第109回


「AIのウルブズ行きを検証」


ここで見ると短いですが、ニュースに載せると長いので、こちらにさせていただきました。

asua



 チームのエースと、チームのトップが獲得に前向きなウルブズ。
 アイヴァーソン本人も「ミネソタに行きたい」と話したとされている。
 あとは交換条件を詰めるだけか。

 交換要員としてはKGを除けば、400〜600万ドル台のサラリーのプレイヤーが6名いる。

 リッキー・デイヴィス(今シーズン636万ドル、契約残2年)
 マーク・ブラント(612万ドル、残4年)
 トロイ・ハドソン(560万ドル、残4年)
 マルコ・ヤリッチ(552万ドル、残5年)
 マイク・ジェイムス(521万ドル、残4年)
 トレント・ハッセル(435万ドル、残4年)。

 噂ではクリス・ウェバーもセットで放出したい考えのようだが、そうなると二人で約3900万ドル。6名全員を放出しても足りないが、上限である「トレードされるプレイヤーのサラリー総額の125%+10万ドル」までは獲得できるルールで見ると、一応は可能。だが、これには76ers側は契約残が増えることから、ウルブズ側としては主要メンバーをほぼ全て失うことになるため、成立するとは考えられない。

 アイヴァーソン一人でみると、今シーズン1828万ドルのアイヴァーソンと釣り合わせようとした場合、上記の中から3名は必須となる。
 スタッツからみると、R・デイヴィス、M・ジェイムス、M・ブラントの3人あたりか。スタッツだけでみると、ウルブズにとってマイナスだが契約残も増えないし、決して悪い話ではないはず。

 (注:アイヴァーソンが残3年で約6030万ドル、デイヴィス+ジェイムス+ブラントだと推定6300万ドル前後か)

 一方、76ersとしては難しい。アイヴァーソンほどのプレイヤーを放出しておきながら、契約残が減るわけでもなし、チームを任せられるプレイヤーを得られたというわけでもなく、なら契約年数が短くなったかというとそうでもない。ウェバーという放出したいプレイヤーを処分することができるわけでもない。それを考えると、この条件だとドラフト1巡目指名権を76ersが要求してくるのは自然な流れか。
 もしくは、アンドレ・イグダラを活かす為に、R・デイヴィスを外したプランを考えてくる可能性もあるが、今回のこの6名のウルブズ側トレード要員の中で、一番契約残が短いのはこのデイヴィス。獲得後の再トレードは考えられるが、外すとなると、76ers側のサラリー面でのデメリットが増えるので考えにくい。

 私がウルブズ側ならアイヴァーソン1人でみると、上記6名の中から誰でも選んでもらっていいし、ぜひともまとめたい話だ。
 一方、立場が76ers側となるとドラフト1巡目指名権のつけてもらわなければ話にならない。ドラフト指名権のトレードにはルール上、制約があるため、可能かどうかはわからないが、正直なところ、1巡目指名権1つでは物足りない。せめて、1巡目指名権1つに2巡目指名権ぐらいはつけてもらいたいところだ。だが、問題となるのは、アイヴァーソンほどのプレイヤーをトレードに出すという状況にありながら、交渉相手が少ないところだ。今も「残っている」とされるのはこのウルブズとボストン・セルティックスぐらいのもの。出すことが前提となってしまっている以上、これで下手に断られでもしたら、セルティックスとどうあってもまとめるか、チーム内が嫌なムードになるのを承知で1シーズン費やしてしまうかの厳しい二者選択を迫られることになる。

 結論

 ミネソタ・ティンバーウルブズがトレードで得るもの
 ・アレン・アイヴァーソン

 フィラデルフィア・76ersがトレードで得るもの
 ・リッキー・デイヴィス
 ・マイク・ジェイムス
 ・マーク・ブラント
 ・次回のドラフト1巡目指名権
 ・いつかを選べる2巡目指名権を1つ

 と言ったところが、私としては落とし所だろうかと思われる。

 ちなみに、このトレードを成立させようと思った場合、M・ジェイムスが12月15日までトレードできないため、できたとしてもそれ以降になる。


 もう一つのトレード先候補としてあげられている、ボストン・セルティックスについてはBoston Globeが報じている。
 それによると、セルティックスは代わらずアイヴァーソン獲得に興味を持っており、見返りとしてセオ・ラトリフ、デロンテ・ウェスト、セバスチャン・テルフェア、アル・ジェファーソンを76ersに送る案があるという。ちなみに、ジェラルド・グリーンは出さない模様。

 私個人としては、KGとAIのコンビを見てみたいが、もし76ers側の立場ならば間違いなくセルティックス案を選ぶ。
 AIを出したことで空くPGに安定感のあるウェストと、突破力のあるテルフェアを獲得でき、将来性のあるジェファーソンも得ることができる。ラトリフは正直、多くは望めないが来シーズンいっぱいで切れる高額契約者という魅力がある。

 だが、一方でこのトレードを成立させるメリットがセルティックス側にあるとも考えにくいのだが、これはオファーするダニー・エインジ氏の頭をあけてみないとわからない。
 AIの契約が切れるまでの間にピアースとザービアックを擁するセルティックスはこの3枚看板で勝負するつもりなのかもしれないが、KGとさえもめたとの噂のあるザービアックがピアースに加え、アイヴァーソン獲得で大人しくしているとも考えにくいのだが。
 古豪の宿命か。チームのトップに立つ人間はファンの「即結果を」という要望にこたえ続けないといけないのかもしれない。確かに、セルティックスがこのままいって強くなれるかというと疑問を感じざるを得ない。…そう考えると、これだけの好条件を出すのにも理解を示せる…かも知れない。

 asua













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