第103回


「シーズンを独断と偏見で仮想!ウェスタン・カンファレンス編」

シーズン開幕を前に管理人が客観的要素を廃し、極独断的で偏見を交えた予想をします。
笑って読んでいただければ幸いかと。
怪我など、不謹慎な要素も含まれますが、「怪我」という要素はNBAと切っても切れない要素なので、ご理解いただけると幸いかと。

量が結構なものになりそうなんで、今回は出来次第、ディヴィジョン別にアップしたいと思います。

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 ウェスタン・カンファレンス

 サウスウェスト・ディヴィジョン

 ダラス・マーベリックス
 サンアントニオ・スパーズ
 ヒューストン・ロケッツ
 ニューオリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ
 メンフィス・グリズリーズ






 ダラス・マーベリックス

 今シーズン、MVPを最有力視されているのがマブスのD・ノビツキー。スタッツでは28.3得点&9.6リバウンド&3.3アシスト&FG47.6%&3P40.1%&FT91.0%といずれも素晴らしい成績。チームも61勝21敗とリーグ最多勝をマークし、ファイナルまでのホームコートアドバンテージを獲得した。

 「多くの、というか、ほとんどのプレイヤーが今シーズンは大きな成長を見せた。これまでも散々『充実したシーズン』を送ってきたつもりだったが、今シーズンの我々に比べれば。今シーズンの我々は本当に『充実したシーズン』を送っているよ」
 そうチームの成長ぶりに自信を見せるのはA・ジョンソンHC。

 特にHCが絶賛してやまないのがD・ジョブ。今シーズンはキャリアハイをマークした昨シーズン(2.4得点&4.6リバウンド)を大きく上回る6.7得点&6.9リバウンドをマーク。ブロックでも2.1を記録し、チームのE・ダンピアーからスターターを奪わんばかりの勢い。

 「ジョブはオフによく頑張っていた成果がでたんだよ。もちろん、オフには多くのプレイヤーが努力を惜しまないものだ。しかし、その中でもジョブはよくやったと思う。まぁ、代わりに毎日のように質問攻めにあった私も大変だったけどね(笑)」
 そうジョンソンHCが話すとおり、専門家の間でも評価は高くなりつつある。また、同じCのDJ・ムベンガについても「よくやっているよ。まだ学ぶべきことは多いけど、彼がいればジョブも気が抜けないだろうね」と賞賛を惜しまない。

 一方、ベテランCのE・ダンピアーに対しては「満足」とはいえないようだ。
 「エリック(・ダンピアー)は誰もやりたがらないような地味な仕事ばかり率先して引き受けてくれている。今シーズンの快進撃で、その一翼を担ったのは間違いなく彼だ。だが、私はだからこそまだ期待しているんだ。今みたいな老け込んだプレイヤーがやるようなプレーではなく、彼はもっと自信を持ってプレーしていいんだ、とね」
 今シーズンの成績は昨シーズンと同程度の6.0得点&7.7リバウンドを記録している。

 「ダーク(・ノビツキー)、ジェイソン(・テリー)、ジョシュ(・ハワード)の3人の素晴らしさは言うまでもないがね。才能を持っていれば自分に自信を持つものだ。それは何も悪いことではない。ただ、それを制御できなければ結局は才能を活かしきれずに終わってしまう。うちの3人にはそういったエゴがない・・・というわけではないが、それよりも人として調和が取れるんだ。そして、なによりも勝利を渇望している。数字には表れないところでも我々は結果を出している。もし、ディフェンシブ・オブ・ザ・イヤーのチーム版があればきっとうちが受賞していただろう。ジェイソンもジョシュもよくやってくれているよ。ほんとにね」
 こうジョンソンHCは今シーズンを振り返った。
 「必ずファイナルに戻ってみせる。そして、今度は負けない。ヒートが来ようと、どこがこようとね。シャックは衰え、うちのCは成長した。ウェイドは頑張っているが、それ以上にうちはのびた。今度こそ、負けないよ」
 プレイオフを前にファイナル進出と、昨年の雪辱をHCは誓った。


 サンアントニオ・スパーズ

 59勝23敗。スパーズは4つ、昨シーズンに比べて勝利数を落としたが変わらず強い。
 B・バリー、J・バトラー、M・フィンリー、R・オーリー、J・ヴォーン、E・ウィリアムスが控えるベンチは地味なメンバーながらリーグ1と言われる層の厚さを誇る。
 毎年、必ずMVP候補に挙がるT・ダンカンは今シーズンももちろん候補。

 「昨シーズンは途中、ショットの調子を落としてしまった時期があった。今シーズンはそうならないよう気をつけたし、そうできた。昨シーズンは僕の中だけでも無駄にはなっていない」
 と話すのはT・ダンカン。スタッツは20.8得点&10.9リバウンド&3.1アシストを記録した。

 CにはF・オバート、J・バトラー、M・ボナーがそれぞれ大きな数字を残すことはなかったが、3人でポジションを埋めて見せた。

 「グレッグ・ポポヴィッチHCに使われることで彼らはCとして機能した。実績ではボナー、可能性ではオバート、ガッツではバトラーだ。フィル・ジャクソンもそうだが、ポポヴィッチも巧みにCの力を引き出し、チームのポジションの一つを埋めてきた。今シーズンも見事にそうしてポジションを埋めて見せた。あとは彼らのうちの誰が大きく成長して見せ、ただ『ポジションが埋まっている』というだけの現状から勝利への原動力となれるかだ。
 プレイオフを迎え、レギュラーシーズン中のように3人が並び活躍するようでは昨シーズン以上の結果を残すことはないだろう。だが、このうちの一人でも28分以上、コートを任せられるプレーをしてくれれば、スパーズはきっと今シーズン優勝するだろう」(シーズン終了時の地元紙コラム)



 ヒューストン・ロケッツ

 「過去のスタッツを見ると、150得点は優に取れるロスター。だが、今は100得点も難しく、相手チームを110得点以下に抑えるのも難しいチーム」
 序盤、苦戦の続くロケッツを地元紙はこう酷評した。

 11月20日のニューヨーク・ニックス戦で勝利し、3連勝で7勝4敗と好スタートを切ったかに見えたチームはその後、4連敗を喫し、11月を終えた時点で7勝8敗。月が変わって12月最初のゲームは2日のクリーブランド・キャバリアーズ戦。強豪となったキャブスを率いるラブロン・ジェームスは前日のアトランタ・ホークス戦で43得点をマークするなど好調で、チームも3連勝中と波に乗っていた。

 ラブロンはロケッツ戦でも好調を維持し、前半23得点、ゲーム全体で36得点をあげる活躍を見せた。ロケッツのエース、トレイシー・マグレディは26得点。だが、チームを勝利に導いたのはマグレディのほうだった。
 96-92、キャブスの4点リードで迎えた4Q残り42秒。FTを得たのはラブロン。ファールを犯したのはマグレディでファールは4つ目。ラブロンはこの時点で36得点。FTを2投とも外し、マグレディは逆速攻からの3Pをトップから捻じ込んで見せ、96-95で残り時間は31秒。ファールゲームに出たロケッツからFTを得たのはE・スノウ。だが、スノウも2投目を外し、97-95。

 「ヤオ(・ミン)とトレイシー(・マグレディ)とのピック&ロールからヤオのポストプレー。まだあの時点ではそれをする時間があったからね。・・・で、そのはずだったんだがね(笑)」
 ゲーム後、そう話すのはジェフ・ヴァン・ガンディHC。

 左45度でボールをもらおうとするマグレディに対し、ラブロンは厳しいプレッシャーを与え外へ押し出す。3Pラインの外にまで出てボールをもらうマグレディ。ヤオ・ミンが3Pライン内側でスクリーンに立つと、マグレディはラブロンをヤオにぶつけると、ヤオ越しに3Pを放つ。そうとは思わずスクリーンからのパスを要求するヤオ、ゴール下でカバーに来てボールを見守るグッデン。ボールはゴールに吸い込まれ、97-98でロケッツが逆転!
 タイムアウトを使い切っていたキャブスは残り9.2秒からボールをコートに持ち込み、スノウが苦しい体制からのショットを放つもリムをかすめることもなくゲームは終了。
 ロケッツが連敗を脱し、キャブスが連勝を3でストップさせた。

 「あのゲームがターニングポイントになったかって?僕個人としてはそうでもなかった。やるべきことをやっただけ、ただそれだけだった。ただ、チームとしてはあれで大いに波に乗れた。あの最後のショットを誰が決めたとかはどうでもいいこと。ようはそこからチームが勢いづけたことが大きいよ。ただ、ヤオとコーチにはあとで謝ったけどね(笑)」
 シーズン後、こう話すマグレディ。

 「あの時は驚いたよ。コーチの指示は僕のポストプレー、それに相手がすばやく対応したらトレイシーの1on1だったからね。『トレイシー。パスだ』と思った時にはゲームが決まっていたよ(笑)」(ゲーム後、ヤオ・ミン)
 ロケッツはそこからロードが10、ホームが5という厳しい12月を9勝6敗で乗り越えると、再び5割を割り込むことはなかった。
 シーズンが終わってみると49勝33敗で見事プレイオフ進出を決めた。



 ニューオリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ

 ボビー・ジャクソン、タイソン・チャンドラー、ペジャ・ストヤコビッチが新たに加わり、昨シーズンのチームを支えたルーキー・オブ・ザ・イヤーのクリス・ポールと爆発力はないがグッドプレイヤーのデイヴィッド・ウェストも変わらずチームの土台となった。

 だが、ホーネッツは昨シーズンの38勝から、41勝にステップアップしたものの、プレイオフ進出はならなかった。
 「悔しい、本当に悔しい。手の届くところにまで近寄ることができたのに。けど、ならもう一度シーズン前と同じ状況でシーズンに挑めれたらプレイオフにいけるか、というとそれは難しいと思う。それだけ、僕たちは今シーズンめいいっぱい頑張った。そして、可能性をつかめる位置にまで昇ることができた。貴重な経験も得た。さっきの話じゃないけど、シーズン前じゃなく、今の状態でシーズンに挑めればプレイオフ進出は必ず成し遂げることができる。間違いないよ」
 昨シーズン、ルーキーだったポールは早くもチームリーダーとしてチームを引っ張った。

 「風格、といえば大げさに聞こえるけど、早くもそんなオーラが出てきている。クリス(・ポール)は間違いなく超一流になるだろう。PGとして、必要なものを彼は全て持っている。あとはそれを磨くだけ、時間だけだよ。最近の若手Gには欠けているものの多くをすでに獲得している。彼は時間がたてばジョン・ストックトンや、マグジー・ボーグスのように高く評価されるプレイヤーになるだろう。私の仕事は、彼をそこからマジック(・ジョンソン)や、アイザイア(・トーマス)の位置(優勝を経験する、ということ)にまで引き上げることなんだ」
 ポールを絶賛して止まないのはバイロン・スコットHC。
 一方で大型補強を行なっておきながら、プレイオフ進出を逃した責任について問われると
 「私の責任だ。特にペジャ(・ストヤコビッチ)ほどのシューターに出会ったのが初めてで、十分に活かしきることができたといえば疑問だ」
 と話し、「だが、来シーズンのプレイオフ進出は約束できる。もう先へ進むしかない。けど、得るものもあった。来シーズン、プレイオフに進めなかったら責任を取るよ」と来シーズンのプレイオフ進出を約束し、失敗に終わった場合、責任を取るとも明言。
 ストヤコビッチは18.3得点&6.0リバウンド&3P38.8%。チャンドラーは7.0得点&9.9リバウンドを記録した。



 メンフィス・グリズリーズ

 ガソルが帰ってくるまでの1ヵ月半。これがあまりにも長かったグリズリーズ。
 夏に行なわれた世界選手権で見事チームを優勝に導き、MVPを獲得したポウ・ガソル。チームもそこで一回り大きく成長して帰ってきてくれることを望んだのだろう。しかし、そこで骨折してしまい、復帰できたのはクリスマス明けの12月26日のワシントン・ウィザーズ戦。チームはそこまでに28戦し、10勝18敗とあまりにもつらいスタートを強いられた。
 ガソルは帰ってきてからの54ゲームで全てスターターとして出場し、平均出場時間では昨シーズンの39.2を上回る39.4を記録。

 「普通、怪我明けだとベンチスタートからだったり、出場時間を抑えたりするものだ。だが、『プレーをしたくてたまらない!』といった感じのポウ(・ガソル)を抑えることなんてできなったよ(復帰戦で36分プレーし、18得点&11リバウンドを記録)。シーズンで勝負が決まったゲームなんかでも、彼は4Qまで出たがった。『プレーしたりないんだ。コーチ』と。私ももちろん説得したよ。『君が出ることは他の、控えのプレイヤーの貴重なプレータイムを奪うことになりかねないんだ』とね。でも彼も引かなかった。『ここで休んでいてはファンに申し訳が立たないんだ』ってね。彼はそれが自身のわがままだと知りながら押し通したんだ。ファンはもちろん、喜んだよ。ゲームが決まってからも席を立つ数は極端に減った。けど、どうしてもベンチの、特に11、12番目のプレイヤーなんかの出場時間の確保が難しくなってくる。彼らは不満を言うことはなかったが、内心穏やかじゃなかっただろう。けど、ポウもそれから君たちも何度も聞いたように頻繁にチームメイト、特にワンプレーしかコートに立たなかったようなプレイヤーたちに目を配り、いいところは公の場で褒めた。彼はわがままを言い、チームに迷惑をかけもしたが、そこからのフォローにも全力を尽くした。彼はチームに良かれと思えることを今シーズンは出来る限りした。これまでは私や、ベテランに委ねがちだったリーダーシップについても積極的に取っていった。確かに今シーズンはプレイオフを逃し、決して全てがいい結果というわけではないが、私は今シーズンはこれでよかったとも思っている。ジェイク(サカリディス)もやっと長い間の期待に応え始めてくれたし。来シーズンこのディビジョンを、カンファレンスを制するだけの力をきっとこのチームは手に入れているだろう」(M・フラテロHC)
 グリズリーズは35勝47敗。プレイオフ進出を逃した。
 ガソルは39.4分のプレータイムで、21.3得点&9.3リバウンド&3.9アシスト&1.9ブロックを記録。




ディビジョン順位表
ダラス・マーベリックス 61勝21敗
サンアントニオ・スパーズ 59勝23敗
ヒューストン・ロケッツ 48勝34敗
ニューオリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ 41勝41敗
メンフィス・グリズリーズ 35勝47敗












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