今回、ふとしたことからここのファンの方から、

何故、ポートランドは
(選手をそろえながら)上手くいかないんでしょう?

というご質問を頂きました。
この質問は私が常々、言っている(と思う)
「チームはバランス!」という考え方が深く関わってきます。
ということで、今回は前編と後編にわけ、
前編の
「ポートランド・トレイルブレイザーズ、失敗の訳。」
と、今回の
「チーム改造理論!?」
としましてチームを改造する時に私が心がけていることを
書いてみました。
前回から約一ヶ月・・・。
すいません、お待たせしました。
色々色々書き足している間にいつの間にやら・・・。
いつのながら読みにくかったりしますが、
最後まで読んでいただけると嬉しいです。


チーム改造理論!?


「チームを創る」と考えた時、まず新たにチームを創らない限り現存するチームを改造することとなります。
そうなると、まず考えなければならないのは「誰にこのチームを託すか!?」と言うこと。
一般に言われる「エース」を決める作業から始まります。


わかりやすく、数字で言うとアベレージで23〜5得点は欲しいところです。
ここぞ、と言うときに決めることの出来る絶対的な信頼を勝ち得ることの出来る選手でないと。
と言うのも、「エース」である以上、常に一試合で20得点はしてもらいたい。
そしてあわよくば、30得点・・・、と期待できる選手でないと。
平均20得点を何とか記録している選手、というのは誤解されている方もおられると思いますが(と言うか、私がしてただけ(笑)?)、
「ほとんどの試合が20得点未満」の選手のことなのです。
そして時々、30得点したりしてその穴を埋めているだけで、日々20得点しているわけではないのです。
チームで「エース」として存在感を示し、ディフェンスにその存在を意識させ、
なおかつ、試合を支配するにはやはり少なくとも20得点は必要だと考えます。
確かに終盤で貴重な得点を上げられればいいに越したことはありませんが、
それだけでは試合には勝てません。

この間、ジョーダンがブザービーターを決め、試合をものにした対キャブス戦も
それまでの91得点があったからこそ、「あと一本」のシュートで勝てる状況にまで持っていけたのですから。

確かにジェイソン・キッドのように得点することなく、ゲームを支配する選手もいますが、
そうなると、その選手以外にやはり得点できる選手が必要となってきます。
事実、今シーズンはキッド率いるネッツが好調にも関わらず、昨シーズンは同じキッド率いるサンズが
キッドが得点せざるを得ない状況になってしまったばっかりに、期待ほどの上昇が出来ませんでした。
もちろん、怪我の影響もありますが、それプラス脇を固める「スコアラー」の不在が何よりも大きかったと思います。
クラッチ、これに関しましては「エース」と呼ばれる以上必要不可欠なため、ある程度以上のそう言った勝負強さはあることが前提条件です。

そしてチームの現状を見た場合、そう言った「エース」になり得る選手がいなければ、エースの獲得もしそれが無理ならば
その可能性を持った選手でもとにかく、そう言った選手を獲得することが何よりも先決です。
時として、そう言ったスター選手不在ながらチームを勝利に導けるコーチもいますが、
まさにそう言ったコーチを獲得すること自体がエース獲得と同様に難しい問題ですし、
そう言ったチームを優勝にまで結びつけることは、不可能に近いです。

次に、エースがインサイドなら、アウトサイドに。エースがアウトサイドの選手なら、インサイドに。
もう一枚得点源が必要となってきます。
これは別段、それほどの大量得点を必要とするわけではありませんが10得点ちょっとあれば文句なしです。
特に、エースがアウトサイドの選手だった場合、アウトサイドというものにはやはりどんな選手であれ波があります。
そう言った場合の安定した得点源として、インサイドに得点力が求められるのです。
逆に、エースがインサイド選手だった場合、インサイドへのプレッシャーがきつくなってきた場合、
もしくはきつくさせない手段として、アウトサイドに得点力が必要となってきます。

他にスターターで気をつける点は、当然と言えば当然ですが、リバウンダーとパッサー。
まず、リバウンダーですが、PF・Cあわせて平均リバウンドで15以上は最低でも欲しいところ。
強力なリバウンダーがいることは、アウトサイドの選手が思いきってシュートを打てるだけに止まらず、
安定したゲーム運びが可能となるのです。
何かで聞いた話ですが、

「野球チームを強化しようと思えばまず、守備力から始めるべき。
打撃にも投手力にもどうしても波が出てしまう。しかし、守備に波はない。
だから、まず弱いチームが改善すべきは基本的にではあるが、守備力であると考えられる」

ここで言う守備力、というのは私はバスケットで言うリバウンドとターンオーバーだと考えます。
その為、優秀なリバウンダー獲得と、安定したPG獲得は2ndオプション獲得以上に重要だと考えています。
で、今言ったですが、パッサーは別段数字上の合格ラインはありませんし大量得点を期待しもしませんが、
PGとして安定した働きが出来ることと、
アウトサイドを決めることが出来ることが要求されます。
多くの「エース」と呼ばれる選手がその得点能力を生かす術の一つとして「パス能力」を身につけていますし、
ゾーンディフェンスが解禁になった今、「誰だけがパスを出せる」ではチームがゾーンディフェンスにハマってしまします。
それを避ける意味でも、「誰しもが、パスを出し、誰しもがシュートを打てる」状況を創ることが必要とも考え、
安定した活躍以上はそう無理にPGに期待しないことにしています。
もちろん、先ほどのジェイソン・キッドのような類い希な選手がPGの方が
安定感のみの選手よりもいいには決まっていますが(笑)。


ここまでをまとめてみますと、

1.エースには終盤の強さと毎試合20得点以上の活躍が求められる。
2.エースとは別のサイドに15得点程度の得点力が必要。
3.リバウンドはインサイドの2人で毎試合15リバウンドは必要。
4.PGは安定した働きとアウトサイドが求められる。

そして、ここまで触れていないSF・SGの性格がチームのスタイルに大きく影響してきます。
PGがエースであることは、私がチームを創る上で基本的にはあってはならないパターンですので、
このどちらかが、エースもしくは2ndオプションの得点源となるわけです。
そしてもう一方は?
この選手がディフェンシブなプレイヤーなのか?
オフェンスに優れた選手なのか?
ランニングプレーを得意とするのか?
セットプレーにおいて、力を発揮する選手なのか?
こういった点がチームの性質を決めるといっても過言ではないと、考えていますので、
案外、安易に考えがちな「残り一人のスターター」は能力が高い低いも重要ですが、
それ以上にチームカラーにあった、チームに欠けているものを持った選手を選ぶべきだと考えます。

その次に、スターターの能力を持ちながら
バックアップに回っている選手(もしくはスターターでありながら、ポジションのかぶっている選手)
で、しかもその能力を発揮し切れていない選手をチョイスします。
その選手はチーム、選手のお互いのためにもトレード要員に。
これは決して「もったいない」行動ではないのです。
今、NBAで完璧に補強を済ませたチームは存在しません。
恐らく、今後も私がGMをしでもしない限りないでしょう(笑)。
まぁ、そんな話はおいといて(笑)。
実際、「完璧な補強」というものはまずあり得ません。
いくらでも補強したいポイントというものをチームは持っていますので、
それをほっといて、「いい選手だから」とかいって選手をかぶらせているのは、
他のチームに戦力を与えないと言う意味では効果があるかも知れませんが、
同様にその選手を出すことによって得られる戦力を自チームも得られないのですから、
おあいこにしかなりません。

さて、それらの選手などを活用して、と言う前提を踏まえ
バックアップ陣に話しを持っていきます。
まず、インサイドのバックアップに信頼できるベテランを一人。
できればPF・Cの両ポジションをこなせる選手が望ましいです。
バックコートにもPG・SGの両ポジションをこなせる選手を一人。
もしくはPG一人+SG・SFをこなせる選手を一人。
ここで注意すべき点は、各ポジションのバックアップはたいていの場合、
スターターとタイプの違う選手がベターです。
例えば、スターターのPGが言っていたとおり安定感のある、ミスの少ない選手だとしたら、
バックアップは勢いのある、チームを活気づけるようなPGがいいでしょう。
PFのスターターが技巧派の「うまい」タイプの選手なら、バックアップは
パワフルで「強い」タイプの正統派PFを、と言った感じで。
特にインサイドの場合、スターター、バックアップの2人が両方「強い」タイプだといいのですが、
両方が「うまい」タイプだと、本来の仕事がリバウンドやスクリーンと言った力を必要とするものなので、
仕事をこなすことが出来なくなります。しかも、さっき言ったとおり、インサイドがこのように機能しなくなると
安定したゲーム展開が出来なくなります。
「相手のインサイドが技巧派であること」と言う
前提条件がないと勝てないチームが勝利数を伸ばすことはあり得ません。
その為、相手チームのラインナップに対応し、流れを変えるためにも必要なため、
プレイヤーカラーは各ポジションで複数持つことが最良だと考えます。
ので、インサイドは特に一人は、「強い」選手が必要だと言うことが大事です。
このうち、一人でも平均10得点ぐらいの選手がいれば文句なしです。

で、このお互いを補完し合うという考えは、私のチーム造りに大きなウェイトを占めています。
PFとCでは特にその傾向が強いですね。
ニックスの場合も、キャンビーに高さ・ディフェンス力があれば
もう一人のインサイドCはパワーとオフェンス能力が必要である、と言った感じで。

これで人数的には7〜8人ぐらいになるかと思いますが、ここからもそうあなどれない人選です。
まず、欲しいのが先の3人ともう一つのラインナップを完成させ得る、残りの2人です。
その選手はどちらかというと、その道のプロフェッショナルな選手がベスト。
説明しますと、「ディフェンスのプロフェッショナル」「3Pのプロフェッショナル」「ブロックのプロフェッショナル」など。
それが2ndチームのカラーにもなり得ますので、かなり重要です。
これも先ほどの話ですが、スターターの選手とタイプが違う方がチームとしての幅が出来ると考え、
その方がベターだと思われます。
で、残りの2人ですが、それほど有名どころを取れるとは思いませんが、
その中で無名ながら実力があると考える若手なり、
値段よりは頑張りそうなベテランなど、「可能性」を持った選手が望ましいと思われます。
もしくはすぐに優勝を狙いたいチームだとすれば、ここも手を抜けないポイント。
ぜひとも必要なのはPG。
ゲームの流れを変えるのに、一番手っ取り早いのがPGの交代。
行き詰まったゲームの流れを打破するのに、第2,第3のPGを出せるというのはチームとして大きいと思われます。
特に何度も言って申し訳ないですが、タイプが違うことが必要。
わかりやすく例えますと、
デイモン・スタウダマイヤーがスターターで、スティーブ・カーがベンチで、
もう一人にエリオット・ペリーのようなディフェンスのスペシャリスト、など。
スタウダマイヤーは言うまでもなくガンガン得点・ドライブをするタイプ、
カーは安定したPGでありながら3Pのスペシャリスト、ペリーはディフェンスの、と言ったタイプの差です。
優勝を狙う場合で、最後のあと一人はそれこそチームにないモノを補ってくれる選手ですね。
例えば、サクラメント・キングスのように比較的若く、経験の浅いチームが優勝を狙おうと思えば、
12人目はプレーよりも精神面で支えになってくれるような大ベテランをベンチに座らせる、とか。
サンアントニオ・スパーズのような安定感抜群ながら、爆発力に欠けるチームは
若手の勢いしか持ってないような選手でもいいので、
そう言った「ガムシャラ感」をチームにもたらしてくれるような選手がいいですね。

とまぁ、ここまで長々と説明しましたが、
要するにまず1stチームをつくり、
次に可能な範囲で最高の2ndチームを作り上げ、
あとPGとあと一人チームの「可能性」を
引き延ばしてくれるような選手を獲る、と言ったことです。

ですんで、同じポジションに偏った補強はその選手の活用が出来ないばかりか、
チーム自体の他のポジションの弱体化にもつながります。
バランスが必要と言うよりは、考えてみるとバランスをとるしかないと言う結論に達するはずです。

各ポジションに2人+PG+若手。
まさにバランス!
なんだか、感覚に頼って創っている「チーム改造計画!」を言葉で説明するとこんな感じでしょうか?
わからない、もしくは意味不明な点などあれば、お答えできる範囲でお答えしたいと思いますので、
もし、最後まで読んで疑問など持っていただけた方は

nbafanspage@hotmail.com

までよろしくお願いします。
では、最後までお付き合いくださってありがとうございました。
次回は「NBA隆盛再び」としまして、
どうすればもっとNBAを楽しく出来るかを考えてみたいと思います。
これに関しましては、皆さんの意見も募集していますので
上記のアドレスまでご連絡ください。


inserted by FC2 system