第108回


「ガソルの放出を検討 from グリズリーズ」


今回はニュースでも報じられた、ポウ・ガソルのトレードをグリズリーズ側の視点で検討したいと思います。
あくまでもグリズリーズが主導権を持っているためのもので、次回に「from セルティックス」があるわけではないので、その点どうかご理解ください(笑)。

ちなみにスタッツ検証には「実績」である必要があるためもあり、昨シーズンの数字を使っていることをここでお断りさせていただきます。

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 NYポスト紙のコラムニスト ピーター・ヴェクシー氏が「事情に詳しい関係者からの情報」として、ボストン・セルティックスがメンフィス・グリズリーズに対してポウ・ガソルのトレードを申し込んだ、と報じた。
 それによると、セルティックス側に条件はなく、「ボストンのどの選手とでも交換に応じ、メンフィスが放出したい選手ならどの選手とセットでトレードしようとも構わない」という無条件での申し込みだという。
 信頼性に欠けるヴェクシー氏だが、たまに「本物」を織り交ぜるのも事実。今回がどちらなのかは本人にしかわかっていない。(ここまでは「ニュース」より)

 だが、先日もチームの不振を理由にマイク・フラテロHCの首が噂されたばかり。
 プレイヤー放出の噂はこれまでないが、今シーズンのサラリーが1233万ドルのガソルを放出しようと思えばセルティックスからポール・ピアース(同1510万ドル)、セオ・ラトリフ(1166万ドル)、ウォーリー・ザービアック(1100万ドル)のいずれの獲得が不可避となる。

 ピアース、ザービアックは能力の上でこのサラリーは不釣合いではない。だが、ピアースは契約残が5年、ザービアックは膝に不安を抱えている。ラトリフは契約残が2年だが、怪我がちで今シーズンもここまで2ゲームに出場したにとどまっている。

 一方、グリズリーズ側が「放出したい」と考えているのではないか、と思われるプレイヤーも少ない。
 エディ・ジョーンズは契約が今シーズンいっぱいで今更、こちらに有利なトレードで放出する必要はない。
 マイク・ミラー、ストロマイル・スウィフトは手元においておいていいプレイヤーのはず(それぞれ今シーズンが750万ドル、540万ドルで契約残が4年と3年)。今シーズン、540万ドルのサラリーで契約残が4年でありながら、ここまで5.3得点のブライアン・カルディナルぐらいだろうか。

 グリズリーズとしては、フランチャイズプレイヤーを放出するわけだから、代わりとなるフランチャイズプレイヤー(ピアース)を得るのか、チームが売却交渉中ということもあり、「負債」となりかねない長期契約プレイヤーをさけるか(この場合はラトリフか、ザービアックを選択)をまず選択する必要がある。
 その上で、プラスでカルディナルを放出し、セバスチャン・テルフィア、ライアン・ゴメス、アル・ジェファーソン、デロンテ・ウェスト、ケンドリック・パーキンスにドラフト指名権など、何をチョイスするか。ウェストを獲得すると選択した場合、ベテランGのデイモン・スタウダマイヤーも合わせて放出される可能性も出てくる。


 管理人がベストと思うトレード案は以下の通り。
 放出 ポウ・ガソル + ブライアン・カルディナル + デイモン・スタウダマイヤー 計約2180万ドル
 獲得 ポール・ピアース + セバスチャン・テルフェア + ライアン・ゴメス + アル・ジェファーソン 計約1915万ドル

 ですが、これはあまりにもグリズリーズ側に都合のよすぎるものとなっています。これだと、スタッツ上、グリズリーズは「得点+16.3、リバウンド+4.6」と圧倒的に有利。そのため、これに加えて来シーズンの1巡目指名権、もしくはカイル・ローリィ、ローレンス・ロバーツの放出が必要となるか。ローリィは怪我中だが今ドラフト24位指名のプレイヤーで5.6得点&3.2&&3.1リバウンドを記録しており、ロバーツは6.1得点&6.0リバウンドを記録する昨シーズンドラフトされた24歳の若手で、いずれかと2巡目指名権をつければ多少バランスはとれるか。希望としてはテルフェアを取ることからもGのローリィだが怪我中なのがネックか。

 実はリーグ最低のアシスト数(16.2)を改善させる為にもデロンテ・ウェストを獲得したかったのだが、今シーズン、グリズリーズはチームのスピードアップを図っているとされており、それを考えるとウェストとテルフェアの両者が獲得可能で、ウェストを選ぶとは考えにくいかと。
 また、ジェファーソンの代わりにパーキンスというのも考えもあったが、パーキンスは9/13にもお伝えしたとおり、チームと複数年の計約延長を結んでおり、その内容が明らかになっていません。パーキンス獲得はこれ次第かと。

 実際、現実にこのトレードを行なおうと思えば、セルティックスのダニー・エインジ氏が冷静であれば、飲める条件ではない。そのため、セルティックスは更にラトリフとブライアン・スカラブリンを、グリズリーズはエディ・ジョーンズの放出を軸に条件のバランスを取る必要がある(ちなみに管理人考えではこれを行なう場合はローリィ、ロバーツの放出は必要ないかと)。
 これを行なえば、セルティックスは来シーズンのサラリーカットが可能となり、他の面の不利に対し見返りを確保できることになる。これはダニー・エインジ氏の首をつなげることにもなると思われ、本人としても外せない条件ではないかと思われる。


 結局は

 放出 ポウ・ガソル + ブライアン・カルディナル + デイモン・スタウダマイヤー + エディ・ジョーンズ
 計約3750万ドル

 獲得 ポール・ピアース + セバスチャン・テルフェア + ライアン・ゴメス + アル・ジェファーソン + セオ・ラトリフ + ブライアン・スカラブリン 計約3360万ドル

 というのが「現実的」というには大き過ぎるトレードだが、管理人の予想。
 これでも、グリズリーズはスタッツ上、得点で12.3、リバウンドで7.6プラスになるが、ラトリフの4.9得点&5.1リバウンドは怪我もあり、あまりアテにできないことを考えるとそう大きなプラスではない(+7.4、+2.5)。

 まぁ、あくまでも「グリズリーズが有利」という条件で、「グリズリーズ側が希望するトレード」というのが大前提ですので、あしからず。


asua












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