第38回、試合評!

2002-2003シーズンプレイオフ

ウェスタンカンファレンス・セミファイナル

サンアントニオ・スパーズ vs ロサンゼルス・レイカーズ
Game 6!


ロサンゼルス・レイカーズ

ディフェンディング・チャンピオンにして
一昨年、その前とNBAを3連覇し、
「強すぎる」との批判さえあったチーム。
強豪と呼ばれるチームがオフに行う補強は
すべてこの対レイカーズ仕様のものばかり。
サクラメント・キングス、サンアントニオ・スパーズ、
ダラス・マーベリックスにニュージャージー・ネッツとインサイドの補強を行い
目指すは「打倒レイカーズ」

どこもレイカーズを倒せるほどの戦力を揃え
どこでも倒せそうな気がする反面、
どこも勝てないような気にもさせられる
ロサンゼルス・レイカーズと言うチーム、
シャキール・オニールと言う存在、
コービー・ブライアントと言うスター、
フィル・ジャクソンと言う智将。

しかし、今日、その歴史に終止符を打ったのが
ティム・ダンカン率いるサンアントニオ・スパーズ。
ロサンゼルス・レイカーズのホームコートで行われた
ウェスタンカンファレンス・セミファイナル、ゲーム6。
最終スコアは82-110とスパーズの圧勝。
4連覇の夢はこの瞬間、絶たれたわけです・・・。



スターティングラインナップは両チームともいつものオーダー。

スパーズ
PG:T・パーカー
SG:S・ジャクソン
SF:B・ボーウェン
PF:ティム・ダンカン
C:D・ロビンソン

レイカーズ
PG:D・フィッシャー
SG:K・ブライアント
SF:D・ジョージ
PF:ロバート・オーリー
C:S・オニール


ティップオフはロビンソンが制し、スパーズ。
ゲーム開始早々、シャックがロビンソンに対しファールを犯す
レイカーズ的にはまずい立ち上がり。
スパーズのオフェンスはシャックのファールトラブルを期待してか
ロビンソンにボールを集める作戦。
レイカーズはシャックをローポストに配しての
シャックの1on1からのオフェンスを選択。
ディフェンスではオーリーがダンカンの前に立ち
パスコースをふさぎボールをいれさせまいと奮闘。
ファールするまではよかったが、ファールしてしまうとディフェンスがソフトになり
途端、得点を重ねるダンカン。
今日、インサイドでもアウトサイドからのジャンパーも好調なダンカン。
1Q残りが4分を切るとスパーズがジノビリを投入し
レイカーズはシャックをベンチへ。
ABCテレビによるとベンチスコアでスパーズが31.8、
レイカーズは14.6と大きな差が。
1Q終盤までに、その差を証明するように大きな差があったが
ダンカン、パーカーへのナイスディフェンスから
フィッシャーの4ポイントプレイへとつなげ、
点差を1点。
スパーズはここからダンカンが2つしっかり返して
ディフェンスでもコービーの不用意なパスをカットし、
フィッシャーから連続でファールを獲得。
レイカーズもここからコービーが3Pを沈め、
オールコートディフェンスを成功させ、
コービーのドライブインでダンカンの2つめのファールを誘い、
「さすが!」と言いたいところでしたが
このFTを2本とも外す・・・。
こんな感じで1Qが終了し、29−25。

2Q、シャックがスタートから出場。
そのシャックにカットインからのアリゥープパスをコービーが送ると言う形で
始まった2ndQ。
しかし、10:28の時点で早くもコービーが2つめのファール。
レイカーズの得点がしばらく止まりメドベデンコのフェイダウェイでやっと得点が動き出し、
一方スパーズは着実に得点を重ね、差はじわりじわりと広がり始まる。

残り8分、2つファールのダンカンをポポビッチHCはコートに戻す。
スパーズはシリーズで不調のパーカーがここで3Pを決め、
2Qでトータル11得点を挙げる。
それに対抗するのは意外にもベンチのメドベデンコ。
オフェンスには積極的に参加しなかなかの確率で沈め、
ディフェンスでもダンカン相手にそれなりの成功を見せ,
2Q途中で8分の出場で8得点と上々の出来。
コービーもこの流れに乗って速攻に、
シャックへのアシストを決め、
ここからはシャックが暴れ始める。
いつもより少し長めのフックをいくつも決め、3Pプレイも決めてみせる。
パーカーとシャックの点の取り合いが繰り広げられ、
2Q終了間際にレイカーズのパーゴがオフェンス・ディフェンスともに
踏ん張りを見せたのもあり、50−54と4点差で2Q終了。
スパーズはいつもどおりのゲームを展開し、
レイカーズはしっかりついていくもリードできない、と言った流れの前半。



後半がスタート。
D・ジョージのジャンパーが決まり、52-54。
続けてコービーがジャンパーを決め、久々の同点54-54。
スパーズがここからロビンソンのティップイン、
ボーウェンのジャンパー、
ダンカンのジャンパーとFT2投と
連続得点し一気に54-62と8点差。
その間レイカーズはオフェンス・リバウンドを交え、
ショットを繰り返すも決まらず・・・。
(オーリーはこの時点まで26本、連続で3Pを外す。ABCより)
が、ここで粘ってジョージがジャンパーを再び沈め、
ボーウェンがオフェンスファールを犯し、
さらにジョージが3Pを決め、
再び点差を3とし、59-62。(スパーズ、タイムアウト)
スパーズはここでダンカンが1本返すも
ボーウェンがファールを犯しベンチへ。(代わりにジノビリ投入)
ここでオーリーがオフェンスリバウンドからダンカン3つめのファールを獲得し、
直後シャックへの3Pプレイをアシストとやっと活躍らしい活躍をし始める。
62-64。
ここまでちょくちょくとしていたが、ここでもダンカンのディフェンスに
シャックをつけるフィル・ジャクソンHC。
ショットは外させるもダンカン自らリバウンドを拾いティップイン。62-66。
シャックが長めのフックで返し、64-66。
均衡をここまで保ったのはシャック、崩したのもシャキール・オニール。
連続で3つめ、4つめとファールをシャックが犯し、シャックベンチへ。代わりはメドベデンコ。
ここからジノビリがゲームコントロールする中、
ダンカン、ジノビリ、パーカーが得点を重ね64-73。
しかし、終盤コービーが4つめのファールを犯すとレイカーズ陣営の集中力が途切れ、
終了間際にもパーカーのカットインを許し、69-78とし3Q終了。


最終、第4Q。
開始からダンカンが2つ決め、シャックがFTを1本決め82-70で残り10分。
ジノビリがカットインするもシャックはファールを恐れ
思い切ったブロックに飛べず。
レイカーズがここでタイムアウト。
あけてメドベデンコがジャンパーを決め、72-84。
パーカーがここで得点を重ね、72-88として残り8:41。
シャックが一本返すもパーカーのカットインからのパスアウトを受けたジノビリが3Pを沈め
74-91。
さらにここでもシャックが一本返すも今度はジノビリのカットインからのパスアウトを受けたボーウェンが3P!
76-94。
集中力が完全に途切れてしまったレイカーズはスパーズにオフェンスりバウンドを
立て続けに許し、K・ウィルスのティップインダンク、
パーカーのカットインで22点差・・・。

残り4:30、フィル・ジャクソンがついに決断を下し、シャックをベンチへ。
ここからはコービーが一人で攻め、多少形だけの抵抗を試み、
あとは惰性・・・。

最終スコア82-110。
レイカーズのメンバーの顔には涙が見られた・・。


パーカーの復調が大きな鍵となったゲーム6。
しかし、これは完全にゲームメイクと言う面ではなく
スコアラーとしての活躍での話です。
ジノビリと言う、デレク・アンダーソン以来、探しつづけていた
一人でゲームを動かせるプレイヤーを手に入れ、
ひょっとすると、スパーズ最強の布陣は
SGをジノビリとしゲームメイクを彼に託し
パーカーはスコアリングに集中する、と言った形かもしれません。

対するレイカーズはこれでここまで3年半かけてやっと作って手に入れた
「4連覇」
への挑戦権を手放してしまいました・・・。
シーズン序盤のシャックを始め主力陣の怪我による成績不振、
フォックスのプレイオフに入っての怪我、
オーリーの不調、
オフの補強の失敗・・・。
多くの理由が考えられますが、
結果は変わりません。

来シーズン、多くの人が予想する通り
コービーとシャックの間に今回の敗北により不仲が生じ、
チームが解体してしまうのか。
それとも、もう一度立ち上がるのか。
シャック31歳。
コービー24歳。
フィル・ジャクソンも引退の噂がちらほら聞こえ始めています。

「最強」

そう3年間言われつづけたチームの終焉や如何に!?


asua




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