第83回

シーズン予想!イースタン・カンファレンス編!」

シーズン開幕を前に管理人が客観的要素を廃し、極独断的で偏見を交えた予想をします。
笑って読んでいただければ幸いかと。
怪我など、不謹慎な要素も含まれますが、「怪我」という要素はNBAと切っても切れない要素なので、ご理解いただけると幸いかと。

ウェスタン編も開幕に間に合うといいなぁ(笑)。ちょっと、最近忙しいので、間に合わなかったがすいません。先にあやまっときます…。

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サウスイーストディビジョン

アトランタ・ホークス
 ホークスは開幕後、期待とは裏腹にこれまでの定位置に落ち着いた。
 J・ジョンソンが開幕第一週に23.2得点&3.4アシストを記録し、プレイヤー・オブ・ザ・ウィークの候補に挙がったのが、開幕間もない時期でのチーム唯一の明るい話題となった。
 期待のドラフト2位指名のルーキー、マーヴィン・ウィリアムスはスターターではないという状況に対応できず、出てきては無理なショットを連発。同じく第一週の成績は17.3分の出場で、5.4得点ながらFG%は.347%と散々な出来。
 シーズン前半が終了した時点でのチーム成績はディビジョン最下位。
 オールスター明けからは、M・ウィリアムスをアル・ハリントンと併用し、スターターとすることでウィリアムスの成績は徐々に上向きチームも成績を下げ止まらせた。
 だが、シーズンが終わってみると、23勝53敗と昨シーズンよりはマシになったが、プレイオフ争いに食い込むまでには行かなかった。
 J・ジョンソンが19.1得点&3.2アシスト。M・ウィリアムスが6.8得点を記録。前半戦での不調が響き、FG%は41.2%に止まったが、ファンの人気と専門家の評価はなかなか高く、次のシーズンへと期待がもたれる。
 チームはシーズン終了後、マイク・ウッドソンHCの解任を発表。M・ウィリアムスとポジションのかぶる、A・ハリントンとの再契約は行なわないものと見られている(「残留を希望する」とはコメントしているが、チームは他のFA獲得のほうに興味を示しているとされる)



 シャーロット・ボブキャッツ
 ボブキャッツはエメカ・オカフォーに、ルーキーのレイモンド・フェルトンにベテランのブレヴィン・ナイトの二人。この3人の話だけで終わってしまったシーズンとなった。
 シーズン成績は18勝64敗と昨シーズンと同じまま、ディビジョンでの順位は一つ下がり最下位となった。
 オカフォーが18.1得点&11.1リバウンドを記録し、コーチ推薦でのオールスター出場も果たした。ゲームではFG1/3でFTで1/2の3得点&2リバウンドを記録。
 フェルトンはスピード、ゲームメイクで素晴らしい才能を見せるも、3Pでは23.1%といまいち。数字としては8.3得点&6.1アシストを記録した。
 フェルトンがコメントを取られるごとに、ナイトの名を出し絶賛。シーズン当初は苦笑いをして交わしていたナイトだが、あまりにもフェルトンが絶賛し続けるのに耐えかね、フェルトンに「これ以上、僕に関して何か言ったら何も教えない、と怒られたよ(笑)」と釘を刺したようだ。
 ルーキー当時、ディフェンスとゲームメイクでインパクトを与えながら、外からのオフェンスでチームに貢献できなかったナイト。
 「早めのオフに入ったし、ナイトと一緒に3Pの練習に精を出すよ」とのコメントを残し、フェルトンはルーキーシーズンを終えた。



 マイアミ・ヒート
 ヒートは開幕3戦で1勝2敗とつまずく。
 スターターにJ・ウィリアムス、D・ウェイド、J・ポージー、A・ウォーカー、S・オニールを据えた。各プレイヤーのスタッツとしては悪くなく、J・ウィリアムスは3P%で40%を記録。A・ウォーカーも同じく40%に迫る3P%を記録した。
 だが、勝てない。ディフェンスが機能せず、3ゲームいずれも相手チームがFG%で上回るという結果となった。
 チームでは「封印」されているが、早くもスタン・ヴァン・ガンディHCの更迭、パット・ライリー氏のHC職復帰も囁かれる。
 そして、悪いことが重なり、7戦目でA・ウォーカーが左足首を捻挫。2週間の戦線離脱。
 ここでパット・ライリー氏が動いた。
 「スタン・ヴァン・ガンディHCとの契約はまだまだ残っている。サラリー分は働いてもらう」
 とヴァン・ガンディHC更迭論を否定。また
 「HC職に興味がないかと言えばうそになる。しかし、マイケルが引退し、パトリック(ユーイング)も今やスーツ姿でベンチに座っている。私ももう現場から引退する時期を迎えているのかも知れない」
 と現場復帰についてもHC職からの引退もほのめかしたが、これはシーズンオフになってからの話。

 スターターに戻ったU・ハスレムがそれまでの5.4得点&3.4リバウンドの成績がうそのように連夜のようにダブルダブルを記録。ウォーカー復帰後もスターターの座を譲ることはなく、シーズンが終わってみるとキャリアハイの11.3得点に8.9リバウンドを記録した。
 チームもウォーカーの怪我から成績を盛り返し、終わってみれば58勝24敗と昨シーズンにはひとつ及ばないも、カンファレンス、ディビジョン首位を堅持した。
 「確かに残念ではあるけど、起こるべくして起こった事故で、みんなの努力で本来残せるはずの成績が残せたんだ。ベンチからだって問題ないよ。ベンチからだけれど、この形でチームには貢献できたと思っているしね」
 と「怪我をしてスターターを外れる事となったことについて」との質問に答えたウォーカー。13.5得点&6.8リバウンドとキャリア最低の結果となったが、シックスマン・アワードでは次点となり、スタン・ヴァン・ガンディHCは「彼こそが真のシックスマン・アワードだ」と言わしめる活躍を見せた。
 J・ウィリアムスが10.1得点&8.3アシスト、3P%でキャリアハイの.364。D・ウェイドが23.9得点&4.3アシストとスタッツとしては昨シーズンより悪いが、「JWのおかげで得点に集中できる」とのコメント通りFG%で.486と昨シーズンの.473より上昇。シャックが21.3得点&10.9リバウンドとキャリア最低となったが「シャックの本番はプレイオフだ」とのコメントはヴァン・ガンディHC。出場時間もこれまでのキャリア最低の32.9分に抑えられた。だが、その恩恵か。出場ゲーム数では74ゲームと大きな怪我もなく、無事にシーズンを乗り切った。
 全てが順風満帆に見えるヒート。しかし、シーズン前に心配されたペイトンではなく、アロンゾ・モーニングが起用方法に不満を持っている、との噂が流れている。今シーズンの成績は15.8分(昨シーズンは19.0)で3.8得点&3.3リバウンド(同5.0&3.7)。
 HCは噂を否定しているが、一部報道では「アントワン(ウォーカー)のディフェンスはひどい」とウォーカーを批判している、とも言われている。



 オーランド・マジック
 マジックで、話題となったのはG・ヒルにD・ハワード。
 ヒルはかつてのスピードを取り戻しはしなかったが、持ち前のセンスでチームでのゲームコントロールを任され、18.7得点&4.3リバウンドながら、アシストでは5.5を記録。
 ハワードは15.8得点&11.3リバウンドに加え、2.31ブロックを記録。また、82ゲームにフル出場しながら、39.3分の出場時間でもチームを支える土台として、地味ながらチームに貢献。
 チームのエース、S・フランシスは22.3得点。アシストはヒルがポイントFとして起点となったため、5.3と減ったもののFG%で微増の.432をマークした。
 マジックは昨シーズン、惜しくも逃したプレイオフ進出を41勝41敗決めている。



 ワシントン・ウィザーズ
 ウィザーズがプレイオフに進出できなかったのにはいくつか、理由があげられている。
 A・ジェイミソンが段階的に成長を見せていた3Pで.301%と低調に終わった。それにともない、得点も昨シーズンの19.6から17.3に下降し、FG%も.427とキャリア最低の数字に終わった。というもの、シーズン序盤に軽いものだが足首捻挫を繰り返したジェイミソンは、オフェンスで外の比重を上げ、それが裏目に出た形となった。今シーズンの3P試投数は233。昨シーズンの208から考えると、かなりの増加。
 同じく怪我に泣かされたのが、G・アレナス。これまでもシーズンごとに怪我、健康、怪我、健康なシーズンと繰り返してきたアレナス(01-02シーズンは47ゲーム、02-03は82、03-04は55、04-05は80ゲームにそれぞれ出場)。それでいくと「怪我」にあたる今シーズンは見事に怪我に悩まされた。大きな怪我といえば、肩の脱臼だがそれも軽症で、大怪我というのはなかったが常に何かしかの故障に悩まされ、出場ゲーム数は60に止まった。「君たちメディアの言うとおりなら、来シーズンは健康なシーズンだ。今シーズン、ファンを落胆させて分まで突っ走ってみせるよ。必ず」と、アレナスはシーズン終了後にコメントしている。
 「ヤツに何を期待して獲得したんだ!?」とのファンからの厳しい言葉が寄せられたのが、カルヴィン・ブース。序盤は上々の出だしだったが、12月に左足を骨折。あとは復帰しては故障を繰り返し、結局43ゲームに出場しただけに終わり、スタッツも3.8得点&3.1リバウンドと期待に応えられたとはいえない。
 シーズン、終わってみれば31勝51敗。
 そんな中、明るい話題といえば、SFのカロン・バトラー。シーズン序盤は外に出始めたジェイミソンとのプレーに戸惑いを隠せず低調だったが、終わってみれば16.3得点&6.1リバウンドに3P%では.332といずれもキャリアハイの記録を残した。





セントラルディビジョン

 シカゴ・ブルズ
 エディ・カリーに、タイソン・チャンドラー、アントニオ・ディビスのフロントコート。カーク・ハインリック、ベン・ゴードン、ジャネロ・パーゴ、エリック・ピアカウスキーのバックコートと役者の揃っていたブルズ。
 昨シーズンはプレイオフで大暴れし、今年は一躍、強豪への仲間入りか!?と騒がれたシーズン前。
 しかし、蓋を開けてみると、31勝51敗でプレイオフ進出逃し、早々にシーズンを終了した。
 シーズン前にカリーにディビスを放出し、フロントコートは一気に弱体化。
 長期の再契約を結んだばかりのチャンドラーはシーズン中から
 「一人でインサイドを支えられるプレイヤーではない。ブルズはチャンドラーと再契約したことで、もう一人、インサイドに連れてくる必要性を生んでしまった」
 と批判された。
 数字としてはキャリアハイの13.7得点&10.1リバウンド&2.1ブロックを記録。
 だが、チームを引っ張ろうともするが、引っ張りきれず、たまらずチーム批判をしては、チームの雰囲気が悪くなり…、と悪循環に陥ってしまった。
 ゴードンはスターターでの起用を要求した、との噂が流れはしたが、こちらもプレーではチームを牽引。16.8得点&2.3アシストとキャリアハイをマーク。だが、今度は長時間の起用(24.4分から今シーズンは28.6分に)から高さのミスマッチを付かれたり、ディフェンス面での甘さを指摘されたりと、ディフェンス面での批判がおこり、ここにも逆風が吹き荒れている。
 オールスター期間中にはスコット・スカイルズHCの解任、ジム・ボイランACのHC昇格、もしくはジム・パクソンGMのHC兼任も囁かれたが、これらの噂をパクソンGMが否定。
 明るい話題といえば、サクラメント・キングスから獲得したダリウス・ソンガイラが8.9得点&6.6リバウンドのキャリアハイをマークし、オフにはプレイヤーオプション次第でFAとなるが、本人が「またここでプレーしたい」とコメントしたことぐらいだろうか。



 クリーブランド・キャバリアーズ
 ディモン・ジョーンズ、ラリー・ヒューズ、ラブロン・ジェームス、ドリュー・グッデン、ジドルナス・イルガウスカスをスターターで固定したキャバリアーズ。ベンチにはエリック・スノウ、ダニエル・マーシャル、アンダーソン・ヴァレジャオが控え、久々のプレイオフ進出を決めた。
 48勝34敗。セントラル・ディビジョンでデトロイト・ピストンズに続いて2位。カンファレンスではマイアミ・ヒート、ピストンズ、76ersに次いで4位とホームコートアドバンテージを確保する立派な数字。
 だが、ラブロンは
「チームがプレイオフに出れたのは嬉しいよ。ただ、僕はどうしても50勝はしたかった。これだけのメンバーが揃っているんだから。この悔しさはプレイオフまで持っていくことにするよ」
 とコメントし、プレイオフでの活躍と、来シーズンのプレイオフ進出をファンに確約した。
 そのラブロンは78ゲームに出場し、26.8得点&6.1アシスト&7.6リバウンドとリバウンド以外の数字をやや下げたが、スティールでは2.2から2.3と増加させた。
 ここ3シーズンほど、健康を維持してきたイルガウスカスが「重度の捻挫」で序盤多くのゲームを欠場すること(シーズンで59ゲームに出場)となったが、終盤には調子を戻し、プレイオフでの活躍が期待されている。
 先にあげたスターターに控え(控えでは特に復帰してからのヴァレジャオがコーチ、ファンともに好評)はチームの快進撃を支えたが、期待に応えることが出来なかったのはアラン・ヘンダーソン。得点は2.3、得意のはずのリバウンドでも3.3。FT%では44.4%と散々な出来。マーシャルがその分もカバーし、Cとしてプレーすることもあったが、そのおかげもあってヴァレジャオの復帰までを踏ん張った。ヴァレジャオ復帰後はヘンダーソンに出番が回ってくることはまずなかった。



 デトロイト・ピストンズ
 昨シーズン、54勝したピストンズは今シーズン、やや落としたものの50勝を記録し、キャバリアーズの追撃をかわし、ディビジョン首位を堅持した。
 チームの不安は、なんといってもHCがラリー・ブラウンHCからフィリップ・サンダースHCに代わったこと。
 だが、開幕から10戦で7勝3敗と好調な出だし。
 「コーチはオフの間から精力的にチームのために努力してきたんだと思う。それがみんなに伝わったんじゃないか。だから、みんないろんな注文にも答えたんだと思う」
 とは問題児としてNBA史有数のラシード・ウォレス。(といいながら、場面によっては3-2ゾーンでトップをするよう指示されて「俺はKGじゃないんだ。オレの仕事場は中だ!」と練習時に切れた、とも噂されたが)
 ディル・ディビスが得点では6.9から5.3に、リバウンドで8.9から7.3と数字を落としはしたが、それでも貴重なベンチプレイヤーとしてチームの土台を支えた。
 数字で目立ったのは、テション・プリンス。
 14.7から16.8に得点を、リバウンドでは5.3から6.3に、スティール(0.7から1.3)ブロック(0.9から1.2)でも同様に数字をのばした。
 怖いのが、プレイオフよりもシーズンオフだといわれている。
 リーグ屈指のディフェンダーでリバウンダーのベン・ウォレスが契約延長を迎える。
 今シーズン、サラリー総額で6000万ドルを切ったピストンズだが、もし年に1000万ドルで契約したとなると、現時点でも7000万ドル近いサラリー総額になり、そうなれば、ラグジュアリータックスの支払いも生じると見られている。
 ジョー・デュマスGMは「ベンには当然、残ってもらう。彼は今のピストンズの魂そのものだからね。手放すわけにはいかない」とコメント。
 そのため、大型トレードが噂されているが、今のところ、その骨格も洩れては来ていない。



 インディアナ・ペイサーズ
 大ブーイング。
 危惧された昨シーズンの大乱闘の再現はなかったものの(NBA側もゲーム前、ゲーム中、ゲーム後と常に過剰なまでの警備体制で挑んでいたこともあるのだろうが)、ペイサーズを迎えるデトロイト・ピストンズのファンは決して忘れやすいわけではないようだった。
 レジー・ミラーが引退し、問題児ロン・アーティストが復帰するという、難しいシーズンを迎えたペイサーズ。
 アーティストは昨シーズン、出場した7ゲームで24.6得点&6.4リバウンド&FG%49.6&3P%41.2&FT%92.2と文句のない数字を記録。今シーズンはその数字にまでは行かなかったが23.2得点&5.3リバウンドを記録した。
 ペイサーズは本来、プレイオフ進出争いをするチームではない。昨シーズンはあの乱闘事件での大幅な戦力減を強いられたため、44勝に終わった。だが今シーズンも44勝。
 アーティストでの不安はあったものの、ひょっとしたら今シーズン、「予想」に一番近い形で結果を残したのはこのペイサーズかも知れない。
 しかし、チームの問題点としてあげられたのが「若さ」だった。
 連勝したかと思えば、連敗したりと、とにかく浮き沈みが激しい。
 「レジー(ミラー)にディル(ディビス)が抜けた穴は数字以上に大きいよ。いることが当たり前になってたから、いなくなるまでそのすごさに気がつかなかったけど」
 とチームの総意を代弁したのはPGのジャマール・ティンズリー。
 「けど、最近、ジャーメイン(オニール)がみんなを引っ張ってってくれている。僕らもチームも、プレイオフ。これからだよ」
 丸くなったと言われる一方、今シーズンも様々なよくない噂に囲まれることになったロン・アーティスト。
 「彼はある程度、ハッスルしていないとね。それが彼のスタイルだからね」
 とフォローするのはリック・カーライルHC。手綱をしっかりにぎれているなら、それでいいのだが。果たして。



 ミルウォーキー・バックス
 ドラフト1ピック、アンドリュー・ボガット。
 新加入のボビー・シモンズ。
 再契約を果たしたマイケル・レッドにダン・ガズリッチ、トニー・クーコッチ。
 昨シーズン、30勝52敗に終わったバックスはこのオフ、素晴らしい補強をして見せた。
 そして、補強元年の今シーズン、44勝38敗で見事プレイオフ復帰を果たした。
 エースのレッドは25.8得点でキャリアハイを記録。
 期待のルーキー、ボガットはシーズン序盤から徐々にプレータイムを増やし、28.3分の出場で13.1得点&6.8リバウンドをマーク。だが、被ブロック数が多い、フィジカルなプレーを嫌う、ロッカールームで問題児と化している、とスタープレイヤーの宿命か。批判も相次いでいる。
 チームが期待するもう一人のフロントコート、ガズリッチは9.3得点&8.1リバウンドで期待に応えた。
 シモンズも16.8得点&6.6リバウンドにFG%で47.6を記録。
 その一方、デスモンド・メイソンは出場機会が減り、17.2得点から13.9得点に減ったのと、ディフェンス力を評価されながらもチームをベテランから若手のものとしたい方針からかジョー・スミスもボガット、ガズリッチに出場機会を奪われ8.8得点&5.9リバウンドに終わっている。
 「確かにジョーにデスモンドは出場機会が昨シーズンより減っている。けど、それはチームの層が厚くなったんだから、仕方ないよ。二人もそれはわかってくれている。今、チームはそんなことでもめたりしない。もう前しか見えていないんだ」
 とチームに自信を見せるのは、エースのマイケル・レッド。
 シーズン終盤、強豪を次々と撃破したバックス。今、どこのチームもバックスとはプレイオフであたりたくはないのではないだろうか。





アトランティック・ディビジョン

 ボストン・セルティックス
 ダン・ディカウ、リッキー・ディビス、ポール・ピアース、マーク・ブラント、リーフ・ラフレンツのスターターで開幕を迎えたセルティックス。
 シーズンが進むとアル・ジェファーソン、マーカス・バンクスをスターターと交代させてみたりと、手を尽くした感はあったが、いまひとつ、期待ほど勝利に結びつかない。
 アントワン・ウォーカーを放出したPFのポジションはブラントが補い、シーズンで11.6得点&8.6リバウンド&1.31ブロックをマーク。新加入のディカウも8.6得点&6.3アシストと頑張りを見せるが、コーチからの信頼を完全に勝ち得るところまではいっていないようで、バンクス(5.3得点&2.3アシスト)と常にスターター争いをしている。
 エースのピアースは23.1得点&6.1リバウンド&3.7アシストを記録。ディビスは15.9得点とやや数字を落とした。
 40勝42敗でカンファレンス8位でギリギリのところでプレイオフ進出を決めた。



 ニュージャージー・ネッツ
 オフにシャリーフ・アブドゥル・ラヒム、ロバート・トレイラーと続けざまにインサイドでの補強が失敗に終わったネッツ。
 しかし、新生ビック3は健在。
 ジェイソン・キッド、ヴィンス・カーター、リチャード・ジェファーソンの3人だ。
 開幕から5連勝をマークしたネッツ。
 心配されたカーター、ジェファーソンの両立は、キッドが「確かにあの経験は生きている」というように、ダラス時代の失敗を糧にコーチとも話し合った結果、ここまで問題にはなっていない。
 キッドが13.9得点&8.6アシスト&5.9リバウンド、カーターが23.5得点&5.5リバウンド&4.1アシスト、ジェファーソンは21.3得点&7.7リバウンド&2.9アシストをそれぞれが記録。
 文句のない滑り出しだった。
 しかし、年が明けて2006年1月10日のサンアントニオ・スパーズ戦で101-69で大敗してから徐々にチームの流れは悪くなる。
 それまでも、決して「頼りになる」とも「頼りに出来る」ともしていなかったネッツのフロントコート陣。だが、このゲームを境にカーター、ジェファーソンの二人(チーム内に詳しい人物によれば特にカーターが)が「あてにしない」という態度をあらわにし始めた。
 ディフェンスでのファールがかさみ、オフェンスでは無理なショットが目立ちパスをさばかなくなった。
 オールスターブレイクをはさみ、チームには集合がかけられ、問題解決へ話し合われた結果、それまでのようなひどい状況からは脱することは出来たが、シーズン開幕当初のようなまとまりを再び得ることは出来なかった。
 この問題でも特に槍玉にあげられたカーターは、トレードをチームに要求している、ともチームがトレードを画策しているとも言われたが、結局トレードの噂はあがったが、成立には至らなかった。
 終わってみれば開幕5連勝、オールスターの時点で5割(6連敗でのオールスター入りだったが)、後半戦にはビック3それぞれに怪我での欠場がちょこちょこと耐えずあったこともあり、終わってみれば36勝46敗でプレイオフ進出を逃した。
 「誰も悪いわけではないんだ。ヴィンスも勝ちたい一心だった。リチャードも必死に状況を打開しようと毎晩、何かを探していた。クリフォード(ロビンソン)はゲーム後、みんなをロッカールームに集め、話し合いの場を設けてくれた。マーク(ジャクソン)もジェフ(マキニス)も、あまり表に出さない分、細心の注意を持って流れを引き込もうとしてくれた。ただ、ちょっとバランスを崩してしまっただけなのに…。このメンバーでなら優勝も狙える。それを僕は信じている」
 そうシーズン後に落胆しつつも、悔しそうに語るキッド。
 来シーズンはマキニスがプレイヤー・オプションを行使するかしないかで、残留するかどうかが決まる。
 「来シーズンこそ、このメンバーで!」
 熱心に語るキッド。チーム内での修正、マキニスの残留、昨オフに失敗したインサイドの補強、ディフェンスの強化。
 「優勝を狙う」には問題はまだまだ山積している。



 ニューヨーク・ニックス
 シーズン前にサイン&トレードでエディ・カリーを獲得したニックス。
 ステファン・マーブリー、ジャマール・クロフォード、クウェンティン・リチャードソン、マリーク・ローズ、エディ・カリーのスターターで挑んだラリー・ブラウンHC。
 シーズン当初、不安視されたカリーもプレーに問題がないことがわかり、スターターに定着。
 開幕からの復活を期待されたアラン・ヒューストンはシーズンをベンチからの出場で迎えたが、12月21日の対サンアントニオ・スパーズ戦からはスターターに戻った。その後は捻挫で1度(3ゲーム)、スターターを外れるもそれ以外は全てスターターを勤め上げ、14.3得点に39.8%の3P%を記録した。
 ちなみにその際、クロフォードがベンチスタートとなったわけだが、
 「スターターでいたくないかって?そりゃ、もちろん、スターターでプレーしたいよ。けど、アランのようなプレイヤーがベンチから、というのももったいない気がするし。うちのようにタレントが揃っているチームにはスターターが5人ってのはちょっと足りないよ」
 とコメントしたに止まっており、ブラウンHCに「彼が今シーズンの影のMVPだ」と言わしめた。
 クロフォードは15.6得点&4.1アシストと物足りない数字だが、FG%では昨シーズンの39.8から42.3と飛躍的に上昇させ、ここでもブラウンHCの信頼に答えている。
 カリーは「オフェンスより、カリーにはディフェンスで頑張ってもらいたい」とのブラウンHCのコメント通り、得点では16.1から13.9と下がったが、リバウンドでは5.4から8.2に、ブロックでは0.9から1.2に上昇。
 エースのマーブリーは21.3得点&8.3アシストと昨シーズンとさして変わらない数字だが、唯一スティールでは1.5から1.8へと数字をあげてみせた。
 チームは最終ゲームまでボストン・セルティックスとプレイオフを争ったが、4/13の対クリーブランド・キャバリアーズ戦、4/14の対マイアミ・ヒート戦で勝利できなかったことが響き、最終的には38勝44敗でプレイオフ進出を惜しくも逃した。
 シーズン終了後、かつて「ネクスト・ジョーダン」と言われ、将来を嘱望されたアンファニー”ペニー”ハーダウェイが引退を表明。
 「ifを使って話始めてもキリがない。ただ、(怪我をしてしまったという)状況の中でやれるだけのことはやったという達成感はある。ファンには感謝している。特に怪我でプレーできなかった時期には本当に支えになってくれた。これからのことはまだ、何も決まっていないが、これからもバスケットボールと関わっていきたいと思っている」(ハーダウェイ)
 これを受けて、チームメイトのヒューストンは
 「彼ほどの才能がありながら、彼ほど怪我に悩まされたプレイヤーもそういないと思う。僕も来シーズンで契約が切れるが、その後のことはまだ何も考えていない。まずは来シーズン、チームをプレイオフへ。今はそれだけだよ」
 と来シーズンに意欲を見せると同時に、現役続行については明言を避けた。
 ニューヨークではこのコメントが出てから、シーズンチケットへの問い合わせが増えた、とのこと。シューターというポジションにありながら、ユニフォームと同じブルーカラーな印象を与えるヒューストンにファンの人気は根強いようだ。



 フィラデルフィア・76ers
 わがまま、自己中心的とこれまで批判され続けたアレン・アイバーソン。
 だが、今シーズンは間違いなくこれまでとは違った。
 23.2得点と昨シーズンの30.7得点から大きく数字を落としたが、これはチームメイトが充実し、そちらへボールを回したため。
 MIP候補にも挙がるほどチームプレイヤーとして成長を見せた。
 アシストで9.1を記録し、スティーブ・ナッシュ(10.9)に次いでリーグ2位。リーグ入りから低いと言われ続けたFG%も今シーズンは43.9%(1997-98の46.1%以外では最高)をマーク。スティール王(2.7)も獲得。
 クリス・ウェバーが18.6得点&8.8リバウンド&3.4アシスト。カイル・コーバーが13.9得点&3P%・40.1。サミュエル・ダレンバートが10.3得点&9.3リバウンド&2.3ブロックをそれぞれ記録。
 チームは49勝33敗を記録し、ディビジョン首位。カンファレンスでも勝率3位。
 ウィリー・グリーンとの再契約が左ひざの手術(8月中旬)の為、契約が成立したのが年明け、復帰がオールスター明けとなり、序盤こそ伸び悩んだが、終盤ウェスタンの強豪をも次々破る連勝を続けた。
 「(グリーンの復帰までスターターを務めた)ウェズリー(パーソン)も素晴らしいシューターであり、プレイヤーだよ。ただ、うちにはカイル(コーバー)がいるからね。正直、ウィリーの復帰は待ち遠しかったよ。最後の1ピース、ってよくいうけどウィリーが我々にはそうだった。タイプの差かな。ウェズリーもベンチからのほうが伸び伸びプレーしている気がするよ」(アイバーソン)
 このコメントが「正直、ウィリーの復帰は待ち遠しかった」とだけ、切り抜かれ一時チーム内で物議をかもしたが、これも
 「メディアの心無い報道にもHCの協力を得て乗り越えることが出来たよ。ウェズリーが僕を信じてくれたのは嬉しかったよ」
 とアイバーソン。
 「もう得点王はいらない。チームの勝利と…、そうだね。MVPは欲しいかな」
 オールスターでそうコメントしたアイバーソン。MVPはまだ発表されていないが、アイバーソンが有力候補であることは間違いない。



 トロント・ラプターズ
 クリス・ボッシュがブロックをし、ラファエル・アルジャオがリバウンドを拾う。新加入のマイク・ジェイムスも安定したゲームメイクをする。
 ボッシュが17.3得点&8.3リバウンド&1.9ブロック、アルジャオが10.1得点&8.9リバウンド。ベテランのジャレン・ローズも14.6得点を記録。
 チームは31勝51敗。
 ローズにスコアラーとしての迫力がなくなってきたことで、得点力不足が問題になっているが、チームは来シーズンいっぱいで契約が切れるプレイヤーをかかえており、オフには大きな動きがあるのではないかと噂されている。
 本拠地、エア・カナダ・センターは大改装するといわれており、客を呼ぶ必要性がある。ファンからシーズン前のレイファー・アルストン放出は間違いだ、との意見が多い。






予想シーズン成績
*カンファレンス首位
+ディビジョン首位
-プレオフ進出

*ヒート 58-24
-マジック 41-41
ウィザーズ 31-51
ホークス 23-53
ボブキャッツ
      18-64

+ピストンズ 50-32
-キャバリアーズ
      48-34
-ペイサーズ
     44-38
-バックス 44-38
ブルズ 31-51


+76ers 49-33
-セルティックス
     41-41
ニックス 39-43
ネッツ 36-46
ラプターズ
      31-51




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