第79回

Heat vs Pistons Game3

 イースタンカンファレンス・ファイナル、ゲーム3。
 マイアミ・ヒートvsデトロイト・ピストンズ。

 ヒートのオフェンス力がピストンズ・ディフェンスを粉砕、と言う感じのゲーム。
 ここまでの2ゲームで合わせて173点、平均86.5点だったヒートが今日のゲーム3では113点を記録。FG%が.523、3P%.500と素晴らしいオフェンスを展開。
 シャキール・オニールが24得点を記録しているが、シャックはそれ以上に5アシストを記録してのが大きい。ゲーム1で0アシスト、ゲーム2に1アシストとシャックからのパスは封じられていた。今日のゲームでは徹底したシャック中心のオフェンスを展開するヒートに、ピストンズはダブルチームで対応せざるを得ず、度々外がフリーになり、外からのオフェンスが好調になる、と言う好循環を生んだ。

 しかし、言い換えればディフェンスが売りのピストンズに104点を許しているのも確かで、特にシャックの動きはいまだにいいものとは言えない。アントニオ・マクダイスによるミドルレンジからのオフェンスを止められず、やりたい放題やられる場面も。結局、マクダイスをCとして起用することによるオフェンスでのメリットより、ディフェンスでのシャックにマッチアップさせることのデメリットからか、この作戦もそう長くは用いられなかったのだが、短時間にこのマッチアップでマクダイスにFG3本に加え、3本目はカウントワンスローと散々。

 ゲーム前に
 「よほどうちのオフェンスが好調でない限り、ピストンズをFG%.400以下に抑えないと勝てないだろうな」
 と語ったエディ・ジョーンズ。

 ピストンズのFG%は.439、3P%は.308。これまた、微妙な数字だが守れたと言い切るのは難しい。
 ヒートで気になるのが、シャックに続くインサイドの戦力であるPFのユドニス・ハスレム。得点も少ないが、それ以上にピストンズでのシリーズまでは平均11.5リバウンドを記録していたのが、ここへきて3ゲームで合計16リバウンドと締め出されている。今日のゲームも勝ったとはいえ、オフェンスリバウンドではピストンズの12に対し、ヒートは5と半分以下。もちろん、FG%が高かったヒートは外しているFGがピストンズより少ない、と言うこともあるにはあるが。外したFGがヒート31、ピストンズ46。ピストンズは12/46(0.25%)、つまり4本に1本オフェンスリバウンドを獲得している。ヒートは5/31(0.16%)。

 もちろん、こうはいっても負けているピストンズも問題はある。
 インサイドではシャックの24得点はあるものの、ハスレム、A・モーニングは守りきった感はあるが、その為に割いた犠牲が大きかった。外でR・バトラーに3P・3/3での成功を許し、3本目はカウントワンスローの4ポイントプレーに。(FTははずれたが)

 オフェンスでは、どこからでもオフェンスを仕掛けるバランスのよさがピストンズ・オフェンスの強みの一つ。だが、今日はインサイド陣の両ウォレスがポジショニングで手間取るシーンが多く、二人合わせてFG試投数が15と、アウトサイドにバランスの傾いたオフェンスとなってしまい、外へのディフェンスが厳しくなり、確率が下がり…、と悪循環。その中、ハミルトンは46分と両チームトップの出場時間でFG・10/21と活躍を見せるも、終盤も集中力を切らさず攻め続けてくるヒートに、苦しくなってビラップスが体勢を崩しながらショットと言うシーンが多くなり、ついていくことができなかった。

 113-104でヒートが勝利し、シリーズを2-1とし、ホームコートアドバンテージをアウェーで取り戻した。

 それぞれのエース、ハミルトンとシャックが怪我を抱える両チーム。
 ハミルトンは今日のゲームではその影響を微塵も感じさせない素晴らしい活躍を見せた。シャックはいまだに「強く」は動けるようだが、横へ「早く」動くことのは難しいようだ。

 ヒートはあと2勝、ピストンズはあと3勝。
 ファイナル進出までの道のりはあと「たった」と言えるぐらいの数の勝ち星でしかないようだが、どちらかしか上がれないのは間違いない。


 asua

 



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