第84回

シーズン突入後の予想!ウェスタン・カンファレンス編!」

サウスウェスト・ディビジョン

ダラス・マーベリックス
マイケル・フィンリーが抜けたマーベリックス。
チームを引っ張ったのがダーク・ノビツキーに、若手のジョシュ・ハワード。
J・テリー、J・スタックハウス、J・ハワード、D・ノビツキー、E・ダンピアー。
このスターターで挑んだマーベリックス。
ノビツキーが26.6得点&8.7リバウンド、ハワードが16.4得点&6.7リバウンドを記録。スタックハウスがフィンリーの穴を埋めることを期待されたが、こちらは昨シーズンの14.9から14.1得点へとやや数字を落とした。
「マイク(マイケル・フィンリー)がもしいたらもっと勝てたか?だって?それはわからない。僕にも君たちにも。ビジネスだから、もちろん希望しないことも起こるのはしょうがないよ。ただ、その状況下でベストを尽くすのはファンへの最低限の義務だ。そして、今シーズンの数字はその結果だよ。これ以上にもこれ以下にもならない」
とはシーズン最終ゲームを終えたノビツキーの談。
53勝29敗。昨シーズンから5つ勝利数を落とした。
「大きな怪我もなく、シーズンを戦い成長することが出来た。それが何よりの成果だ」
ともコメントしている。

ヒューストン・ロケッツ
R・アルストン、J・バリー、T・マグレディ、S・スウィフト、Y・ミンのスターターで挑んだロケッツ。
しかし、ヤオ・ミンが左足首の捻挫など、大きな怪我はないもののシーズンを21ゲーム欠場。代わってスターターに入ったのは大ベテランのディケンベ・ムトンボ。
ムトンボはスターターとして16ゲームに出場し、その間のスタッツは6.8得点&8.9リバウンド。シーズンでは5.1得点&6.1リバウンド。
ミンはシーズンで16.9得点&8.1リバウンド。
エース、マグレディは26.3得点、新加入のアルストンは13.9得点&6.9アシスト。
シーズン前にはスターターとしての活躍も期待されたボブ・シュラは復帰さえ危ぶまれたが、結局シーズン中の復帰はなかった。
「復帰はするよ。ただ、今シーズン復帰は出来ない」
とオールスターゲーム後に語ったシュラ。
50勝32敗。シーズン序盤、ミンの怪我、新加入のプレイヤーの多いことからのまとまりの欠如などでつまづくも、しり上がりに調子を上げ、昨シーズンに一つ足りなかったものの、強豪としての地位を堅持した。
ムトンボがスターターの間の成績は最初4ゲームで3勝1敗だったが、その後で6勝6敗。一時期出始めたスウィフトとのスターター交代論も噂に止まった。

メンフィス・グリズリーズ
ガソルが20.1得点&8.6リバウンドながら、FG%は昨シーズンの51.4から49.7に大きく数字を落とした。
だが、序盤から手堅く勝ちを積み重ねたグリズリーズ。
46勝36敗。
EJが11.6得点、D・スタウダマイヤーが15.3得点&6.3アシスト、マイク・ミラーが16.3得点を記録。
しかし、今シーズンのチームに対する評価は低い。
というのも、地味。
マイク・フラテロHCのディフェンス重視のスタイルがゲームのテンポをスローにした。
「J・ウィリアムス放出がチームの地味さを決定付けた」
とは地元の記者のコメント。
そんな中、次世代のチームを担う若手として期待されているのがルーキーのケネディ・ウィンストン。スタッツとしては3.1得点どまりだが、時折見せるコート上での判断力の確かさには一部で高い評価を得ている。
プレイオフ進出は逃したが、来シーズンにつながるディフェンスと、将来性ある若手を手に入れたシーズンとなった。

ニューオリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ
ここは今シーズン、受難となった。
シーズン前のハリケーンによる被害もさることながら、
「その対応に追われ、補強を十分に出来なかった」
とも言われ、地元から歓迎を受けたとはいえ、慣れない地でのホームゲームに怪我とまさに散々。
Cのジャマール・マグロワは16ゲームを欠場し、S・クラクストンは26ゲームを欠場。
マグジー・ボーグス、ラリー・ジョンソン、アロンゾ・モーニングで本来なら今頃、王朝を築いているだろうと思われたチームは、16勝66敗とカンファレンス最下位。
救いは相変わらず、P.J.ブラウンが82ゲームにフル出場を果たし、チームの貴重な勝利に貢献したことと、クリス・アンダーセンがそのガッツ溢れるプレーでファンの心をつかんで離さないことだろうか。

サンアントニオ・スパーズ
トニー・パーカー、エマニュエル・ジノビリ、ブルース・ボーウェン、ティム・ダンカン、ロドスラヴ・ネストロビッチという予想通りのスターターでシーズンを戦ったスパーズ。
まさに「磐石」。
特にこれまではジノビリが調子を崩すと苦しくなる時間帯もあったが、ここへベンチからマイケル・フィンリーが登場し、サポートをする。パーカーのショットが悪ければ、ブレント・バリーが出てきて、流れが悪ければニック・ヴァン・エクセルがポイントでの起用に応え、流れを引き寄せる。
インサイドではナージ・モハメッドが契約最終年であることもあってか、奮起しベンチから頼もしい存在としてあり続けた。クラッチシューター、ロバート・オーリーも健在。
ヴァン・エクセルが11.1から6.4に、フィンリーが15.7から9.7に、バリーが7.4から4.4にと得点アベレージが下がったが、3者ともにFG%を上昇させた。
「うち自慢のWビック3だよ」
と笑いながら話してくれたのはグレッグ・ポポヴィッチHC。
61勝21敗を記録し、リーグトップでの成績でシーズンを終了。39-2と絶対的な強さを誇るホームコートアドバンテージをファイナルまで確保した。





ノースウェスト・ディビジョン

デンバー・ナゲッツ
昨シーズン、序盤でのつまずきを後半で取り戻したナゲッツ。
しかし、ライバルのラブロン・ジェームスが飛躍的にスタッツを向上させた一方、エースのカメロ・アンソニーの成績は足踏み状態に終わった。
そして、2005-2006シーズン。
終わってみればアンソニーのスタッツは21.3得点&6.3リバウンド&3.3アシスト&3P%・33.3%。ファンが期待するほど目立ったスタッツ上の向上は見られなかった。
「うちのエースはカメロ(アンソニー)で、MVPもカメロだ。うちにはケニオン(マーティン)、アンドレ(ミラー)に今シーズンはマーカス(キャンビー)が怪我からの復活を果たし、タレントは揃っている。ゲームコントロールはリーグ指折りのアンドレが、リバウンドにはマーカスがいる。その状態で、個人的な数字の向上を追いかければ確実にうちのバランスは崩れる。カメロなら25得点は軽く稼げる。しかし、チームが優勝するためにはベンチプレイヤーの重要性も、周りのプレイヤーにシュートチャンスをわけることの重要性も彼はわかっているから、プレータイムを増やせなんてことも、もっと打ちたいなんてことも言わない。うちには優勝するために足りないものも確かにある。だが、素質のあるエースは間違いなくいる」
シーズン成績は51勝31敗。ディビジョン首位を獲得した。
キャンビーも今シーズンは大きな怪我もなく、13.4得点&9.7リバウンド&2.7ブルズを記録した。
しかし、問題もある。なんといっても大きな自信を持っているホーム(34勝7敗)に対し、アウェイ(17勝24敗)での弱さが目立っている。


ミネソタ・ティンバーウルブズ
高卒ルーキーの大成功例となったKGも、いつのまにかキャリア10シーズンを誇るベテランとなった。
このオフは、Gのマルコ・ヤリッチを獲得。
KGは24.3得点&11.8リバウンド&5.3アシストを記録。期待のヤリッチもキャリア初となる70ゲーム以上の出場を果たし(71)、11.1得点&6.3アシストを記録し期待に応えた。
が、ウルブズはプレイオフ進出を果たせなかった。
開幕4連勝から始まったシーズンも、オールスター後の連敗街道で終わってみれば46勝36敗と昨シーズン以上の成績は残したのだが。
ドゥウェン・ケーシーHCの解任も噂されたが、とりあえずシーズン中の解任はなかった。

ポートランド・トレイルブレイザーズ
パッとしないシーズン。
今シーズンのブレイザーズをひと言で言い表すとこうなるだろうか。
ザック・ランドルフは腰を痛め、シーズン中盤から精彩を欠き15.9得点&9.3リバウンドに終わった。
明るい話題といえば、ダリウス・マイルズがエースとして独り立ちできるかもしれない、とのめどが立ったことだろうか。
マイルズはキャリアハイの16.3得点&5.3リバウンドを記録。まだまだ、チームメイトを生かすまでには至っていないが、1on1では無類の強さを誇る。
他ではドラフト22位指名のジャレット・ジャックが6.1得点&2.8アシストを記録し、期待感をにじませていた。
26勝56敗で2005-2006シーズンを終えている。


シアトル・スーパーソニックス
ソニックスはシーズンを39勝43敗で終了。
一時はエースのレイ・アレン(24.3得点)とラシャード・ルイスとの確執も噂されたが、「ありえない」(R・アレン)と一蹴。
だが、やはり層が昨シーズンに比べ薄くなったことは否めず、アレンにルイスが二人で60得点するも、続くプレイヤーがいないというゲームが多々あった。
そんな中、第3の男として期待されているのがルーク・リドナー。
昨シーズン、二桁(10.1)得点を残したリドナーは今シーズンも11.3得点に加え、7.3アシストを記録しファンに大きな期待を寄せられている。
シーズン中に何度もトレードの話が出たがどれもまとまらず、一説によると「客を呼べる華のあるプレイヤーの獲得を計画していた」とも言われ、放出が噂されたプレイヤーにアレン、ルイスの名もあり、ビックネーム獲得にチームが動こうとしているとの見方が強い。
このオフシーズン、ファンは期待より不安のほうが大きいのではないか。とさえ、言われている。

ユタ・ジャズ
ジャズが遂にプレイオフに返り咲いた。
50勝32敗。ディビジョン首位のデンバー・ナゲッツには1つ及ばなかったが、堂々たる数字。
その原動力となったのが、新たに生まれたジャズのコンビ。アンドレイ・キリレンコとメメット・オクァの二人。
インサイドでポジション取りをするキリレンコ。切れ込むと見せて集まったディフェンスをあざ笑うかのように外のオクァにパス。と言うシーンが今回多々見られた。
キリレンコは16.6得点に加え、キャリアハイの5.3アシストを記録。オクァは昨シーズンの12.9得点から一気に18.1得点へとアベレージをあげ、MIP候補にもなった。
他で、ファンに評価が高いのがデヴィン・ブラウン。数字こそ、4.6得点止まりだが、ポイントでの起用に答え何度となくチームに流れを呼び込んだ。
その一方で評価が低いのがグレッグ・オスタータグ。ファンの間では「ストックトンや、マローンと一緒に引退しておいてくれたほうが…」との厳しいコメントも出ており、今シーズンで契約が切れるが再契約はないとの見方がほとんどだ。





パシフィック・ディビジョン

ゴールデンスティト・ウォーリアーズ
ジェイソン・リチャードソンにバロン・ディビスが引っ張る。
そんなゲームが多く見られたシーズンだったが、やはりプレイオフ進出は難しかった。勝ち星は昨シーズンに比べ、34から36と上積みはされたものの、それどまり。
リチャードソンが23.8得点を記録したことがせめてもの救いか。
他ではトロイ・マーフィーが15.5得点&10.1リバウンドを記録。
オールスター期間中、マイク・モンゴメリーHCの解任、マリオ・エリーACの昇格も噂されたがシーズン中の交代はなかった。だが、HCの交代はオフに間違いなく起こると見られている。

ロサンゼルス・クリッパーズ
多くのプレイヤーを獲得し、多くのプレイヤーを失ったオフシーズン。それを乗り越えてのシーズンインだったが、結果的に見ると38勝44敗といつもどおりな感じ。
サム・キャセール、カティノ・モブリー、エルトン・ブランドとそれぞれがそれぞれのプレーで見せ場を作るが、勝利には結びつかない。
「フィル・ジャクソン獲得が必要だったのは、レイカーズではなくクリッパーズだったのではないか」
と言われる始末。
年始のゲームを前にマイク・ダンリービーHCが辞任。
「多くの才能があり、可能性があるチームだ。間違いなく強くなる。だが、私とチームとの間に方向性の違いがあった」
と辞任理由を説明したダンリービーHC。後任にはジム・イーエンACが暫定HCに就任。
HC交代後も大きな成績の伸びはなく、そのままシーズンを終えた。

ロサンゼルス・レイカーズ
大きな期待。大きな期待はずれ。
その両方を囁かれながら挑んだ今シーズン。
まず、大きな期待に応えたのがエースのコービー・ブライアント。
30.3得点で初の得点王に輝いた。リバウンドでも6.3を記録。
期待はずれだったのが、クワミ・ブラウン。8.3得点&6.6リバウンドと期待に応えたとはとても言いがたい結果となった。
そして、その間だったのが49勝33敗と言う数字。
プレイオフ進出を果たし、期待に応えたとの話がある一方、「もっと劇的な結果を残して欲しかった」との声も根強い。
「いいシーズンだった」
と今シーズンのレギュラーシーズンを振り返るフィル・ジャクソンHC。
「それぞれが私の期待と、チームの求めるものに応えてくれた。それが出来たからプレイオフ進出が果たせた。前にここへ来た時は、来たシーズンに優勝を獲得した。それをファンが期待する気持ちはわかるが、このチームはまだ若い。もう少し、時間がほしいね」
だが、その一方でアウトサイドからの得点が皆無で、シーズン中のシューター獲得も噂さされた。中にはラマー・オドム+クワミ・ブラウンでレイ・アレン獲得なんてものもあったが、「ラマーは既にチームにとって欠かせないプレイヤーだし、クワミもよくやってくれている。今チームにシューターは確かに欲しいが、彼らを出してまで欲しいプレイヤーはいないよ。それでもあえて誰かを獲得しなければならないと言うならマイケル(ジョーダン)ぐらいかな」とジョークも交え、噂を否定して回ったのがフィル・ジャクソンHC。
「今シーズンもいろいろあったが、プレイオフではベスト以上を尽くす」
と話したのがコービー。ファンの目は冷静に見て「セミファイナルに進出してくれれば」と言うのが本音のようだが、果たして。

フェニックス・サンズ
昨シーズンの快進撃が嘘のように、落ち着いたシーズンを送ったサンズ。
53勝29敗と立派な数字だが、昨シーズンの62勝20敗の数字から見ると寂しい数字だと言わざるを得ない。
エースのアマレ・スタウダマイヤーが復帰したのが結局、年が明けてから。
それまでは5割から6割の勝率をいったりきたり。
ナッシュは11.3アシストでアシスト王を獲得。ショーン・マリオンも12.3リバウンドとすごい数字を記録。
アマレは結局、24.3得点&8.9リバウンドと立派ながら、昨シーズンからやや数字は落とした。
他でプレイオフに期待がかかるのが、ラジャ・ベルとジェームス・ジョーンズ。
ともに安定した活躍をディフェンスで見せる一方、何度も終盤の大事な場面で活躍して見せた。
「スパーズにはオーリーがいるから勝てないと感じたことはないか、だって?馬鹿げているよ。うちにはショーンもアマレも、エディ(ハウス)もブライアン(グラント)もいれば、ラジャにジェームスという秘密兵器もいる。ってあれだけ活躍していれば秘密でもないか」
とはナッシュ。
「シーズン開幕時のアマレ以外、大きな怪我もなくチームとしてまとまることができたのが大きい。新加入のプレイヤーも多くいる中ね。これは必ず、プレイオフの結果についてくる」
とはマイク・ダントニーHCのコメント。

サクラメント・キングス
「こんなチームでずっとプレーしたかったんだ」
そう話すのは今シーズンからキングス入りしたシャリーフ・アブドゥル・ラヒム。
16.8得点&8.8リバウンドを記録。チームの51勝に大きく貢献した。
エースのペジャ・ストヤコビッチは21.1得点。ボンジ・ウェルズはコート外での大きなトラブルもなく(噂ではサクラメントでは田舎過ぎてトラブルを起す場所がないからだ、とも言われているが)13.9得点。マイク・ビビーは11.7得点&6.0アシストを記録。
どのポジションでも一定以上に強い。そんな「倒し難い」チームとなったキングス。
「まだ、ディフェンスで向上の余地はある。だが、それでも十分、強い。素晴らしいチームケミストリーを持ったチームだよ」
と自軍について語るのはリック・アデルマンHC。
その一方、6点差以内でのゲームでは5勝6敗と接戦には弱いとされるキングス。プレイオフ、その真価が問われる。


予想シーズン成績
*カンファレンス首位
+ディビジョン首位
-プレオフ進出


*サンアントニオ・スパーズ
61勝21敗

-ダラス・マーベリックス
53勝29敗

-ヒューストン・ロケッツ
50勝32敗

メンフィス・グリズリーズ
46勝36敗

ニューオリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ
16勝66敗



+デンバー・ナゲッツ
51勝31敗

-ユタ・ジャズ
50勝32敗

ミネソタ・ティンバーウルブズ
46勝36敗

ポートランド・トレイルブレイザーズ
26勝56敗

シアトル・スーパーソニックス
39勝43敗




+フェニックス・サンズ
53勝29敗

-サクラメント・キングス
51勝31敗

-ロサンゼルス・レイカーズ
49勝33敗

ロサンゼルス・クリッパーズ
38勝44敗

ゴールデンスティト・ウォーリアーズ
36勝46敗






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