第128回は、ロスター比較。自チームと自チーム

ウェスタン・カンファレンス パシフィック・ディヴィジョン



ご要望により、各チームの今シーズンでの補強について、シーズン前でドラフト後の2008年7月15日当時のロスターと、2009年2月26日現在のロスターを比較して、色々思うところを好き勝手、書いてみたいと思います。

チーム成績は去年のものは昨シーズンの、今年のものは2月26日時点でのものとなってます。
主な選手の出入りについて触れていますが、出て行った要因(トレード、FAなど)についてまではようカバーしきれませんので、ご了承ください。
上のものが昨年、下のものが今年のロスターとなってます。


ページが妙に重たくなるので、見るのと、作業するのとの両方の意味からディヴィジョンごとに分けました。


極めて主観的、2008-07.15〜2009.02.26補強5段階評価 導入

5 文句なし
4 お見事
3 現状維持
2 もう少しやりようがあった気もしないでもないかもしれない
1 いやいや、これはないわ




Golden State Warriors

48-34, 3rd Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 7 Azubuike, Kelenna GF 6-5 220 12/16/83  2 Kentucky
 22 Barnes, Matt SF 6-7 235 3/9/80  5 UCLA
 18 Belinelli, Marco G 6-5 192 3/25/86  1 None
 15 Biedrins, Andris C 6-11 245 4/2/86  4 None
 44 Croshere, Austin PF 6-10 235 5/1/75  11 Providence
 8 Ellis, Monta G 6-3 177 10/26/85  3 None
 3 Harrington, Al FC 6-9 245 2/17/80  10 None
  Hendrix, Richard PF 6-9 255 11/15/86  R Alabama
 1 Jackson, Stephen GF 6-8 218 4/5/78  8 None
 50 Maggette, Corey GF 6-6 225 11/12/79  9 Duke
 26 O'Bryant, Patrick C 7-0 249 6/20/86  2 Bradley
 19 Perovic, Kosta F 7-2 240 2/19/85  1
  Randolph, Anthony F 6-10 205 7/15/89  R LSU
 23 Watson, C.J. G 6-2 176 4/17/84  1 Tennessee
 32 Wright, Brandan F 6-9 205 10/5/87  1 North Carolina

20-37, 3rd Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 7 Azubuike, Kelenna GF 6-5 220 12/16/83  2 Kentucky
 18 Belinelli, Marco SG 6-5 192 3/25/86  1 None
 15 Biedrins, Andris C 6-11 245 4/2/86  4 None
 6 Crawford, Jamal G 6-5 200 3/20/80  8 Michigan
 33 Davidson, Jermareo F 6-10 230 11/17/84  1 Alabama
 8 Ellis, Monta   G 6-3 177 10/26/85  3 None
 1 Jackson, Stephen GF 6-8 218 4/5/78  8 None
 31 Kurz, Rob F 6-9 232 3/5/85  R Notre Dame
 50 Maggette, Corey F 6-6 225 11/12/79  9 Duke
 22 Morrow, Anthony GF 6-5 210 9/27/85  R Georgia Tech
 4 Randolph, Anthony F 6-10 205 7/15/89  R LSU
 21 Turiaf, Ronny FC 6-10 249 1/13/83  3 Gonzaga
 23 Watson, C.J. G 6-2 176 4/17/84  1 Tennessee
 5 Williams, Marcus G 6-3 205 12/3/85  2 Connecticut
 32 Wright, Brandan F 6-9 205 10/5/87  1 North Carolina

主な出入り
出 マット・バーンズ オースティン・クロージャー アル・ハリントン パトリック・オブライアント
入 ジャマール・クロフォード ジャマリオ・デイヴィッドソン ロブ・クーズ アンソニー・モロー ロニー・トゥリアフ マーカス・ウィリアムス(後に放出)

とにもかくにも、相次ぐ人災に翻弄された今シーズンのゴールデンスティト・ウォーリアーズ。
エリスはバイクで事故するわ、あげくウソの報告をして混乱させるわ、結果長期欠場となるわ、チームフロントが内紛でごたごたしたり、結果残ったチームのフロントはランドルフにトレード先探すように言ったりクロフォードにFAとなるよう薦めたりと、もうめちゃくちゃ。
結果は29勝53敗。ウェスタン・カンファレンス10位。だが、プレイオフ争いをした9位のフェニックス・サンズとの差は17ゲームと、言うなればプレイオフには出れそうもなかったし、勝率では下から7番目と上位ドラフト指名権も得られそうにない位置と、こちらも散々な結果に。
この結果を受けて、権力争いに破れチームフロントとしての権限を剥奪されているクリス・マリン氏の再登板を望む声も多いらしいが、マリン氏本人はそれを否定している。

補強については、昨オフ。金はあるけど、取りたい選手がいない。そんな状況だったのか、取ったのはロニー・トゥリアフにコーリーマゲッティ。加えてトレードで契約残のあるクロフォードも獲得し、S・ジャクソンとの契約延長にも気前よく応えている。

トゥリアフは6.0得点・4.6リバウンドにチームのキャプテンと、その期待に応えてくれた。
S・ジャクソンはこの契約延長に感謝しており、スタッツでも20.7得点・5.1リバウンド・6.5アシストと健闘したが、怪我で早々とシーズンを終えた。
クロフォードも19.7得点・4.4アシストと期待に応えたが、ドン・ネルソンHCは「オフに契約をオプトアウトしてFAになったほうがいいんじゃない?」と言っているらしい。

そして、オフに最も巨額をつぎ込んで獲得したマゲッティはと言うと、18.6得点・5.5リバウンドとまずまずの数字。だが、シーズンが中盤に差し掛かるころには既にチームはマゲッティを放出したがっていたとされており、残り4年4000万ドルの契約残のある選手を2010年問題前に獲得したがるチームはそう多くないはずだ。
また、昨オフには”クリス・マリン氏とは再契約で合意していた”と話すバロン・デイヴィスとの関係がこじれ、デイヴィスはロサンゼルス・クリッパーズへ移籍。この後、ウォーリアーズは巨額を投じてマゲッティを獲得しているあたり、どうも「仕返し」をしているように見える。結果として、デイヴィスは怪我に悩まされ、マゲッティは早々とトレード候補となり、どちらも踏んだり蹴ったりのシーズンとなったが。…余談だが、そんな中、エルトン・ブランドをかっさらっていったフィラデルフィア・76ersは、漁夫の利を得たかに見えたが、こちらもブランドの不要論が出たりするなど、思い通りの結果にはなっていない。
これら、一連の動きでウォーリアーズは来シーズンのサラリー総額が6000万ドルを越えており、サラリーキャップを超えることは確実。しかも、どの選手も契約残が多く残っており、身動きが取れない状態になってしまっている。

ただ、S・ジャクソンとの契約延長は良かったと思うし、トゥリアフとの契約もそれほど悪いものではないと思う。
「なら、どうすべきだったか」
というのは結果論になるが、やはりエリスとマゲッティ、そしてクロフォードだろう。
エリスはオフに大型長期での再契約を結んでおきながらの契約違反による大怪我で、大いに出遅れることが判明したわけで、しかも虚偽の報告までのおまけ付き。訴訟大国でのことで、実際に可能かどうかは定かではないが、私なら契約を破棄にしたい。再契約を望むのであれば、初年度のサラリーを大幅に減額した形での再契約もありうるが、不可能ならそれはそれでかまわないと思っている。
マゲッティについては、他チームが「ミドル例外条項でなら」なんて噂が出ているプレイヤーを年1000万ドル平均のサラリーで獲得するなどもってのほかだ。それにS・ジャクソンがいるわけだから、むしろインサイドにもう一枚加えるほうが、利にかなっている気もする。なくても可。それに、マゲッティにS・ジャクソン以上の価値があるとも考えにくい。
そして、クロフォードも獲得からさして時間のたっていない時期に、オフのFAを薦めるあたり、獲得自体が思いつきでやったのかと疑いたくなる。

もし、エリスの契約を破棄し、マゲッティを獲得せず、クロフォードも取っていなければ、来シーズンにもアル・ハリントンがインサイドにいて、オフにはいくらかのサラリーキャップに空きもある。しかも、ハリントンは来シーズンが契約最終年で、しかも経済不況でややヒートアップ振りが衰えたとはいえまだ話題の2010年問題直前。問題になったであろうPG獲得はまさに思うがままだったはずだ。FAではキッドに、アイヴァーソンと走らせたらどうなるが興味深い面々がいる。

そんなわけで、

極めて主観的、2008-07.15〜2009.02.26補強5段階評価 1

これはないわ。


Los Angeles Clippers

23-59, 5th Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 5 Davis, Baron PG 6-3 215 4/13/79  9 UCLA
 40 Davis, Paul FC 6-11 270 7/21/84  2 Michigan State
 20 Fazekas, Nick F 6-11 235 6/17/85  1 Nevada
 23 Gordon, Eric SG 6-4 215 12/25/88  R Indiana
  Jordan, DeAndre C 7-0 255 7/21/88  R Texas A&M
 35 Kaman, Chris C 7-0 265 4/28/82  5 Central Michigan
 22 Knight, Brevin PG 5-10 170 11/8/75  11 Stanford
 5 Mobley, Cuttino SG 6-4 215 9/1/75  10 Rhode Island
 21 Powell, Josh FC 6-9 225 1/25/83  3 North Carolina State
 13 Ross, Quinton GF 6-6 193 4/30/81  4 Southern Methodist
  Taylor, Mike G 6-2 165 6/21/86  R Iowa State
 2 Thomas, Tim F 6-10 240 2/26/77  11 Villanova
 12 Thornton, Al F 6-8 220 12/7/83  1 Florida State
 33 Williams, Marcus F 6-7 205 11/18/86  1 Arizona

15-43, 4th Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 3 Acker, Alex G 6-5 185 1/21/83  3 Pepperdine
 23 Camby, Marcus FC 6-11 235 3/22/74  12 Massachusetts
 25 Collins, Mardy G 6-6 220 8/4/84  2 Temple
 1 Davis, Baron PG 6-3 215 4/13/79  9 UCLA
 31 Davis, Ricky GF 6-7 226 9/23/79  10 Iowa
 10 Gordon, Eric SG 6-4 215 12/25/88  R Indiana
 6 Hart, Jason PG 6-3 180 4/29/78  8 Syracuse
 2 Jones, Fred SG 6-2 225 3/11/79  6 Oregon
 9 Jordan, DeAndre C 7-0 255 7/21/88  R Texas A&M
 35 Kaman, Chris   C 7-0 265 4/28/82  5 Central Michigan
 20 Novak, Steve F 6-10 220 6/13/84  2 Marquette
 50 Randolph, Zach FC 6-9 260 7/16/81  7 Michigan State
 8 Skinner, Brian FC 6-9 265 5/19/76  10 Baylor
 4 Taylor, Mike G 6-2 165 6/21/86  R Iowa State
 12 Thornton, Al   F 6-8 220 12/7/83  1 Florida State

主な出入り
出 ブレヴィン・ナイト カッティノ・モブリー ジョシュ・ポウウェル クウィントン・ロス ティム・トーマス
入 マーカス・キャンビー リッキー・デイヴィス ジェイソン・ハート フレッド・ジョーンズ スティーヴ・ノヴァック ブライアン・スキナー ザック・ランドルフ

オフにバロン・デイヴィスを獲得し、口頭では再契約で合意していたとも言われるエルトン・ブランドと再契約。バックコートとフロントコートにそれぞれ強力な柱を配し、ウェスタン・カンファレンスは突っ走るつもりだった、のかな?クリッパーズは。
ただ、残念ながらブランドはより高額なオファーを受け、76ersに移籍してしまった。
だが、その後の動きとしては動けてディフェンス力のあるキャンビーを獲得し、スウィングマンとしてリッキー・デイヴィスとも割安な価格で契約(2年470万ドル)。ナイトの代わりにか、ジェイソン・ウィリアムスとも契約し(契約直後に引退されてしまうが)、後手に回りはしたが一応補って見せており、プレイオフ進出争いに加わるかに思われた。
思われたが、結果は19勝63敗。
何がいけなかったかについては、色々あるだろうが、思うに大きいのは2つ。
怪我と、ザック・ランドルフの獲得だ。
今シーズン、クリッパーズにあって二桁得点を記録したのはトレードされた者も含め7名。うち、70ゲーム以上出場したのはわずか2名のみ。モブリーはトレードされたから仕方がないとしても、ケイマンが31試合、ランドルフが39試合に出場しただけ(左記ゲーム数は欠場したゲーム数ではない)で、B・デイヴィスも65ゲーム、キャンビーも62ゲームの出場となっている。

そして、ランドルフの獲得。
カティーノ・モブリーとティム・トーマスを放出し、11月21日の獲得となっている。
だが、その当時、ケイマンもキャンビーも怪我をしていたわけではなく、健在。モブリーにトーマスも2人で平均23得点を挙げており、問題はなかったはずだ。
確かに開幕から6連敗で、20日の時点で2勝9敗と大きく出遅れた。これ以上の出遅れはウェスタン・カンファレンスでは挽回不可能を意味し、焦る気持ちもわからなくはない。モブリーも心臓の問題で、後に引退となっており、大事故になる前に幸いだったとも言える。

けど、ランドルフか?という気持ちは拭えない。
モブリーもトーマスも契約が2010年までで、2010年を前にトレード価値は上がるはずだった。
対するランドルフは、スタッツでは文句のつけようがなかったが、素行に問題があり、チームを勝たせられずにきていた。契約残も3年4800万ドルと大きい。しかも、しつこいようだがチームには2人のビッグマンがいた。

「しかし、開幕6連敗は事実」
との考えもあるだろうが、こういう見方もある。
開幕からの6連敗中の対戦相手は、ロサンゼルス・レイカーズ10/29、デンバー・ナゲッツ10/31、ユタ・ジャズ11/1(アウェイ)、ユタ・ジャズ11/3、ロサンゼルス・レイカーズ11/5(アウェイ)、ヒューストン・ロケッツ11/7となっており、対戦チームはいずれも、プレイオフ進出を決めた強豪揃い。対するクリッパーズはオフに編成が大きく入れ替わったばかりのチームだ。
たしかにどのゲームも負け方はひどい。11/7のロケッツ戦(9点差)以外、いずれも二桁点差をつけられての敗戦で、正直動きたくなってしまうのも仕方ないかもしれない。
だが、ポートランド・トレイルブレイザーズは長い間、厄介払いができずに困り、爆薬を使ってでも浮上しなくてはならなかったニックスが獲得するも失敗しているのを目の前で見ていたはずなのに。
トレードの噂と、経費削減を求めているシャーロット・ボブキャッツに対し、ジェラルド・ウォレス獲得を打診するとか、他に手はなかったのかと言いたくなる。

怪我はどうしようもないが、ランドルフの獲得は、それ以外の補強がいいだけにもったいない気がしてならない。
オフの課題は…、この結果を受け、じっくり今後の方針を話し合うことだろうか。あとは相次ぐ怪我に対し、打てる手があるなら手を打つべきだろう。

極めて主観的、2008-07.15〜2009.02.26補強5段階評価 3
キャンビー獲得とランドルフ獲得で±0とすると、他の補強で3.5としたかったが、結果が悪いことと、あとの身動きが取れないことをふまえて3で。



Los Angeles Lakers

57-25, 1st Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 3 Ariza, Trevor SF 6-8 210 6/30/85  4 UCLA
 24 Bryant, Kobe SG 6-6 220 8/23/78  12 None
 17 Bynum, Andrew C 7-0 275 10/27/87  3 None
  Crawford, Joe F 6-5 207 6/17/86  R Kentucky
 5 Farmar, Jordan G 6-2 180 11/30/86  2 UCLA
 2 Fisher, Derek PG 6-1 205 8/9/74  12 Arkansas-Little Rock
 16 Gasol, Pau FC 7-0 260 7/6/80  7 None
 11 Karl, Coby G 6-5 204 3/6/83  1 Boise State
 28 Mbenga, DJ C 7-0 255 12/30/80  4 None
 31 Mihm, Chris FC 7-0 265 7/16/79  8 Texas
 14 Newble, Ira GF 6-7 220 1/20/75  8 Miami (OH)
 7 Odom, Lamar F 6-10 230 11/6/79  9 Rhode Island
 10 Radmanovic, Vladimir PF 6-10 234 11/19/80  7 None
 21 Turiaf, Ronny FC 6-10 249 1/13/83  3 Gonzaga
 18 Vujacic, Sasha G 6-7 195 3/8/84  4 None
 4 Walton, Luke SF 6-8 232 3/28/80  5 Arizona

47-10, 1st Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 3 Ariza, Trevor SF 6-8 210 6/30/85  4 UCLA
 12 Brown, Shannon GF 6-4 211 11/29/85  2 Michigan State
 24 Bryant, Kobe   SG 6-6 220 8/23/78  12 None
 17 Bynum, Andrew   C 7-0 275 10/27/87  3 None
 5 Farmar, Jordan G 6-2 180 11/30/86  2 UCLA
 2 Fisher, Derek PG 6-1 205 8/9/74  12 Arkansas-Little Rock
 16 Gasol, Pau FC 7-0 260 7/6/80  7 None
 28 Mbenga, DJ C 7-0 255 12/30/80  4 None
 6 Morrison, Adam F 6-8 205 7/19/84  2 Gonzaga
 7 Odom, Lamar F 6-10 230 11/6/79  9 Rhode Island
 21 Powell, Josh FC 6-9 225 1/25/83  3 North Carolina State
 18 Vujacic, Sasha G 6-7 195 3/8/84  4 None
 4 Walton, Luke SF 6-8 232 3/28/80  5 Arizona
 9 Yue, Sun F 6-7 205 11/6/85  R None

主な出入り
出 クリス・ミーム ヴラディミール・ラドマノヴィッチ ロニー・トゥリアフ
入 シャンノン・ブラウン アダム・モリソン ジョシュ・ポウウェル

大きな移動がなく、チームを固めにきたレイカーズ。
トゥリアフは惜しかったが、サラリー上、諦めても仕方ないかもしれない。チームはラグジュアリータックス課税ラインを超えており、トゥリアフに年400万ドルを支払うということは、チームとしては800万ドルの支出に相当するため。変わりにポウウェルが頑張ってくれてもいる。
ミームは放出後、怪我でシーズンを終えており、これも事前にわかった上での対処であったろうから、ラグジュアリータックスの支払いを軽減した処置であるだけで、仕方のないことだ。

ラドマノヴィッチは惜しい。
トレードで得たモリソンはここまでほとんど起用されておらず、S・ブラウンも終盤に出場機会を得たが、プレイオフでどうなるかはわからない。
ラドマノヴィッチは3年1900万ドルの契約を残しており、モリソンは2年900万ドル+クオリファイイングオファーとサラリー面ではメリットがあるが、今シーズンの優勝を最優先課題とした場合では、行うべきトレードではなかったのではないだろうか。チーム内で3Pが安定して期待できるのは、ラドマノヴィッチ(44.1%)、フィッシャー(39.7)ぐらい。コービー(35.1)に、昨シーズンから大きく数字を落としたヴヤチッチ(昨43.7→今36.3)に期待するほかない。S・ブラウンも一応少ない機会ではきちんと決めてくれてはいるが(18ゲームで6/9)。
序盤、3P%がよかったアリーザにプレイオフでは期待したいところ。

オフの課題は、チームの主力Fであるアリーザとオドムが二人そろってFAであることが最優先課題となるだろう。続いて、プレイオフでもシーズン終盤での活躍を続けられた場合のS・ブラウン(オフにFA)の引き留めだろうか。
オフに一応FAとなる権利をコービーが持っているが、ここは契約延長がすんなり決まるのではないかと思っている。問題となるとすれば、来シーズンいっぱいで引退すると公言しているフィル・ジャクソンHCの後任人事に関連してのことだろうが。

極めて主観的、2008-07.15〜2009.02.26補強5段階評価 2.8
2.5としておきたいところだが、サラリー面で改善しているのは事実だし、中途半端な2.8とした。


Phoenix Suns

55-27, 2nd Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 10 Barbosa, Leandro G 6-3 202 11/28/82  5 None
 19 Bell, Raja SG 6-5 215 9/19/76  8 Florida International
 3 Diaw, Boris FC 6-8 235 4/16/82  5 None
  Dragic, Goran G 6-4 180 6/6/86  R
 2 Giricek, Gordan SG 6-6 220 6/20/77  6 None
 33 Hill, Grant GF 6-8 225 10/5/72  14 Duke
 44 Johnson, Linton SF 6-8 205 6/13/80  5 Tulane
  Lopez, Robin C 7-0 255 4/1/88  R Stanford
 4 Marks, Sean FC 6-10 250 8/23/75  10 California
 13 Nash, Steve PG 6-3 178 2/7/74  12 Santa Clara
 32 O'Neal, Shaquille C 7-1 325 3/6/72  16 LSU
 52 Piatkowski, Eric GF 6-7 215 9/30/70  14 Nebraska
 54 Skinner, Brian FC 6-9 265 5/19/76  10 Baylor
 1 Stoudemire, Amare FC 6-10 245 11/16/82  6 None
 8 Strawberry, D.J. G 6-5 204 6/15/85  1 Maryland
 29 Tucker, Alando F 6-6 205 2/11/84  1 Wisconsin

32-24, 2nd Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 17 Amundson, Louis F 6-9 238 12/7/82  2 UNLV
 10 Barbosa, Leandro G 6-3 202 11/28/82  5 None
 22 Barnes, Matt GF 6-7 226 3/9/80  5 UCLA
 2 Dragic, Goran G 6-3 190 6/6/86  R None
 3 Dudley, Jared F 6-7 225 7/10/85  1 Boston College
 33 Hill, Grant GF 6-8 225 10/5/72  14 Duke
 15 Lopez, Robin FC 7-0 255 4/1/88  R Stanford
 13 Nash, Steve   PG 6-3 178 2/7/74  12 Santa Clara
 32 O'Neal, Shaquille C 7-1 325 3/6/72  16 LSU
 23 Richardson, Jason GF 6-6 225 1/20/81  7 Michigan State
 1 Stoudemire, Amar'e   FC 6-10 249 11/16/82  6 None
 29 Tucker, Alando F 6-6 205 2/11/84  1 Wisconsin

主な出入り
出 ラジャ・ベル ボリス・ディアウ ゴーダン・ギリセック D.J.ストロベリー
入 マット・バーンズ ジャレッド・ダドリー ジェイソン・リチャードソン

シックスマンとしては理想的な人材ながら、アマレが怪我で欠場した際に活躍し、そのあとの再契約だったため契約額が高額となってしまったディアウ。彼を出したいのはわかる。いいプレイヤーだが、年900万ドルは高い。
だが、ベルは出してはいかんだろう。ベルは高い3P%と一定のディフェンス力を有し、契約も2010年までと理想的。
ベルとセットでなければトレードは実現しなかったのはわかるが、それならば実現すべきではなかった。

ダドリーが頑張ってくれているのが救いではあるが、それでもこのトレードは失敗だといえると思う。戦力が整った状態で、上を狙おうというチームが行うべきトレードとは思えない。

実際、トレードが行われた12/10を迎えた時点では13勝9敗(.590)だったチームは、その後は33勝27敗(.550)と数字を落とし、プレイオフ進出を逃している。あまりにも仮定が過ぎる話だが、もしサンズがトレード前の勝率でシーズンを乗り越えていたら、ユタ・ジャズ(勝率.585)を抜いていたかもしれない?
そして、主力の入れ替えという博打を打つならば、ナッシュを除いた主力のトレード(噂に出ていたアマレとか)も行ってしまうべきだった。そこでベテランを整理できていれば、サンズは次へ進むこともできただろうが、それもできず、結果、昨シーズン行ったシャック獲得からのチームは何一つ成功を収めることができずにいる。

NBAには話題を、ファンには期待感をもたらしてくれたスティーヴ・カーGMだが、この結果を受けて辞任しても私は驚かない。

オフには、アマレのトレード話が再燃するだろう。
一方でヒルが残留を希望するなど、ベテランたちへの対処も難しいオフを迎える。
多くの一流プレイヤーを抱えるサンズだが、もはや来シーズンの優勝はこのまま行ってはありえない。
来シーズンいっぱいでシャック、ナッシュの契約が切れるサンズ。来シーズンいっぱい、夢を見るのもありだろう。ファン心理としてはそうしてもらえるとありがたいが、上記の通り、優勝は不可能だと思う。
カーGMなのか、新しいGMなのかはわからないが、こんな難しい状況下でどういった判断を下し、どういった結果をもたらしてくれるのか実に興味深い。

極めて主観的、2008-07.15〜2009.02.26補強5段階評価 2


Sacramento Kings

38-44, 4th Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 3 Abdur-Rahim, Shareef FC 6-9 245 12/11/76  12 California
 93 Artest, Ron F 6-7 246 11/13/79  9 St. John's
 8 Douby, Quincy G 6-3 175 5/16/84  2 Rutgers
  Ewing Jr., Patrick F 6-8 240 5/20/84  R Georgetown
 32 Garcia, Francisco GF 6-7 195 12/31/81  3 Louisville
 31 Hawes, Spencer C 7-0 230 4/28/88  1 Washington
 5 Johnson, Anthony PG 6-3 195 10/2/74  11 Charleston
 23 Martin, Kevin SG 6-7 185 2/1/83  4 Western Carolina
 52 Miller, Brad C 7-0 261 4/12/76  10 Purdue
 33 Moore, Mikki FC 7-0 223 11/4/75  10 Nebraska
 15 Salmons, John GF 6-6 207 12/12/79  6 Miami (FL)
  Singletary, Sean PG 6-0 185 9/6/85  R Virginia
 9 Thomas, Kenny PF 6-7 245 7/25/77  9 New Mexico
  Thompson, Jason FC 6-11 250 7/21/86  R Rider
 19 Udrih, Beno PG 6-3 200 7/5/82  4 None
 22 Williams, Shelden F 6-9 250 10/21/83  2 Duke
 42 Wright, Lorenzen C 6-11 255 11/4/75  12 Memphis

12-47, 5th Pacific

Roster
 No. Player Pos Ht Wt DOB Exp College
 52 Booth, Calvin C 6-11 230 5/7/76  9 Penn State
 3 Diogu, Ike FC 6-9 250 9/11/83  3 Arizona State
 32 Garcia, Francisco GF 6-7 195 12/31/81  3 Louisville
 90 Gooden, Drew FC 6-10 242 9/24/81  6 Kansas
 20 Greene, Donte SF 6-10 226 2/21/88  R Syracuse
 31 Hawes, Spencer FC 7-1 230 4/28/88  1 Washington
 24 Jackson, Bobby PG 6-1 185 3/13/73  11 Minnesota
 23 Martin, Kevin SG 6-7 185 2/1/83  4 Western Carolina
 7 McCants, Rashad GF 6-4 215 9/25/84  3 North Carolina
 5 Nocioni, Andres F 6-7 225 11/30/79  4 None
 15 Simmons, Cedric FC 6-9 235 1/3/86  2 North Carolina State
 17 Solomon, Will PG 6-1 180 7/20/78  7 Clemson
 9 Thomas, Kenny PF 6-7 245 7/25/77  9 New Mexico
 34 Thompson, Jason F 6-11 250 7/21/86  R Rider
 19 Udrih, Beno   PG 6-3 205 7/5/82  4 None

主な出入り
出 シャリーフ・アブドゥル・ラヒム ロン・アーティスト アンソニー・ジョンソン ブラッド・ミラー ジョン・サルモンズ ショーン・シングルタリー
入 アイケ・ディオグ ドリュー・グッデン(後に放出) ボビー・ジャクソン アンドレス・ノシオニ セドリック・シモンズ

今シーズンの低迷が予想されたキングス。
オフにはアーティストをトレードし、1巡目指名権を獲得。
ここまではいいとしても、何故サルモンズを放出してまで、高額な契約が残るノシオニを獲得する必要があるのかがさっぱりわからない。
B・ミラーはインサイドである程度計算のできるCで、契約も来シーズンいっぱい。サルモンズは今シーズン18.3得点をあげるもまだ契約が2年(今シーズンと来シーズン+プレイヤーオプション)は残っており、年600万ドルは割安。
この二人を出してまで、今シーズンで800万ドル。契約残が5年3500万ドル残る、今シーズン11.4得点・4.8リバウンドのプレイヤーを取る意味が私にはわからない。キングス移籍後の3P%は確かに立派(.441)だが、それならサルモンズ(.419)で充分。サルモンズと1対1の比較でも、サラリーは200万ドル増え、スタッツでは平均7得点ほど下がっている計算となる。

レギュラーシーズンをリーグ最下位で終え、高い指名順位が期待でき、ロケッツから得た指名権もある。
起用するもよし、トレードするもよしのミラーがいて、期待のマーチン、サルモンズにドラフト上位指名選手がおり…そんな状態なら、現在にも未来にも期待が膨らんだだろうに。

クリス・ウェバー、マイク・ビビー、ブラディ・ディヴァッツでロサンゼルス・レイカーズを苦しめたころの面影はなく、それ以降の迷走はまだ終わりそうにない。

オフの課題は…、このままの方針でいいのかを再確認だろうか。

極めて主観的、2008-07.15〜2009.02.26補強5段階評価 2.5
ノシオニ獲得がなければ、成績が悪いのもある意味プラスに作用するとして、3.5としたのだが…。





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