今回、ふとしたことからここのファンの方から、

何故、ポートランドは
(選手をそろえながら)上手くいかないんでしょう?

というご質問を頂きました。
この質問は私が常々、言っている(と思う)
「チームはバランス!」という考え方が深く関わってきます。
ということで、今回は前編と後編にわけ、
前編を悪い例として
「ポートランド・トレイルブレイザーズ、失敗の訳。」
としまして
そのポートランド・トレイルブレイザーズを解説し、
ちょっと「チームはバランス!」について触れてみたいと思います。

後編では私が「チーム改造計画!」の根幹にもしている
「チームはバランス!」について語ってみたいと思います。

取りあえず、今回は前半のみの更新、ということで。
それでは、長いですが最後までおつきあいください。


ポートランド・トレイルブレイザーズ、失敗の訳。


「何故ポートランドは上手くいかないんでしょう?」

よくゾ聞いてくださいました!
お答えしましょう!

「チームはバランス!」

これです!

これはいい選手をそろえすぎてもダメだし、もちろん足らなくても問題外。
単純に考えますと、言い選手をそろえれば勝てそうな感じがしますが、
まずその考えが通用するのはスターティングラインナップまで。
スタメンであれば、一流の選手達が揃えばまず問題はないでしょう。
得点面での数字が落ちれば、
リバウンドやアシスト、ディフェンスといくらでも活路の見出し方があります。
ジョーダンがハミルトンの活躍により得点アベレージが下がって文句を言いましたか?
マジックのダレル・アームストロングがマグレディ、ヒルの加入で得点できなくなりましたが、
その不平を聞いたことがありますか?
そう言うものなのです、それがプロなのです。
チームの勝利を考えた時、それが最もよい選択であれば自分に不利であれ、
飲むことが出来るのです。
そして違う「自分の生かし方」をコートの上で模索するのです。

しかし、ベンチとなるとまた、全く話が別。
特にレギュラーシーズンを戦うなど、長丁場になる時にはその状況が「定着」するわけですから、
そのポジションがその選手の定位置となり、その選手の価値となるのです。
そうなるとプライドの高いスター選手にはベンチスタートは耐え難いものとなってやる気をなくしたり、
これまでスタメンでしか出場したことのない選手にはポイントでの起用の気持ちの切り替えや
ベンチでも試合への参加の仕方といいますか、
試合から気持ちを離さないで置く気持ちの整理が出来なかったりと、
要はベンチからでは使い物にならなくなる例が多々あります。

その代表例が、ポートランドのショーン・ケンプ。
ポートランドに来るまでは年々評価は微妙に下げながら、
まだ「一流選手」と読んでさしつかえのない選手でしたが、
ここへ来てからベンチスタートとなり、
それまでにも言われていた「やる気の無さ」が悪い意味で成長し、
個人としての成長は止まるわ、チームとしての結束を壊すわ、
挙げ句の果てに薬物に手を出すわで、まさに良いことなし。

今年の成績ご存じですか?
12770000ドル、これが彼の今シーズンの年俸ですが、ここまで

29ゲーム出場、
一試合平均11.4分出場
FG%45.8 FT試投数1.7 FT%80.0
2.8リバウンド 0.3アシスト 0.4スティール 0.2ブロック 4.8得点

この成績。
なぜこういった結果となったのか?
チームを創る時に何を考えなければならないのか?
理想のチーム像を思い浮かべ、
それに近づくために「必要な!」人材をそろえることです。
ここで敢えて、「必要な!」を強調したのには訳がありまして、
チームにいる人材を獲ることが必要であって、
チームの獲ることが可能な選手を獲ることが必要なのではないのです。

その昔「完璧な布石」とまでいわれた2000-2001シーズンの
ポートランド・トレイルブレイザーズの補強で、
このチームには当時、
一流のPF(ラシード・ウォレス、デイル・デイビス、ショーン・ケンプ)3人が顔を合わせました。
しかし、PFで確保できる出場時間は48分、センターの控えを入れても60分前後。
それで控えに回されたケンプはそれ以前から
言われている「やる気」の無さが悪く成長し、今に至るわけです。
恐らく、対シャックという観点から考えると間違いではない補強だったのでしょう。
パワフルなPFが十分体力を温存してシャックの回りを動き回るわけですから、
それはシャックとしても辛いでしょう。
「奥の手」としてインサイド4人で24ファールすることも可能です。

が、シーズンの長丁場を戦い、やる気を維持し、
精進を続けるためにはその選手にあった「プレーする場」というのが必要なのです。
ケンプを始め、多くのベテランが不平不満を並べ、
チームはまとまりをなくしレギュラーシーズン、プレイオフ共にさんざんな成績。

こうして「NBA史に残るタレント軍団」とまで呼ばれたチームはその姿を、
「チーム経営のもっともたる失敗例」として姿を変えたのです。

今、ポートランド・トレイルブレイザーズはその頃の「負の遺産」に悩まされているのが現状です。
ケンプの高額サラリー、その頃から手のつけられないラシード・ウォレス、
その頃が成長への重要な最終次期だったスタウダマイヤーの成長し切れていない現状、
それに明らかにボンジ・ウェルズがチームを牽引しかけていたにもかかわらず
いまだに失敗から学ばずビック・ネーム(有名選手)を
追い求め獲ってきたのが成長過程のデレク・アンダーソン。

別にアンダーソンがダメだといっているわけではないのです。
彼の爆発力は安定感抜群のスパーズにあって、チームに
必要な爆発力であり良い意味での若さだったのです。
しかし、さっきも言いましたが、「獲ることが可能な選手」と
「チームに必要な選手」というのは全く別なのです。
確かに今回、スティーブ・スミスを出すことにより、そのオフの目玉の一つでもあった
デレク・アンダーソンの獲得に成功しましたが、
チームに必要ないとまでは言いませんが、もっと良い選択枠があったはずです。

そして、このチームの現状。
獲得が失敗だったとは言いませんが、「たら、れば」を考えたくなる状況ではあります。

チームバランス、というのはそのチームの結束力を保ち、生み出すために必要不可欠。
出場時間を与えてくれず、自分の才能を違う形で生かせるわけでもないチームに
誰が結束を深めようと思います?

私はむしろ、ポートランドのためにも、各選手のためにも、
スター選手を現時点においては無きに等しい戦力でも
若手とトレードすることによってチームは再び、
上を目指し微かな一歩を踏み出しかけることが出来ると思います。
もちろん、獲ってくれるチームが地球上のどこかにあれば、の話ですが。


さて、次はここでもお話しした私にとっての「チームはバランス!」と基本としてチームの創り方、
というかチームのあるべき姿をお話ししたいと思います。



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