第59回

「Los Angeles Lakers、Conference Finalへ!」


 

 ウェスタンカンファレンス、セミファイナル。サンアントニオ・スパーズvsロサンゼルス・レイカーズのGame6。
 ロサンゼルス・レイカーズがコービーの活躍もあり、スパーズに勝利しシリーズを制した。レイカーズは0勝2敗から7ゲームシリーズを制したNBA史上8チーム目のチームとなった。

 ティム・ダンカン、シャキール・オニールの両大黒柱のファールがかさむ出だし。
 苦しい展開のゲームに勝利をもたらしたのは、レイカーズのコービー・ブライアントの終盤におけるほどほどの量の1on1と、レイカーズのチームディフェンス。
 オフェンスのこう着状態をなんとかしたいと、スパーズのポポヴィチHCはデヴィン・ブラウンを起用。その期待に応え、4Q開始から立て続けに5得点を挙げるも、起用が長引けばレイカーズディフェンスがブラウンに適用し始め、そこへコービーが1on1を仕掛ける。オフェンスでは存在感を示すものの、ディフェンスにおいてコービー相手では荷が重いブラウン。また、これでレイカーズのオフェンスがコービーに大きく傾くこともなかった。ディフェンスではこのブラウンへの対応もよかったが、スパーズのシックスマン、エマニュエル・ジノビリへも各自マークマンをフリーにしない程度にカバーし、ジノビリにある程度得点は許すもののそれ以上被害を広げるのを防いだ。

 残り時間、4分を切った時点で点差は5点でレイカーズリード。シャックはそこまでFT・4/11。条件が揃ったと見たのか、スパーズはこれまでしてこなかった「ハック・ア・シャック」を敢行(注)。しかし、ここでシャックが2度のファールの間にFT・3/4!FT2投決めて、スタンディング・オベーションを受ける貴重なプレイヤー、シャックもここでしっかり仕事をして見せた。気になったのが、残り時間が30秒を切った時点で点差が9。ここでスパーズが諦めてしまった事。あと、パーカーのあまりに精彩を欠いた姿。前者はあくまで計算上でしかなくとも可能性が残されている以上、まだ戦った欲しかった。後者は・・・。

 残り時間をわずかに残し、コービーがダンク!文字通り、止めを刺した。

 最終スコア88-76。一昨シーズンまでの王者ロサンゼルス・レイカーズが昨年の王者サンアントニオ・スパーズを破り、カンファレンス・ファイナル進出を決めた。

注:「ハック・ア・シャック」
    FT(フリースロー)の苦手なシャックに対してワザとファールを
    することにより、レイカーズにチームオフェンスをさせるより
    シャックにFTをさせることで失点を抑えようとする作戦。
    例えば、シャックにFG1投あたりの得点は1.52得点。
    (「Soliloquy to NBA」、第54回「MVP計算式!?」より)
    それがFT2投だと49%の成功率の為、0.98得点。
    これを卑怯だとする見方もあり、あまり各チーム使いたがらない。
    残り時間が2分を切ると、FTのあと、FTを打った側のボールでゲームが
    再開されるため、これを使えるのは残り時間が2分を切るまで。



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