスを失った見返りとしては、ザービアックとオロワキャンディとドウェイン・ジョーンズでは物足りない。
 ザービアックは今シーズン、キャリアハイの活躍を見せており、アウトサイドプレイヤーとしては屈指の高いFG%(49.5)を誇るが膝に爆弾を抱えていたはず。オロワキャンディはサラリー、プレータイムに見合ったスタッツを残せているとは言い難い。ジョーンズはドラフト外からのNBA入りで、彼に賭けているとも考えられるが、そうだとしても失ったものが多すぎる気がする。あとは控えGとして今シーズンのルーキー、オリエン・グリーン(Greene)を起用するためのプレータイム確保か。これにしても失ったものが多すぎる。
 ドラフト2巡目指名権2つが1巡目指名権に化けたのが、ウルブズがその時に弱体化していればおいしいか。

 ウルブズはこのトレードで安定感のあるFのザービアック失った代わりに、それなりに計算できるリッキー・ディビスと、そこそこあてにできるインサイドプレイヤーのマーク・ブラントを獲得。マーカス・バンクスもトロイ・ハドソンを病気で今月22日から欠くチームとしてはありがたい補強だと言える。
 気になるとすればディビスの素行か。セルティックスの前に所属したクリーブランド・キャバリアーズでは素行がよくなかったディビスが、セルティックスではコーチやポール・ピアースらを高く評価することでそれを改めていたのだが。


 しかし、最大の理由はウルブズは19勝21敗、セルティックスは17勝25敗とどちらも「変化」を求めていることだろうか。ウルブズがウェスタン・カンファレンスで10位、セルティックスがイースタン・カンファレンスで11位とこのままではプレイオフ進出が難しい状態。ポール・ピアースとケヴィン・ガーネットというスターを抱えながら、お互いファイナル進出には至っていない。

 今シーズン、ウルブズが42ゲーム、セルティックスが40ゲームを残す。残りを勝率5割で切り抜けてもどちらもプレイオフ進出は難しい。
 これだけ色々ない知識で言っておいてなんだが、どんなトレードについても言えるのが、結果を見てみない限りトレードの成否は誰にもわからないということだろう。

 asua



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