第78回

ウィザーズvsブルズ ゲーム7

 2分30秒を切った時点で、ハインリックのパスを受けたT・チャンドラーが、ディフェンスにぶつかりながらフックを決める。

 91-87、4点差でリードはシカゴ・ブルズ。

 シリーズは3-3のタイ。このゲームの勝者が、どちらともが経験した長い低迷期を抜け、カンファレンス・セミファイナルへ進むことが出来る。

 タイムアウトがあけ、ボールを運ぶヒューズ。マークはハインリック。
 ここで、ハインリックがヒューズのバックチェンジしたボールをスティール!そのまま、切り込んでレイアップ!
 しかし、ブルズはG・アレナスが飛び込みこのレイアップにブロックを浴びせ、逆にカウンター。
 1人多いウィザーズは、フリーのジェイミソンにミドルからのショットを打たせ成功。
 これで流れがウィザーズへ移ったか、ブルズは攻めあぐね、ターンオーバーを犯し、ヒューズのショットを許し一気に91-91、同点。

 ウィザーズがそのままいくかに思われたゲームは、残り1分半ぐらいの場面から両者が攻めきれない。ヘイウッドは2本のFTを両方外す。

 たまりかねたブルズのスコット・スカイルズHCがタイムアウト。

 サイドからパスを入れるのはハインリック。
 ボールをもらいに行くC・デュホン。

 ハインリックがパスを自分には出さない、そう判断し背を向けた瞬間、ハインリックがパスを出してしまい、デュホンの背に当たったボールはターンオーバー。拾ったジェフリーズがそのままダンク!
 まさに信じられないミス。

 ブルズはその後のオフェンスで、先ほどと同じ位置からのサイドスローとなり、同じプレーをする。デュホンが無理ならハイポストから出てきたチャンドラーにパス。これがしたかったのだろう、さっきも。「さっきが」か?

 パーゴの3Pが外れ、ウィザーズのタイムアウト後、ブルズは当然ファールゲームに。
 ディクソンが1投目を外すも2投目は沈め、94-91。

 タイムアウトのないブルズはそのままボールを運ぶ。
 時間は残り16.4秒。まだ、十分にある。
 デュホンが右サイドにドリブル。スクリーンにいったノッチオーニがトップ付近でボールをもらい、3P!しかし、これが外れる。
 だが、ここでこのシリーズ、地味ながらいいプレーをしてきたチャンドラーがオフェンスリバウンドをハイポストで獲得!外には3人、パスを待つブルズのメンバー。時間はまだパスとショットが可能な範囲。

 「誰に託す!?」

 そう考えた瞬間。
 チャンドラーは何を思ったか、ハイポストからショット!
 決まっても点差は1。時間はほぼゼロになるだろうと言う状況で…。

 ショットは外れ、試合終了のブザー。
 ウィザーズのホームコートな為、チームの23年ぶりとなるセミファイナル進出を祝う花火が上げられる。


 どの時間帯も接戦、と言うまさに熱戦。
 ゲームを制したのは瞬間のミスと、勢いだったのか。
 なんにせよゲームの結果も、シリーズを制したチームももう動かない。

 asua




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