第72回

「キングスと76ersのトレード」


 

 サクラメント・キングスとフィラデルフィア・76ersとの間でビックトレードが成立した模様!
 キングスはスターFのクリス・ウェバーに加えマット・バーンズ、マイケル・ブラッドリーを放出。76ersはブライアン・スキナー、ケニー・トーマス、コーリス・ウィリアムソンを代わりにキングスへ送る。
(ここまで「News」より)


 「クリスのトレードは、私にとって最も難しいもののひとつだった」
 とキングスのバスケットボール部門のトップ、ジェオフ・ペトリエ氏。
 「私はキングスの対する彼へ努力に感謝している。彼はあらゆる点で信じられないほどプロフェッショナルだった」

 ウェバーとキングスのペジャ・ストヤコビッチがチーム内で揉めていると言われ、オフにはストヤコビッチがトレードを希望するにまで至った。しかし、チームが選んだのは怪我がちで、あと3年6200万ドルの契約を残すウェバーの放出だった。

 スタッツ上はキングスが得点-2.5、リバウンド-1.6、アシスト-4.4。逆に76ersは同+4.4、+1.6、+4.4。

 契約残はウィリアムソンとスキナーがそれぞれ2年で計2200万ドル弱(プラス、スキナーへのチームオプション585万ドル)、それと5年3200万ドルの契約を残すK・トーマス。
 ウェバーが3年6200万ドルにブラッドリーとバーンズが今シーズンいっぱい。

 単純計算だが、来シーズンだと約300万ドル、その次のシーズンで300万ドルそれぞれキングスがサラリーを抑えることができる。更にその翌シーズン(2007-2008)にはスキナーへのチームオプションを行使しなかった場合、約1600万ドル、キングスはサラリーを抑えることができる。
 キングスとしてはストヤコビッチとの現在の契約が2006-2007で切れることもあり、その年からのストヤコビッチとの再契約も考慮に入れての動きかと思われる。ちなみに2007年にストヤコビッチは30歳。シューターとしては最もいい時期を迎えている頃だ。



 ウェバーは言わずと知れたオールスターPF。
 K・トーマスはオフェンス、B・スキナーはディフェンスをそれぞれ得意としており、ウィリアムソンはいい意味でも悪い意味でもPFのようなプレーをするSFサイズのFだ。

 層の厚くなったキングス。
 ベンチは薄くなったものの、大きな一枚を加えた76ers。

 アイバーソンは自ら動くことでフリーをつくることができ、パスをさばけるインサイドプレイヤーは願ったり叶ったりだろう。しかも、ウェバーは最近、ミドルでのショットも増えアイバーソンからのパスを受ける側にも回れる。これはインサイドでもアウトサイドでも、アイバーソンに集中しがちな相手ディフェンスを引き付けられるという大きな意味を持つ。

 一方、キングスは今回獲得した3人に加え、B・ミラーにオスタータグとインサイドの層は厚い。また、トーマス、スキナーは走れるPFで、ビビーにモブリーを中心とした走るバスケットを実践することも可能だ。
 ここ数年、これまでの布陣での補強を行い、昨シーズンなど空恐ろしいメンバーでプレイオフに挑んだが、遂に念願のファイナル進出はならなかった。
 クリスティに続き、ウェバーの放出。
 「強豪」と言われながら事実上のこう着状態が続いていたキングスにとって、よい判断だったのではないかと私は思う。

 76ersにとっても戦力アップに、アイバーソンのやる気を再び起こさせる意味でも大きな補強となるだろう。問題は去年、一昨年、その前の3シーズンで計102ゲームを欠場しているウェバーの健康だけだが…。

asua



↑バックナンバーはこちらから。



inserted by FC2 system