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第101回


「2006NBAチャンピオン、マイアミ・ヒート!」

ファイナル、ゲーム6

1Q
 マブスが実に良く守り、よく攻めたQ。
 ゲーム5ではフリーにしても外していた3Pを次々に決め、ノビツキーに引っ張られるように怒涛の攻撃を決める。
 対するヒートはダラスでのゲーム1、2を思い出させる「シャック中心に攻め、マブスのディフェンスにつかまる」というそのままのオフェンスで得点をあげることが出来ない。
 Qラスト2分、ヒートはシャックを下げ、モーニング投入。ここまで、ボールもまともに持たせてもらえず、FG0/1で0得点のウェイドがここから息を吹き返す。
 Qが終わるまでに7得点に加え、チームのオフェンスにも動きが見られるようになり、悪くない状態でQを終了。

2Q
 1Q終盤からの「ウェイドシフト」で2Qもヒートはスタート。これにマブスが苦戦。モーニングも凄まじいブロックを見せるなど、ヒートペースで遂に31-32で1点差。
 ここでヒートはシャックをコートに戻す。シャックもモーニングのいい動きが刺激になったか、いいディフェンスをみせるなどゲームへの集中が見られた。
 しかし、「シャックのゲームへの集中」より「マブスの対シャックディフェンス」のほうが大きかったようで、ここからヒートはウェイドの凡ミス、シャックへのダブルチームからのブロックにスティール。テリーを中心とした速攻で得点を連取したマブスが差を一気に11と広げる。
 ここでウェイドのミドル、JWの3Pと個人技でヒートが返すも、プレスぎみのマブスディフェンスにTOを犯し、再び連続得点を許し、36-46に。
 ヒートはここからシャックからハスレムに対するパス&ショット成功を1本はさみ、再びウェイド中心にオフェンスを展開。途中、シャックを下げたのもあってか、ポージーのナイスディフェンスもあり、47-46でヒートが逆転に成功。ミスショットからJW、Zoの速攻で49-46とするも、ノビツキーがカットインをねじ込み、49-48で前半を終了。
 A・ジョンソンHCとしてはまさかの逆転を許しての前半戦終了となった。


 A・ウォーカーのカットインで始まった3Q。
 だが、すぐさまテリーの3Pでマブスが返し、その際、スクリーンのハリスに対しウェイドがファールを犯す。FT1投は決まらず。
 しばらくディフェンス合戦が続くが、ハスレムのノビツキーに対するナイスディフェンスにマブスのミスでヒートが走る。
 その後もウェイドのノビツキーの上からのショットに、モーニングのブロックでヒートが勢いづけばノビツキーが難しいショットをねじ込み対抗する。
 ウェイドがダブルチームをかいくぐり、インサイドのモーニングへパス。これがカウントワンスローになるも、外れたFTから速攻を許し、さらにそこからのオフェンスでペイトンがオフェンスファールを取られ…といった感じでどちらも決め手を欠くまま、3Qを終了。

 ノビツキーがミスショット、ウェイドのショットが決まり、Qがスタート。
 だが、シャックが9:50にこのQ2つ目、トータル5つ目のファールを犯し、ベンチへ。

 ここで信じられないミスが。
 ペイトンがボールを持ち込み、その際に審判に抗議。ボールをウェイドにパスしても諦めがつかなかったのか、ペイトンは審判のほうを向き、抗議を続ける。その時、ウェイドからボールが返ってきてTOに!モーニングのブロックで速攻こそ防ぐが・・・。

 残り9分、ここからはヒートはモーニング、マブスはダニエルズが活躍。
 マブスは2-3ゾーンでウェイドに対し、トップ以外でボールを持てばダブルチームという形でウェイドからの得点を防ぐ。
 このゾーンに対し、ヒートはハスレムのハイポストでのジャンプショットで応じ、ウェイドもディフェンスが整う前にカットインをしかけ、ファールをもらう。

 残り5分で83-79。
 スタックハウスがカットインを決め、ハスレムのミドルが外れるもウェイドがオフェンスリバウンドからファールをもらい1本を沈め、84-81。
 ここでヒートも2-3ゾーンを敷く。
 スタックハウスの3Pが外れ、逆にウェイドからのパスを受けたポージーが右コーナーからの3Pを決め、3:41で87-81。

 タイムアウトがあけ、J・ハワードがカットインを決める。
 ヒートはハスレムへのいいパスが通り、ダンク。と思われたがここをスタックハウスがブロック。
 ノビツキーがファールをもらい、FT2投を決め、遂に87-85。

 残り3分。
 ヒートはJWがオフェンスの選択で迷い、誰しもがプレッシャーでか、動きが悪い中、ベテランのポージーが一人動きまわり、カットインを決める。
 ノビツキーのミスショット、ウェイドへのファールをはさみ、タイムアウトに。
 ウェイドがここでのショットをミスし、スタックハウスが先のミスを補うように3Pを決め、点差は89-88で1点に。
1:37。

 JWが3Pを放つも外れる。が、ここでハスレムがオフェンスリバウンドから得点を決め91-88。
 ヒートはここでのディフェンスをよく粘り、苦しい3Pを打たせたが、ダンピアーがオフェンスリバウンドを拾い、マブスがタイムアウト。54.6。91-88で変わらず。

 タイムアウトがあけ、ハワードがミドルを決め、91-90。
 ウェイドがボールを持ち込み、マブスはダブルチームの際にウェイドにファールをしてしまい、FT2投を与える。
ウェイドがこれをしっかり決め、93-90。26.2。

 タイムアウトがあけ、マブスが選択したオフェンスはノビツキーとダンピアーとのピック&ロール。
 だが、ここでヒートのディフェンスのプレッシャーが厳しく、パスが乱れ、ボールはヒートに!
 ファールゲームとなり、ウェイドはFTを2本決め、95-90。17.7。

 最後のタイムアウトを終え、テリーがすばやく3Pを放つ。
 これが決まらず、ヒート!と思われたが、ここでルーズボールファールを取られ、2本FTを決める。95-92。
 ウェイドへファールをし、FT2本。
 だが、ここでウェイドは2本とも外す。ハスレムがこれを拾うもトラベリングを取られ、ボールは最後のチャンスをダラスへ。だが、マブスにもタイムアウトはもうない。95-92、時間は残り10.3秒。

 J・テリーが持ち込み、右45度でなんとかマークを外し、3P!
 これが決まらず、ボールはウェイドに。

 時間はもう1秒を切り、ウェイドが高々とボールを放り投げ、雄叫びを上げる。

 試合終了。
 ファイナル最終成績、マイアミ・ヒートの4勝2敗。ヒートがフランチャイズ初の、パット・ライリーHCが5度目の、シャックが4度目の、そしてウェイドが初となる優勝を手に、ファイナルMVPまで獲得した。

 「最高の気分」(ウェイド)

 こうして、2005-2006シーズンが幕を閉じた。


 ダラス・マーベリックスvsマイアミ・ヒートのファイナル。
 ホームコートアドバンテージはマブス、層の厚さ、チームとしてのまとまり、そしてディフェンスと、いずれもマブスが有利だったことは誰しもが認めるところだった。
 そして、マブスには対シャックの作戦もあった。
 シャックを20得点に抑えることができれば。
 しかし、ここでマブスのそして見ているものの多くの予想を軽々と飛びぬけたのがドウェイン・ウェイド。
 まさに別次元のオフェンスを何度となくみせつけ、シャックが1桁に抑えられようと、その分を補ってあまりある得点を量産。
 他での失点も非ブロックもマブスには修正可能な範囲だったかもしれないが、この一人の新スターにマブスはやられてしまった。

 ヒートはチームとしての完成度の低さからファイナル進出、つまりはピストンズに勝つことさえ難しいだろうというのが私を含めた大半の予想だった。

 しかし、ピストンズを破り、マブスに勝ち、ファイナルを制した。

 プレイヤーで見ても、JWはディフェンスがいまいちで、ペイトンはかつてのようなスピードのあるディフェンスが出来ない。ポージーはノビツキーを守るにはサイズが足らず、ハスレムには経験がない。
 シャックはこのところ、かつてほど「圧倒的」ではなくなり、モーニングはオフェンスでは頼りない。A・ウォーカーはSFを守れるとは想像も出来ず、オフェンスでは誰しもが予想できない存在だった。

 だが、これらのピースがかみ合った。
 JWはポイントでチームを勢いづけるプレーをし、ペイトンは要所要所で粘りのディフェンスを見せ、ポージーもサイズをしつこさで補い、ハスレムも最終ゲームで素晴らしいディフェンスにミドルを何度となく決めて見せた。
 シャックはかつての存在感はなかったものの、それでもいるとインサイドで安心感を与え、モーニングはチーム最後の砦として凄まじい活躍を見せた。ウォーカーは・・・最後まで未知数だったが、それでもチームオフェンスがかたまった時に一人でオフェンスを仕掛けることの出来る存在は、コーチにとってはは大きかったのではないだろうか。
 そして、ウェイドがフィニッシュ。

 さらに言ってしまえば、いかに未完成だろうが、FTが決まらなかろうが、他のどのチームも成しえなかった優勝を成し遂げた。
 2005-2006シーズン、最強を証明したのはマイアミ・ヒート。

 ファイナルMVPのトロフィーをウェイドにシャックが手渡した図が印象的だった。(デヴィット・スターンコミッショナーがウェイドに渡そうとするのをもぎとるようにしてシャックがウェイドに)



 かつて、パット・ライリーHCはロサンゼルス・レイカーズで
 「来年、ここで優勝を報告すると約束するよ」
 と優勝パレードで話したことがあった。

 ヒートは来シーズン、チャンピオンとして今シーズン以上に苦しい戦いが強いられるだろう。
 そして、来シーズンにはベテラン勢の衰えもあり、優勝は難しいかもしれない。
 だが、多くのスーパースターたちが「一度は」と憧れる優勝を成し遂げたのは間違いない。
 重ねて言うが、この2005-2006シーズン、最強を証明して見せたのはマイアミ・ヒート、ただ1チームだ。


6月20日(火)の試合
マーベリックス 92 - 95
2-4
ヒート WIN!



 力量不足な管理人に2005-2006シーズンもお付き合い頂き、ありがとうございました。
 明日からも早速、オフの動きを追い、引き続きNBAを追いかけたいと思います。
 今後ともNBA FAN’S PAGE!をよろしくお願いします。
 管理人 asua




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