第73回

「ヒートvs76ers」


 

 ヒートは今日の対フィラデルフィア・76ers戦を108-100で勝利。
 D・ウェイドはFT試投数23とFT決定18をマーク(ともにフランチャイズ記録)し、トータル32得点を記録した。
 相棒シャキール・オニールも3Qでの得点としてはキャリアハイとなる15得点を記録し、ファールトラブルもあり26分と抑え気味の出場時間ながら25得点をマークした。

 ヒートは「チーム」でオフェンスを展開し、シャックをローポストにポジショニングさせ1on1でのオフェンスをさせたのは3Q後半のみ。それ以外ではパスからパスをつなぐ素晴らしいオフェンスで76ersを翻弄。アシストも76ersの17に対し、ヒート23。アシストリーダーがウェイドの7だが、パスがどこからでも出ていたように感じられた。
 得点もインサイド、アウトサイドへと得点がばらけ、ハスレムのゲーム開始直後の3本連続で決めて見せたミドルに象徴されるように、それぞれが持ち味を披露した。

 76ersはメンバーの移動が多かった為か、2on2でオフェンスを展開し、アイバーソンを軸に対抗するも、インサイドを攻めきれない。ダレンバートが一人インサイドでシャックに対してファールを誘ういいプレーを見せるが、そこからオフェンスが広がることはなかった。
 アイバーソンもディフェンスをしっかり引き付け、チームメイトにミドルでのフリーを作ったりと見事なPGぶりを見せるも、チームを勝利へ導くまでには至らなかった。
 76ersの武器のひとつであるK・コーバーは序盤、ヒートにしっかり守られてしまい、得点できず後半突如として目が覚めたかのように得点を重ねだすが、間に合わなかった。

 FG%ではヒートの.549、76ersが.461。
 スティールではアイバーソンの3を筆頭に10を記録した76ers(ヒート4)。対するヒートはシャックとハスレムがそれぞれ2をブロックで記録し、チームでは6(76ersは2)。
 期待されたウェバーの得点はミドルからのジャンパーのみ。パスがさばけるプレイヤーなだけに今後はインサイドでプレーに期待したい。

 「We want Zo!」
 残り時間4分。スタンディング・オベーションで迎えられたアロンゾ・モーニング。
 しかし、FT2投を得るも、一投目はリングに当たったかどうかと言うものになるわ、残り30秒ほどの場面でダレンバートと揉め、退場を言い渡されるわで散々な出来だった。
 今シーズン、ネッツでの18ゲームでは10.4得点&7.1リバウンド&2.3ブロックを記録したモーニングも、ヒートに移籍してからは3.3分のプレータイムしか確保できていない(ネッツでは25.4)。
 ドレアック、レイトナーとヒートのインサイドバックアップ陣はどちらかと言えば「器用さ」が売りなプレイヤー。そこでディフェンス力があり、パワーのあるモーニングに活躍の余地はあるはず。まずはスタン・ヴァン・ガンディHCの信頼を勝ち得ることが最優先課題。

 「チーム」として固まったかに見える土台にプラスされる形でプレーするシャック、ウェイド。
 個人個人で素晴らしいプレーを見せた76ersのアイバーソンにダレンバート。
 勝率でイースタンダントツのヒートと、5割を目指す76ers。
 今シーズン、ぜひとも期待したいのはやはり、ヒート。
 だが、76ersもこの布陣にマッシュバーンが加入し、チームとして固まれば期待は膨らむ。



 今日のゲームでもわかるようにディフェンス面でまだまだ甘いところのあるヒートだが、私はファイナル進出を期待したい。
 もちろん、「優勝」となると、インサイド、アウトサイドのそれぞれのポジションに実力と層の厚さを誇るサンアントニオ・スパーズが相手となることが予想され、モーニングのチーム内での「起動」が最低条件となる。
 あとはその時、チームで3P%・38.1を記録していた「W・パーソンをなぜ手放したんだ!?」と悔やまないことを祈るばかりだ。
 少なくとも私がパット・ライリー氏の立場であったら手放しはしなかっただろう。ベテランを好んで重用すると言われるパット・ライリー氏。ウェイド獲得からその流れが変わってきている気はするが、それがどちらに転ぶかは結果を見てみなければわからない。ひょっとしたら、結果を見てもわからないのかも知れないが。

 asua



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